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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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マグカップをシンクに置く。
姿勢が悪かったのだろうか。
先ほどから足の筋を攣ったようで青年は痛がる。
その様子を遠慮なく少女は笑う。
覚えておけと青年は思った。
片足を引きずるような格好で、部屋に戻る。
痛みは少しは和らいできた。
そのことにホッとした。
痛みが走った時は緊張したものだ。
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家族以外の男性と接することが少ないからだろう。
近所の少年たちは、いわゆる悪ガキだった。
クセの強い髪を散々からかわれた。
だから男性恐怖症になった。
そんな自分に声をかけてくる青年。
近すぎると怖い、離れてもう嫌。
そんな感情を抱くようになった。
これは初恋と呼んでもいいのだろうか。
一瞬、記憶が飛んだ。
ノートには判読不明の文字。
板書は先ほどよりも進んでいた。
少女は慌てて、鉛筆を走らせる。
どうやら居眠りをしていたようだ。
自分らしくないと思った。
白金色の頭髪の少年を追い抜くには、まだまだ時間が足りない。
切磋琢磨をしなければ。
少女は自分を律しした。
これと言って目立つ外見はしていなかった。
どこにでもいる姿かたちだから、衛兵も見逃す。
城から出て、眩しい太陽の光をいっぱいに浴びる。
城下町は清潔で活気にあふれていた。
ありきたりなワンピースを着て、観察する。
辻占にいる占い師に声をかけられた。
「手のひらを見せてくれないかい?」
慕ってくる後輩のことが憎いわけではない。
たまにうっとおしいと思うこともあるけれど。
まるで好きと嫌いが裏表になっているコインのようだった。
ある日は、好き。
ある日は嫌い。
それでもめげずに話しかけてくる後輩に、恋への片道を踏み出したかのようだ。
自分でも予測できないコイントスだ。
最寄駅から学校まで緩やかな坂道になっていた。
いつもはへばりながら歩く道だったが、今日は一人ではない。
偶然クラスメイトと一緒になったのだ。
「今日も暑いねー」とお定まりの挨拶から始まって、話題は広がる。
カードゲームをするのが好き、という共通点が見つかってから、あれこれと話す。
親が勝手に決められた縁談だった。
少年は断るつもり満々で席に着いた。
同じ年頃の少女が緊張した面持ちで座っていた。
簡単な挨拶をした後、庭に二人っきりで追い出された。
すると少女はホッとしたような顔をする。
「お優しい方で嬉しいです」とはにかむ。
その微かな笑顔に少年は恋に落ちた。
ずっと好きだった子と初デート。
手に汗がにじむのは、太陽が照らす昼間だからだけではない。
彼女と手を繋ぎたい。
少しばかり性急すぎるだろうか。
頭の中をぐるぐるする疑問符。
僕はぎこちなく、自分の手のひらを握り締める。
手を繋ぐタイミングが分からずに。
本当に小心者で情けない。
幼い僕らにとって世界の終わりがやってきた。
君は父親の転勤でここから離れる。
ずっと一緒にいたかった。
お小遣いを貯めても、君の新しい家にたどりつくためには何か月かかるだろう。
想い出の中にはいつでも君がいた。
これからは会えない時間が長く降り積もる。
二人だけの世界の終わりは辛い。
忙しい彼と一緒にいられる時間が減ったことに苛立って、喧嘩をした。
一方的なものだから、自分の我儘を並べ立てたようなものだった。
彼は疲れているだろうに。
最後まで私の話を聞いてくれた。
それから「ごめんね」と謝って、私の頭を撫でた。
悪いのは彼じゃないのに。
私は俯いてしまった。
「靴下は揃えて出してください!」少女はお冠だった。
「今度こそ許さないですからね」と片一方になってしまった靴下を見せる。
青年は困ったような表情を浮かべて「どこで脱いだっけ」と過去の自分と向き合う。
帰ってくるなり脱いだはずだ。
掛布団の下から、それは出てきた。
「ごめん」と謝る。
少女の長い髪が風に揺れている。
少年の胸元まで届きそうだった。
一房ぐらいならふれてもかまわないだろうか。
魅惑的な綺麗な髪だった。
少年は無理矢理、自分の両手のひらを軽く握る。
それと同時に、少女は振り返った。
危機一髪だった。
恋心を悟られてはいけない。
少女と少年は友達なのだから。
人が恋を渡りあうのは、欠けた愛を探してるのかもしれない。
ジグソーパズルの最後のピースを見つけるまで、恋の遍歴を綴っていくのかもしれない。
『運命』という言葉を信じるのならば、いつか巡り会える魂の片割れ。
だから人の心は歪に作られているのかもしれない。
いつか出会う相手のために。
白金色の頭髪の少年が少女の元へやってきた。
少女は身構える。
「さっきの授業でわからないところがあった」少年は言った。
「君は理解できたのだろう?教えてほしい」
学年1位の座を譲らない少年の言葉に、少女の心は狂喜乱舞した。
今度こそ2位ではなく1位を取れるかもしれない。
「いいわよ」
本当はBlu-rayが欲しかったけれどもDVDで我慢する。
一人の少女がレインコートとよりも雨合羽と呼んだ方がいい格好で雨の中を黙々と歩いていた。
冷たい雨だろうか、恵みの雨だろうか。
液晶画面を通してはわからない。
どれだけ映像技術が発達しても温度を伝えることはできない。
遠い未来の話だ。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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