忍者ブログ
ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

どうしても越えられない壁というものがあった。その壁の前で少年は立ち尽くしていた。
人知れず心の中で慟哭をしていた。誰にも知られないように。誰にも分からないように。
少女が立てた心の壁を思って、忍ぶ。
この厄介な恋心は、簡単に捨てることも置き去りにすることもできない。
PR
iotuは、愚かだなと自分を笑いながら最後の嘘をつきました。
それは自分が傷つくだけの嘘でした。
「君の記憶から消し去ってくれていいよ」、と。
本当に、ごめんね。

------

僕は、愚かだなと自分を笑いながら最後の嘘をついた。それは自分が傷つくだけの嘘だった。
それでも嘘をつかなければならない。傷が深く残ろうともかまわない。
「君の記憶から消し去ってくれていいよ」と僕は笑う。本当に、ごめんね。
いつかいなくなる僕なんか忘れられた方がいい。
「無理だよ。絶対、僕なんかじゃひかれるよ。キモイとか言われたら、立ち直れない」俯いてぶつぶつと呟く少年。
「もし僕が振られたら責任取ってくれる?」少年は幼なじみに言い寄る。
「まずはその女々しい思考回路に言い訳をするのをやめるんだな」幼なじみはキッパリと断言した。
身を守るために、小さな王女にはお似合いな若い騎士がつけられた。
厳めしい面の歴戦の騎士よりも、王女と一緒に花冠を作っているような柔和な騎士の方が怯えさせないだろう。
そんな配慮はあだと出た。王女の心を騎士は盗む。騎士団長は、二人の身分違いで眩暈がした。
責任は誰が?
少女は青年に手首をつかまれた。それだけでも心臓は景気良く跳ねたのに、話はそこで終わらない。
青年は少女の手首に口づけを落とした。まるで消えないように、跡をつけるように。
あまりの展開に、少女は強引に手首を振って逃げ出した。後から手首へのキスの意味を知って納得する。
最初は液晶の画面を見ているだけだった。そのうち独り言を呟くようになった。
緩いつながりに傷つかずにすむから、これぐらいがちょうどいい、とレモンのようにほろ苦い思いでタイムラインを眺めていた。
本当は誰かに必要とされたかったのに本音を零すこともできない。
「コンビニに寄ったから買ったんだ」といちご味のポッキーを手渡された。
「これ好きだったよな?」と彼は不安げに言った。
「好きだったのは、嘘じゃないけど、もっと早く渡してほしかったなって思ったの」私は贅沢だと思いながら言った。
「あ、ポッキーの日か」と彼も苦笑いした。
スマホからLINEで集合をかけられた。
人手がいるから手伝ってほしい、ということで理由も分からなかった。
それでも人情厚い人柄だったから、そこそこの人数が集まった。
夫からのDVに耐えかねて娘を連れて、引っ越すのだ。とその場で打ち明けられた。
私は思わず遠くを見る。
お母さんが倒れた。そのことを知ったのはお父さんからの電話だった。
こんな時こそ、しっかりしなくちゃ、と思ったけれども、心臓は早鐘を打つ。
職場を後にして、電車の中でスマホとにらめっこ。たまたま家にいた妹から詳細を聞く。
重篤な症状はない。と病院から妹が知らせてくる。
iotuは、内緒話をするように声を潜めて最後の嘘をつきました。
それはたぶん最低の嘘でした。
「くだらない毎日なんて、消えてしまえ」、と。
嘘だと言えたら、どんなに。

------

僕は、内緒話をするように声を潜めて最後の嘘をついた。それはたぶん最低の嘘だった。
責任感もなければ、謝罪をするようなこともない嘘。
「くだらない毎日なんて、消えてしまえ」と僕は魔法をかけるように、君に嘘をついた。
これが嘘だと言えたら、どんなに気が楽になるだろう。
君がそっと、僕の指にしがみつく。君は俯いて無言だから、いや俯いて無言だからこそ分かる。
いつものように僕から折れる。いつまでも喧嘩をしているのは嫌だったからね。
「仲直りをしよう」と僕が言うと、君は顔を上げた。瞳は潤んで、泣く直前。
「ごめんなさい」と君は謝った。
雷鳴がとどろいて、その音に驚いて万年筆を取り落とした。書斎の床をころころと転がっていく万年筆。
それが滑稽で、笑ってしまった。そこへ妻がやってきて、お茶を机に置く。
万年筆と追いかけっこしていた僕を見て微笑む。
「雷が怖いので、ここにいてもよろしいですか?」と訊く。
iotuは、さりげなさを装って最後の嘘をつきました。
それは切望のような嘘でした。
「くだらない毎日なんて、消えてしまえ」、と。
決めたはずの覚悟が、揺れそうだな。

------

僕は、さりげなさを装って最後の嘘をついた。それは切望のような嘘だった。
心から吐き出されるような哀願な嘘だった。「くだらない毎日なんて、消えてしまえ」と僕は笑った。
君に強がりだと知られるかもしれない。
そう思うと決めたはずの覚悟が、揺れそうだな。と心は細くなった。
青年は神剣・神楽の鞘を握り締めて、少女と共に路地裏に身を隠した。
「すみません」少女は泣きだしそうな声で言った。「静かに」声のトーンを落として、青年は言った。
少女は遠慮がちに、青年の手の平にしがみつく。神剣・神楽と同じ癒しの波動を感じた。
嫁入りしてから、失敗だらけだった。奥さんらしいことが一つもできなかった。
だから旦那様に「捨てないでください」と涙ながらに言ってしまった。すると旦那様は豪快に笑った。
「最高に面白い玩具を、手放すつもりも、ないですけど」旦那様は言った。離縁することはないようだ。
PREV ← HOME → NEXT
プロフィール
HN:
iotu(そら)
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
カウンター
フリーエリア
忍者ブログ [PR]
 △ページの先頭へ
Templated by TABLE ENOCH