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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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今年の春は駆け抜けるように過ぎ去っていった。
名残のように散る桜吹雪を満喫する。
ざっと風が駆け抜けていく。
視界が薄紅色の花弁で染まる。
少年は恐る恐る、少女の腕に指を絡める。
桜に連れ去れそうだったから。
細い腕にドキリっとした。
「花びらがついているよ」と少女はニコッと笑った。
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軒先に金魚が描かれた風鈴をぶら下げる。
わずかな風にゆらゆらと揺れて硝子は鳴る。
涼しげな音色だった。
青年は満足して、ソファに戻る。
そこへお茶を淹れてきた少女がやってきた。
ローテーブルに盆を置くと、風鈴にふれる。
そして、クスリと笑った。
年頃らしい笑顔に、青年は目を細める。
伝承を求めて書庫に降りる。
そこには古びた紙の匂いで満ちていた。
その中から一冊の古書を引き抜く。
パラパラとページをめくりながら文字を見る。
そこには神剣・神楽が神刀だったことが書かれていた。
軽いフラッシュバックを起こす。
妖刀が持ち主を癒すのは、その頃の記憶があるからだろうか
「わたしはあなたのことが嫌いよ」キッパリと断言されてしまった。
そんな素直なあなたに僕は苦笑する。
「あくまで僕が、あなたを愛していたいんです。」と僕が告げると、あなたは膨れっ面をする。
「好きにすれば。わたしの気持ちは変わらないけど」あなたは視線を逸らして僕に向けて言った。
いつまで咲いている桜は不気味だった。
それも白い花弁ではなく、濃い薄紅色。
小説ではないけれど、死体でも埋まっているようだった。
妖艶な桜は、人の心を惑わせる。
僕もその中の一人だ。
とっくのとうに葉桜になっていてもおかしくない桜に、散らないでほしいと思う。
まるで真逆だった。
雨合羽を纏った体に雪が積もる。
あまりの寒さに震える。
雪の結晶は一つとして同じものはないという。
それはまるで人間のようだと思った。
同じ制服を着て、同じ机を並べて。
個性なんて生まれてくることがないようだけれど違う。
一人一人、抱えた理想は違って抱えた悩みは違って。
雪のようだ。
「私のこと好き?」無邪気に君が尋ねてくる。
その様子が可愛くって、つい意地悪をしたくなる。
「好きじゃないよ」僕は言った。
君は泣きそうになりながら、僕の両手のひらを指先でつつく。
「私は好きなんだけど」君は言った。
「うん知っている。そんな君が大好きだよ」僕は君の耳元で囁く。
ぼくたちが恋する理由は独りが寂しいから。
心にぽっかりと穴が開いたような感じがして、片割れを探す。
ジグソーパズルの最後の1ピースを見つけるように。
孤独な夜を少しでも軽くするために、恋をする。
寂しければ寂しいほど、恋の焔は燃え上がる。
ぼくたちの恋は軽薄で、貪欲かもしれない。
少女の肩が震えているのは知っていた。
少年はかける言葉が見つからず、見て見ぬふりをした。
やがて青年がやってきて少女を優しく抱きしめた。
少女は青年の腕の中でポロポロと涙を零した。
見てはいけない秘密を見てしまったような気がして少年は足早に立ち去った。
少年にはできないことだった
「眠れないのですか?」家庭用機械が尋ねてきた。
「いつもなら消灯している時間ですが」律儀に機械は言う。
青年は溜息をつく。
「寝るよ」
「それなら電気を消された方がよろしいと思いますが」機械は淡々と事実を述べる。
「少し読みたい本があるんだ」
「では寝ないのですか?」堂々巡りになる
起きてはいた。
もう少し微睡の中にいたかったから、ベッドの上で横になっていた。
「いい加減、起きてください」少女が青年の体を揺する。
「起きてるよ」と青年は言った。
「嘘ばっかり」と少女は満面の笑みを浮かべながら、青年の腕を折れんばかりに握る。
「君も昼寝を楽しもう」と腕を引く。
夜、パソコンに向かってゲームをする。
顔も知らない相手が一番の仲良しだということが皮肉だった。
現実は厳しい。
心を許せる友だちはいなかった。
見ず知らずの相手の方が自分をさらけ出せた。
それでも聞きたくない話が持ち上がることがある。
そんな時はリアルで用事ができたと離席する。
硝子のような片想いをした。
透明で君のことがくっきりと見える。
それなのにふれると冷たい。
声をかけるのを阻まれている。
いっそのこと割ってしまおうか。
そうすれば君にふれることができる。
硝子は粉々になって、僕の心を鋭く傷つけた。
切れ端で手は血塗れ。
こんな手で君にはふれられない。
世界は虹色に染まっていた。
どんなことだってできる。
そう思っていた時期もあった。
昨日の続きの今日を迎える。
それがどれほど幸せなことだと知らなかった。
当たり前のように僕の隣に君はいる。
それが自然すぎて見落としていた。
世界は常に変わっていく。
別れの時が来ることを知りたくない。
-
「サヨナラは言わないよ」と君は言った。
頑固者の君らしい発言だった。
だから僕は無言でうなずいた。
「また」君は手を上げ言った。
僕はその背中に手を振った。
君には見えないだろう。
それでも君の姿が星より小さくなるまで振り続けた。
それから、僕は空を見上げた。
潤んだ眼。
引き結んだ口。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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