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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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立冬を過ぎ、寒さが厳しくなってきた。日差しがある昼でも、風は冷たい。
これから、ますます寒くなっていくのだろう。
紅葉してきた街路樹を二人で歩きながら、そんなことを思っていた。途切れた会話の代わりだろうか。
恋人は優しく、手のひらにしがみつく。とてもあたたかかった。
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遠く離れていく母から譲られたのはガーネットがあしらわれた短杖だった。
樫の枝から削り出した短杖は使いこまれていた。それだけ母にとって大切なものだったに違いない。
ガーネットは母の瞳の色を思い起こさせる。この短杖は、宝物になるだろう。
傍にいてほしかった。心で泣く。
別れ際のキスは啄むようなバードキス。恋愛初心者の二人にはお似合いのキスだった。
今日もちゅっと音を立てて、唇は離れていった。それと同じように繋いでいた手も離れていくように。
「おやすみ」恋人は落ち着いた口調で言った。それが寂しくて未練がましく、袖をそっとつかんだ。
iotuは、夢を見るような気持ちで最後の嘘をつきました。
それは傷をいやすための嘘でした。
「くだらない毎日なんて、消えてしまえ」、と。
・・・どうしようもないな。

------

僕は、夢を見るような気持ちで最後の噓をついた。
それは胸の奥で長年、抱えているようなものを労わるような嘘だった。それは傷をいやすための嘘だった。
僕のため、君のためじゃない。「くだらない毎日なんて、消えてしまえ」と僕は笑った。痛みは続く。
・・・どうしようもないな。
五つ上の幼馴染も旅立ちの季節になった。それが寂しくて、旅立ちの朝、村の境まで見送った。
「ありがとう」と幼馴染は安心させるかのように微笑んだ。そして頭を撫でる。
「アミュレットをくれるかい?そのくらいなら、持っていくのを許してくれる?」と幼馴染は穏やかに尋ねた。
生まれ育った城が燃えている。それを母と姉妹で手を繋いで見守った。
裏切った隣国の国王への悔しさしかなかった。ふいに母が私を抱きしめる。
妹ともに腕に包まれて狼狽する。「泣いてもいいのですよ」と言った母の声が震えていた。
まるで母が泣いているようだった。怒りが湧いた。
昨日は寝落ちして、起きたらスマホのアラームが鳴っていた。その音で目覚めた。
布団にも入らずにフローリングの床の上で、スーツを着たままという姿だった。
ぼんやりと今日の予定を思い出す。デートだ。
今からお風呂に入って、着替えて、朝ご飯を食べて、と時間は大丈夫だろうか。
iotuは、幼子を慰めるかのように最後の嘘をつきました。
それは傷をいやすための嘘でした。
「君にもらったものは全部返す」、と。
・・・うまく笑えたかな?

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僕は、幼子を慰めるかのように最後の噓をついた。それは傷をいやすための嘘だった。
さんざん言いあって胸にできた傷は、じくじくと痛む。「君にもらったものは全部返す」と僕は宣言した。
それに君は「そっか」と頷いた。・・・僕は、うまく笑えたかな?君の小さな背中を見送った。
俺は眩暈を覚えて、吐き気を感じたところまでは覚えている。気がつけば、朝陽が輝く時間だった。
「目覚めましたか?」と同僚が微笑みかけてきた。
慌てて服を見ると、ワイシャツからパジャマに着替えていた。
もしや一夜の誤りというのをしてしまったのか。俺はパニックになった。
「手なら出さないから、安心して」と婚約者に言われた。
まるで女としての魅力がないようで、不満を感じた。
「君も君で恋人を作ってもかまわない。もし子供を授かるようなことがあったら、私の子として書類を作成しよう」婚約者はつらつらと言う。
その冷淡さに私は泣きたくなった。
iotuは、穏やかに微笑んで最後の嘘をつきました。
それは現状打破のための嘘でした。
「くだらない毎日なんて、消えてしまえ」、と。
・・・泣いたりしないよ。

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僕は、穏やかに微笑んで最後の嘘をついた。それは現状打破のための噓だった。
このままでは僕は君に溺れきってしまう。小さな肩に寄りかかっている自覚はある。
「くだらない毎日なんて、消えてしまえ」と僕は笑顔を保ったまま言った。
君の前では決して・・・僕は泣いたりしないよ。
『話がある』とLINEからメッセージが届いた。
土曜日の夜、二人が良く通ったバーへ来るように指定された。私は気軽にOKを意味するスタンプを送る。
そして私は仕事に戻った。時間は流れ決戦の土曜日がやってきた。
「もう黙っていることに疲れてしまったんだ」彼は小箱を差し出した。
ここ昨今の刀剣ブーム。サンタクロースを信じるような娘でもはまっている。
サンタクロースへのお手紙に脇差しが欲しいと書かれていた。
「脇差しは靴下の入るかな?」と違う贈り物に誘導するが、娘は頑として譲らない。
仕方なく脇差しを用意しながら心で泣く。そして靴下に入れた。
私は薄手の毛布を片手に、飼い猫を探すのに夢中だった。
何故なら、猫という生き物は居心地の良い場所を見つけるのが得意だからだ。
日向が当たる縁側に猫はいた。「ちょっと、お邪魔するよ」と猫の隣にごろ寝をする。
猫は不満げに鳴いた。それに苦笑しながら私は毛布にくるまった。
僕たちの別れ、というのは仕方がないことだった。どこか運命づけられているものだった。
何度も出会いと別れを重ねた。もう二度と会うことはないだろう、そう思って別れても出会う。
だから、この別れにも出会いが用意されている気がした。君は泣き顔で、両手のひらを触れ合わせる。
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プロフィール
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iotu(そら)
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性別:
非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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