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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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『人里には行ってはいけないよ』母親の言葉を無視して子どもは人里には降りた。
時はちょうど節分。
「鬼はー、外」大豆を持った幼子たちの声がした。
友だちになれるだろうか。
子どもは声の方に向かって行く。
元気な声を上げていた幼子たちは「鬼が来たぞ!」と家に駆け戻る。
子どもは悲しむ。
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これが最後だと分かっていた。
だから嫌々ながらも、君の両手のひらを両手で包む。
ひんやりとした手に、僕は何度ドキリっとすればよいのだろう。
僕たちはまだ力がない子どもだ。
大人に従わなければならない。
もっと大きくなれば違う選択ができたはずだ。
ここで『サヨナラ』なんて悲しすぎる。
人質のように嫁いできた帝国は国土が広かった。
気軽に海へと行くことができないほど。
海の側の小国で生まれ育った姫にとって窮屈だった。
寄せては返す波の音を聞きたいと郷愁にかられていると、皇帝陛下のお出ましの時間になった。
「どうした?」不機嫌そうにこちらを睨む。
姫は笑顔を作る。
ふいに落ちた沈黙に僕は困った。
何かを喋らなければならないと思っても、話題が思いつかない。
ぎこちない沈黙は僕と君の関係のようだった。
沈黙を楽しめるほど、想い出を重ねていない。
君は目を逸らしつつ、両手のひらを指先でつつく。
会話の糸口を見つけられないのも、君も同じなのだろう。
何万光年から光を届ける星たちは、今も存在しているのだろうか。
すでに滅んでしまっているのだろうか。
それとも、まだ輝いているのだろうか。
それを知るすべはしらない。
ただ夜空を見上げて、輝きに見惚れるだけだ。
あの星のように煌めいていたい。
誰かの憧れの存在になりたい。
そう思った。
銀河に広がる星たちを二人して眺めていた。
一晩中、見つめながら、いろんな話をしていた。
それも、もう終わりの時間だった。
東の空が白み始めた。
「朝だね」君が囁く。
「そうだね」と僕も頷く。
誰にも邪魔されない貴重な時間は、静かに終焉を迎える。
明るい太陽の出現で。
君の手が僕にふれた
赤く染まった木の葉が散る。
影は徐々に長くなってきた。
太陽は溶けるように空を染めながら落ちていく。
眩い光に目を細める。
すると無理矢理、君が腕を折れんばかりに握る。
痛みが現実に引き戻す。
「ゴメン。あっち側に行っちゃうかと思って」君は心細そうに言った。
「ありがとう」と僕は言う
もともと政略結婚だった。
まだ幼い姫を娶るのだからと、白い結婚が前提だった。
両国の関係はまずまずと安定していた。
そうなると、その血を引く後継ぎの声が上がる。
幼い姫も年頃と成長した。
皇帝は姫を組み敷いた。
破られた不可侵条約に姫は怯える。
それが加虐性欲を煽ることを姫は知らない
ちょうど付き合って一年の記念日だった。
君の知らない一面をたくさん見た一年だった。
これからもたくさん知っていくのだろう。
デートコースは一年前と同じコース。
笑顔を交わしながら回っていく。
ふいに君は上目遣いで、指先をぎゅっと握る。
「どうしたの?」不安にさせることをしただろうか
青年はベッドの上で微睡んでいた。
うつらうつらとするのが最高の気分だった。
そこへ少女がやってきた。
目を微かに開ける。
少女はベッドの上に腰かける。
「お寝坊さん」と青年の頬をつつく。
青年は目を逸らしつつ、手のひらを折れんばかり握る。
少女の長い髪にふれたい。
信頼関係が崩れそうだ
待ち合わせの時間よりも早く着くようにしている。
そのことを知った少女は時間よりも早く待つようになった。
本末転倒もいいところだった。
少女は可愛らしくて、内気に見えるから絡まれやすい。
ナンパ野郎に話しかけられていた。
青年は割って入って「恋人ですけど、なにか?」と睨みつける。
普段はつけていないテレビがついていた。
珍しいこともあるものだ、と青年は思った。
少女はメモ帳を片手に、食い入るように見ていた。
興味が湧いて、少女の隣に座る。
テレビは美味しそうな料理が出来上がるところを流していた。
「うまそうだな」と青年が言うと、少女はびくっと肩を揺らした。
隣国の王太子が国賓としてやってきた。
「お淑やかにふるまうのですよ」目付け役が耳打ちする。
そんなことは分かっている。
外交の一環だ。
嫌々ながらも、王太子の両手を握る。
「我が国の挨拶をしてもかまわないですか?」王太子は尋ねた。
「光栄ですわ」私は余所行きの笑顔を浮かべて言った。
「好きだ。付き合ってほしい」ストレートな告白だった。
量品店で買い揃えた服をまとう青年を乙女は上から下まで眺める。
「私は高いわよ?」乙女は安物では満足できない生活をしている。
庶民の暮らしに興味はあったが、青年の収入では破綻するのが目に見えている。
「知ってる」と青年は言った
同胞を血祭りにあげてやろう。
同じ祖から生まれてきたが、もう別ものだった。
青年は中途半端に伸びた髪をヘアゴムでまとめる。
それから神剣・神楽を手にする。
室内を出ると、廊下に少女が立っていた。
神剣・神楽の巫女として最期を見届けるのにふさわしい配役だった。
二人は戦地に向かった。
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プロフィール
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iotu(そら)
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自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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