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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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しっとりとした重厚なパウンドケーキが焼き上がるはずだった。
オーブンレンジを開けると消し炭のようなものが鎮座していた。
何が悪かったのだろう。
レシピ通り、きちんと計量した。
失敗の少ないお菓子のはずだった。
それなのに黒焦げになってしまった。
ゴミ箱に捨てるのも忍びない気分だった
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「姫を託すことができるのは貴殿しかいない」近衛の騎士が言った。
「王族の警護は第一団の仕事では?」ことがことだから、疑問を投げかけてしまった。
「貴殿はもともと第一団にいたのだから適任だろう」となおも言う。
月光の下、密談めいていた。
「分かりました」と守ることを誓いに立てる。
穏やかな昼下がり。
部屋にいるのがもったいないぐらいの青空。
少女は窓辺で日光浴をしていた。
洗い物を片付けた青年が隣に座る。
少女はぎこちなく、青年の腕をぎゅっと握る。
存在を確かめるような仕草だった。
少女の言葉はなかった。
それだけ不安にさせているかと思うと申し訳なさがたった。
携帯していた神剣・神楽が律動した。
敵に回ってしまった同胞が近いのだろう。
血まみれの剣は、同族の血をことさら好む。
忌むべき剣だった。
後ろをついてきた少女に向き直る。
「待っていてくれ」と帰る言葉を青年は口にした。
「分かりました」泣きそうな顔をして少女は言った。
青年は歩き出す
挨拶をすると、笑顔で返してくれた君。
僕は勇気を奮って、今日も挨拶をした。
それなのに君は怒り顔で、腕を触れ合わせるのみ。
僕は君を怒らせるようなことをしただろう。
そんなふうに気をもんでいると、君は「すみません」と謝った。
「夢見が悪かったんです」と続ける。
「そうなんですか」
幼なじみと駅前で待ち合わせをしていた。
家が隣なのだから、わざわざ待ち合わせなんてしなくてもいいのに。
慌ただしく用意をしていると、遅刻ギリギリの時間になってしまった。
待ち合わせ場所に行くと、幼なじみは絡まれていた。
そこへ割って入る。
「いい度胸してるね?」低い声音で言った。
海を写した写真集だった。
写真に添えてある一言が優しさ包まれるようで好きだった。
写真集をパラパラとめくり、その一言を読む。
心があたたかくなるのが分かる。
写真家は本当に海が好きなのだろう。
荒々しい高波も、寂しくなるような波打ち際も、写真集に納まっている。
見るのが楽しくなる。
「お別れしなさい。今日で最後なんだから」母が言った。
生まれた時からずっと一緒の家族だった。
引っ越し先はペット不可だから、連れていけない。
それは理解しているから、より離れがたい。
仕方なく、ペットの腕を両手で包む。
想い出がフラッシュバックして涙が零れた。
もっと一緒にいたい。
同胞同士の殺し合いなんて血なまぐさいだけだ。
それに結界が張られて、自分か同胞が死ぬか、撤退するまで、少女は戦いに入ってこれない。
それでもついていきたいと言う少女の言葉に折れた。
仕方ない。
少女がいれば、必ず生きて帰るという考えが浮かんでくるだろう。
青年は神剣・神楽を握る。
首から下げたロケットペンダントは宝物だった。
ペンダントの中には、小さな肖像画が描かれている。
あの日、屋敷に火を放たれて多くの絵画が喪われた。
少年が常に身につけていたペンダントだけが唯一の残った絵だ。
両親が微笑んで描かれている。
眠れない夜は小さな肖像画を見て目を潤ませる。
蜜色の髪が春風になびていて揺れる。
それはキラキラとしていて思わず手を伸ばしたくなる。
そんなことをしたら驚かれるに決まっている。
だから、この想いは秘密だ。
蜂蜜よりも甘い誘惑に負けないように、手をぎゅっと握り締める。
僕と君は友達同士。
決して、恋人同士にはなれない。
別れてほしい、と長年付き合った彼から言われた。
他に好きな女の子ができてしまったそうだ。
浮気しないで正直に言ってきたのが彼らしかった。
彼のことが好きだったから未練はあった。
想い出の中だけでも素敵な女性でいたかった。
「幸せになるのが条件よ」と笑って別れた。
似合わないくせにね
僕は君の上澄みだけを知っている。
透明で澄んでいる。
君の心の底は砂砂利だろうか。
胸の内は濁っているのだろうか。
悪口を言い、人の優劣をつける。
そんな君は見たくない。
お花畑と言われても、いつでもにこにこ笑っている君がいい。
ごく普通の人間のように穢れている君を知りたくない。
こんな幸せで良いのだろうか。
いつか喪われるための幸せだろうか。
罪を重ねた僕を罰するための幸せだろうか。
君には決しては言えない罪を犯した。
一つではなく、何度も。
それは許されないことだと思った。
正直に君を話せば離れていくだろう。
想像だけで、僕は涙を流す。
幸せすぎて苦しい。
いつまでも一緒にいたい。
寂しい時は傍にいてほしい。
わがままばかりで、君の気持ちを考えていない。
そんな自分は地面に埋めてしまいたい。
それなのに、君は僕のわがままを叶えてくれる。
今も隣にいてくれる。
僕は目を逸らしつつ、君の腕を指先でなぞる。
夢ではないかと確認してしまう。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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