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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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突然、プレゼントを貰った。
誕生日でも、クリスマスでも、二人が付き合い始めた記念でもなく。
「どうしたの?」私は受け取って尋ねた。
「意味なんてないよ。君にあげたくなっただけ」彼は淡々と言った。
「ありがとう。嬉しいよ」私は心から言った。
こういうサプライズも悪くない。
微笑んだ。
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少しでも一緒の時間を過ごしたいと思っていた。
制服のままデートをしたのは失敗したと思う。
未成年は保護者がいたとしても22時を過ぎて飲食店にはいられない。
一度家に帰って着替えてくればよかった。
そうすれば、もう少しだけ一緒にいられたのに。
「送っていくよ」彼は優しく微笑んだ。
文字通り背伸びをしてハイヒールを買った。
少しでも彼と並んでも見劣りしないように。
久しぶりのデートに購入したばかりのハイヒールを履いた。
人魚姫の気分を味わった。
一歩歩く度に痛みがあった。
大人の女性はこの痛みに耐えていると思うと、まだまだ自分は子どもなんだと思い知らされる。
さっきまで喧嘩をしていた。
「もう知らないんだから!」という台詞が最後の会話だった。
気まずい沈黙が漂っていた。
私は溜まった洗い物を片付けているうちに、言いすぎたことを後悔していた。
新聞を読んでいる彼の隣に座る。
恐る恐る、腕をぎゅっと握る。
俯いたまま「ごめんなさい」と言った。
寝癖のついた髪をブラシで梳く。
無造作に伸びた髪をヘアゴムで結ぶ。
これで戦闘準備は終わりだった。
神剣・神楽を手にして部屋を出る。
青年の支度を待っていたように、廊下に少女が立っていた。
大きな瞳は不安で揺れていた。
できれば安全な家で待っていてほしいが、それは無理な相談だろう。
母が用意してくれた朝食を一人で食べ、食器をシンクの中に置く。
学生時代からの習慣だ。
変わったところがあるのなら、自室に戻って化粧をするようになったことだろうか。
社会人のマナーだと言われても何故女ばっかりなのだろうか。
そんなことを口走ったら、聞きたくない説教を聞くはめになる。
二人が初めて迎える夜だった。
こちらは緊張でドキドキしているのに相手は違うようだ。
堂々と、指先をぎゅっと握る。
驚きで悲鳴を上げそうになり、口をへの字に曲げた。
「できるだけ優しくするから、そんなに不安にならないでほしい」相手は握った手を強くする。
それでも手の震えは収まらない。
ここ最近、彼とデートすらできなかった。
仕事が忙しすぎたのだ。
今日はようやくランチを一緒にできた。
と言っても、持ち帰ってきた仕事をしている向かい側でお茶を飲んでいるだけだ。
これをデートと言っていいのだろうか。
彼は顔を上げて「拗ねている君も可愛いよ」と言った。
許してしまう。
妹姫が嫁ぐと父王から聞いて、王子は茫然とした。
まだ妹姫は9歳。
嫁ぎ先は隣国の大国の皇帝だ。
側妃すらいない皇帝が少女趣味なのではないかと聞いている。
亡き母に似た妹姫は幼いながら愛らしい容姿をしていた。
完全な政略結婚を止めることは王子にはできなかった。
せめて妹姫の幸せを願う。
遠回りになるから人気の少ない渡り廊下。
少しだけ余裕を持たせて移動教室に向かう。
渡り廊下で約束のようにすれ違う。
さりげなく、両手のひらを触れ合わせる。
それだけだ。
言葉を交わすこともなく目線を一瞬合わせる。
『好き』の気持ちが大暴走になってしまいそうだ。
ただ手を合わせるだけで。
少女は何気ない仕草で青年の背をポンと叩いた。
それが労わるようで、慰めるようで、青年の心があたたかくなった。
これから向かう戦いの場であっても、このお守りがあれば大丈夫のような気がした。
青年は神剣・神楽の鞘を握り締める。
一秒でも早く、少女の元に帰ってくる。
そう決心した。
深夜のファミレスでメニュー表をパラパラとめくる。
ドリンクバーをつけるか、無料の水ですますか、悩む。
独りきりなのだから、そう長居はしないだろう。
かつて訪れた時は独りではなかった。
君と朝まで語り合った。
追憶してしまった。
思い出さないようにと思っていたのに。
君を想って目が潤む。
こんなにも愛おしい存在はいなかった。
それなのに愛の言葉が思い浮かばない。
惹かれるほど惹かれるほど。
強く思えば思うほど。
ありきたりな言葉では表せないほど愛しいい。
胸に湧きあがる感情を素直に伝えたい。
できれば、その手を取りたい。
もどかしい思いでいっぱいだった。
どうすればいい。
鼓動を重ね合ってひとつになった。
隙間ひとつなく、ぴったりと。
この瞬間をずっと待っていた。
積み重ねてきた想い出たちは裏切らない。
肌と肌がふれあって、息が弾む。
今まで、どうして経験してこなかったのだろう。
快楽に落ちていこうとしていた。
もっと一緒に感じあいたいと願ってしまう。
壁面には生命樹が描かれていた。
鮮やかに描かれたそれを仰ぐ。
枝分かれしていくそれを視線でなぞる。
生命樹の天辺を君臨するのは人類だ。
樹の根元には植物が描かれていた。
太古に描かれたものだとは思えない知識量だった。
近代になってから描かれた偽造品だろうか。
それにしては時代を感じる。
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プロフィール
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iotu(そら)
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自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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