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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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君はずっと不機嫌そうに膨れっ面。
つまらなそうに席の端っこにいた。
そんな君が気になって、僕は君の隣に座る。
全然、減っていないグラスを握り締めた君は言う。
「ふたりっきりでいたかった」
それを聞いた僕は微苦笑する。
「じゃあ、このあと二次会に行かないで、一緒に帰る?」僕は言った。
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嫌な予感はしていた。
雷の音が近づいてきていた。
唐突に、電気のブレーカーが落ちた。
蛍光灯も消え、室内は真っ暗になった。
停電になったのは初めてではないけれども、心をかきたてられる。
壁伝いによろよろと歩きながら、ブレーカーを上げる。
蛍光灯がつく。
明るくなった室内に安堵する。
「今日も日差しが強いから、買い物には日傘を持っていった方がいい」
新聞を読んでいた青年は少女に声をかけた。
「すぐそこのスーパーですよ」少女は反論した。
「まだ秋とはいえない気温だ。熱中症になりたくないだろう?」青年は新聞を置き少女を見つめた。
少女を黙らせるのに成功したようだ。
季節柄、発熱をした君を病院に連れて行った。
待合室は時たま小さなお喋りが聞こえるぐらいで静かだった。
君は優しく、僕の指先に爪を立てる。
ささやかな抵抗に僕は苦笑してしまった。
マスクで顔半分、隠れているから君には見えなかっただろうけれども。
君の名前が呼ばれ、君は立ち上がった。
「お願い!」幼馴染は恥ずかしそうに、両手のひらを触れ合わせる。
「頼めるのあんたぐらいだから」怖がりな幼馴染は切羽詰まったように言う。
女子の間で肝試しをすることになったらしい。
ただし男女1組ずつでの参加。
体のいいデートということだ。
彼氏のいない幼馴染は、頼みこんできたのだ。
一度、快感を覚えてしまうと、人は貪欲になる。
二度と戻れない。
もう一度、甘い蜜を味わいたいと思ってしまう。
快感に果てはなく、深まっていくばかりだった。
その内、究極の快楽を追い求めてしまう。
イヴが禁断の園でリンゴをもいだのも分かる。
人の知識は知りたいと思えば思うほど甘く滴る。
昨日夜更かしをしてしまったので、携帯のアラームを無視したくなったが、起きる。
朝といってもようやく太陽が顔を出した時間だ。
寝る時用の靴下を脱いで、部屋着に着替える。
顔を洗いに洗面所に向かう。
階段を下りていくと、おいしそうな香りがした。
胃がきゅるりと鳴った。
欠伸を噛みころす。
宴会から解放されて、ようやく二人きりになれた。
初めて見る花嫁の顔は、愛らしく、笑顔が似合いそうだった。
今は緊張のためか少し強張っていた。
型通りの挨拶を済ませ、花婿は手を差し伸べた。
すると乙女は嬉しそうに、青年の手のひらを握り締める。
その柔らかさに青年は恐々と握り返した。
いつまでも、さりげない愛を君に届けられたら良かったのに。
僕はいつの間にか強欲になってしまったようだ。
僕が君を愛するのと同じぐらいの、君の僕に対する愛が欲しい。
『愛している』と言ったら『愛している』と返してほしくなった。
最初は君に見つめ返してもらえるだけで嬉しかったのに。
『また、今度』とも『また、明日』とも言えなかった。
もう約束はできない。
それでも、せめて想い出の中は喜びにあふれているようにと微笑んだ。
繋いでいた手を静かに離す。
別れ道を進もうと、あと一度だけと思って振り向く。
取り残された少女は大粒の涙を零していた。
少年は少女を抱きしめた。
少女は青年に連れ出されて困っていた。
夜風は生温く、これから先を虹色にはしてくれなさそうだった。
青年は無言で少女の左手をつかみ上げる。
どこか乱暴な様子に少女は驚く。
そして薬指に指輪をはめた。
「これでお前は俺のものだ。誰にも渡さない」完全に狂うような言葉に少女は目を瞬かせた。
二人は追手から逃げるために路地裏に逃げこんだ。
「追え!」
「どこに行ったんだ!」
男たちの足音は荒々しい声と共に去っていった。
煙をまくことに成功した二人は顔を見合わせる。
少年は遠慮がちに、少女の手のひらを握る。
「行こう。いい隠れ場を知っているんだ」少年は声を潜めて言った。
さりげない愛を君に届けたい。
春には花見をして。
夏には花大会に行って。
秋には紅葉を見て。
冬には雪に喜んで。
春夏秋冬、君の隣にいたい。
大それたことはできないけれど、君の傍にいることぐらいはできると思うんだ。
君さえ良ければの話だけれども。
君が涙の時は手を繋ごう。
分かち合いたい。
今年は花火大会もなかったから、花火を買ってきて小さな花火大会をすることになった。
最後の花火は、線香花火と決まっていた。
華やかな花火の後を締めくくるのにふさわしい。
蝋燭で火をつけるとしっとりとした火花が散る。
そういえば迷信があった。
線香花火の火球を落とさなければ願いが叶う。
このところ悪夢を見る。
夢は鎖のようにつながっていて、だんだん鮮明になっていく。
今日も明け方に、目が覚めてしまった。
喉が渇いていた。
台所で水を飲もうと起き上がった。
少女が朝ご飯の支度をしていた。
「郵便受けに入っていたんですが」と切手の貼っていない白い手紙を少女は差し出す。
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プロフィール
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iotu(そら)
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自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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