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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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当番制でお風呂場の掃除をしていた。
気を抜くとかびだらけになるから念入りに磨いていた。
そこへ姉がやってきた。
怒り顔で、腕を握り締める。
「あんた冷凍庫のアイス食べたでしょ」姉は言った。
「名前書いてなかったよ」私が弁解をする。
姉は袋を見せる。
小さく姉の名前が書いてあった。
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僕は目を瞑って、再び開いた。
君は消えずに、僕の隣で健やかな寝息を立てていた。
覚めた夢の続きを見ているようだった。
真っ白な衣装をまとって、永遠を誓う。
それは、かつての光景。
その瞬間から、君は僕のものになって、僕は君のものになった。
何年経っても忘れられない幸福な光景だった。
男性にしては細い指先が体の輪郭をなぞっていく。
優しく、時に強く。
それは快感を呼び起こす。
さわられているだけなのに、鼓動は早くなり、変な声が出そうになる。
お返しに男性にふれてみたけれども、苦笑をされた。
少女の未熟な手では、快楽を呼び起こすことはできないようだった。
青年は新聞に視線を滑らせる。
痛ましい記事が一面に載り、その気の毒さに平和を祈る。
どうやら結界が作用して、同胞との戦いは痕跡も残らなかったようだ。
神剣・神楽の癒しの力で起き上がれるほど回復した青年は溜息をついた。
良かった、でいいのだろうか。
青年はぼんやりと昨夜を思う。
少女は無理矢理、少年の手のひらを両手で包む。
「帰るまで見ちゃダメよ」少女は念押しした。
だから、律儀な少年は家に帰るまで両手を握り締めていた。
手を開くと、綺麗な石があった。
それは少年の大切な思い出になったのは、言うまでもないことだった。
大人になってもその石は大事にされた。
希望は常に絶望の中で輝く。
逆説的にいえば、絶望の中だからこそ希望に感じる。
それがどれほど、ささやかなことであっても。
少年は常に暗い道を歩んできた。
一等星のように輝く希望を見つめて。
それがかき消える瞬間を味わいたくない。
月光すら届かない地の底にいるのだから、知りたくない。
お駄賃で銀貨を貰った。
嬉しくてスキップをしていたら、銀貨を落とす。
慌てて拾い上げたら、不吉な影が差した。
「いいもん持っているじゃないか?」ごろつきで有名な人物に見つかってしまった。
首を横に振ると、ごろつきは拳を振り上げた。
殴られる。
目を瞑ったけれども衝撃はなかった。
少女と過ごした時間は、みんな貴重な時間だった。
笑うことも忘れて、生きていくためだけに生活していた。
そんな人生を一変してくれた。
少女は申し訳ないと思っているようだが、感謝したいぐらいだった。
『生きる』目標ができた。
屍のような人生は極彩色に彩られた。
青年は笑顔を取り戻した。
「この電車、揺れるぞ」少年は言った。
「大丈夫だもん」少女は言った。
「吊革に手が届いてないぞ」少年の声は笑いを含んでいた。
少女は仕方なく、少年の腕を軽く握る。
「最初から、そうしていればいいんだよ」
「だって、恥ずかしいじゃない。だから……」照れた少女は視線を床に落とした。
ずっと一緒にいるから、当たり前になっていた。
同性の友だちと遊ぶような。
兄弟が増えたような。
それが、今、異性として告白をしてきた。
胸がときめいた。
恋と、錯覚してしまいそうになった。
どこまでも親愛に近い感情は、どう伝えればいいのだろうか。
かけがえのない存在だとは思っている。
少女は小さなことで喜ぶ。
ささやかな日常が得難いものらしい。
神剣・神楽の巫女として、石牢に閉じこめられていたのだから、どんなことも幸せだろう。
だから、いつまでも少女が笑顔でいられるように、日常を守ろうと思った。
たとえ、それが仮初のものでも。
戦いと戦いの間の刹那なものでも。
部屋を掃除していたらDVDが出てきた。
表面には油性ペンで自分の名前が書いてあった。
もう一人分、名前があったがそれは修正されて読めなくなっていた。
いぶかしがりながら、再生してみた。
幼い頃の自分が映っていた。
そして、見覚えのない犬がいた。
記憶から遠ざかっていた名前を自分が呼ぶ。
春まだ浅い頃。
制服に指定のコートを着て、張り出された掲示板を見上げる。
手元の数字と同じ数字を見つけて「あった!」と叫んでしまった。
一緒に来た友だちも、にこやかな笑顔を浮かべていた。
堂々と、両手のひらを触れ合わせる。
ハイタッチもしたくなるものだ。
無事に大学生活が始まる。
見守ってくれる少女がいるから強くいられる。
そうでなければ、同胞同士の殺し合いに早々リタイアしていただろう。
これまで戦い続けられるのは、少女の存在が大きい。
孤独を埋めてくれる家族ごっこかもしれないが、ささやかな日常を守りたい。
神剣・神楽を見つめながら、そんなことを思った。
いつもと環境が違うからだろうか。
それとも新婚旅行を楽しんでいるからだろうか。
洗顔をしようと洗面所に立つと指輪を見つけた。
それをポケットにしまうと顔を洗う。
それからしばらくしてすごい物音がした。
「おはよう、奥さん」指輪をはめる。
君は泣き顔で、僕の両手のひらを両手で包む。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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