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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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君と僕との出会いは何気ないものだった。いつの間にか一緒にいる時間が増えていった。
そして、それが当たり前になっていった。だから、気がつかなかった。
二人の間にある砂時計の残りが少なくなっているということを。
もっと、その音に耳を傾ければよかった、と僕は後悔をした。
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iotuは、愚かだなと自分を笑いながら最後の嘘をつきました。
それは自分が傷つくだけの嘘でした。
「くだらない毎日なんて、消えてしまえ」、と。
・・・うまく笑えたかな?

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僕は、愚かだなと自分を笑いながら最後の嘘をついた。それは自分が傷つくだけの嘘だった。
まるで遊園地にいるピエロのように笑っているのか、泣いているのか、化粧で分からない。
「くだらない毎日なんて、消えてしまえ」と魔法をかけるように嘘をついた。・・・うまく笑えたかな?
子供時代を振り返るのに、記念写真というものは有効だった。覚えていない記憶を呼び覚ます。
懐かしい、とほろ苦く思いながら、アルバムをめくっていく。どれもこれも二人揃って映っていた。
嫌々ながら、幼馴染が指先をぎゅっと握っている写真を取り出す。そして写真立てに飾った。
英雄が天に向かっていった葬儀だった。血縁である少女は拳を握りしめたまま、その様子を見ていた。
その瞳に涙はなかった。本当は泣きたいはずだ。傍にいた少年には伝わってきた。
少年は「君の代わりに、泣かせてください」は言う。振り返った少女の瞳は凪の海のように静かだった。
嵐に見舞われた土地は収穫を望めそうになかった。それでも冷酷は領主は、去年と同じ租税を求める。
農民たちは一揆を起こそうかと揺れ動く。そんな中、一人の少女は領主の館に訪れた。
そして現在のことを滔々と告げた。その果敢さに領主は、今年いっぱいは税を取らない、と決めた。
昼下がり紅茶を片手にアルバムをめくる。どれもこれも懐かしい思い出を呼び覚ます。
写真に納まった思い出は色鮮やかで、まるで昨日のことのように思い出す。
これだけの写真を残してくれた両親には感謝をする。
すっかりぬるくなった紅茶を飲み干して、私は新しい思い出を用意する。
iotuは、愚かだなと自分を笑いながら最後の嘘をつきました。
それは現状打破のための嘘でした。
「世界は希望で溢れている」、と。
だってもう、仕方がないだろう?

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僕は、愚かだなと自分を笑いながら最後の嘘をついた。それは現状打破のための嘘だった。
こんなことで現状が変わるなんて、少しも信じていなかったけれども。
「世界は希望で溢れている」と僕は君の両手を包みこんだ。君の手をつかみながら僕は笑う。
だってもう、仕方がないだろう?
学校の屋上、そのフェンスの向こう側に少女はいた。こちら側には綺麗に並べられた靴と白い封筒。
それを偶然見てしまった少年は驚いた。こちらに気がついた少女は幸せそうに笑った。
少年は泣きそうになりながら、フェンス越しに、少女の両手のひらにしがみつく。引き止めたかった。
猫を湯船につけると痛々しい悲鳴を猫は上げる。その姿に幼い飼い主は悲しむ。
けれども泥だらけで帰ってきた猫をそのまま、家に上げるわけにはいかない。
「だから家猫にしましょう、と言ったでしょ」とお母さんが言う。
「だって閉じこめて、家の外を知らないのはかわいそうだよ」
iotuは、祈るような気持ちで最後の嘘をつきました。
それは本音とは真逆の嘘でした。
「欲しい物のは手に入れたから、もういいんだ」、と。
・・・うまく笑えたかな?

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僕は、祈るような気持ちで最後の嘘をついた。他ならぬ君へと届けばいいと願いながら。
それは本音とは真逆の嘘だった。
僕は泣きたい気持ちを飲みこんで「欲しい物は手に入れたから、もういいんだ」と言った。
「本当に?」君は確認するかのように尋ねた。・・・うまく笑えたかな?
少女は意地っぱりだったから、寂しい時には寂しいと言えなかった。
少女は意地っぱりだったから、泣きたいときに泣けずに笑った。
少女の近くで育った少年はそれを知っていた。だから遠慮がちに、失恋した少女の両手を両手で包む。
少年の不器用な優しさに、ようやく少女は涙を零す。
夏になれば蝉時雨を聞く。たった一週間で潰える生命。
それまでに伴侶を見つけなければ、生命の系譜を残せない。
伴侶を探すために鳴く声は命がけの愛情表現だという。それでも煩いものは煩い。
窓をピッタリと閉めると、エアコンを入れた。それでも幻聴のように、蝉時雨が聞こえる。
みんな制服を着崩していないから、きちんと制服を着る。
みんな髪を染めていないから、髪を染めたりしてはいけない。
みんな化粧をしていないから、化粧なんてしてはいけない。みんなって誰?
優等生ぶって、無個性になっている集団のこと?私は私らしく過ごしたい。それがダメなの?
夕方は人を感傷的にさせる。少年も例にもれなかった。もうすぐ別れ道がやってくる。
もう少しだけ少女と一緒にいたかった。「じゃあ、また明日」と少女は言った。
少年は無理矢理、少女の指を握り締める。夕方が見せた幻惑のように少女は笑う。
「もう少しだけいようか」少女は言う。
「誕生日プレゼントが揃いのマグカップ!初めて見ましたわ。これが庶民の感性なのですわね」と思いっきり嘲笑された。
丁寧にリボンをかけてくれた店員のお姉さんに悪いと思った。持っていた箱が震えた。
私は俯き、この場から逃げ出したくなった。ふさわしくない、と言われたのだ。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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