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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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氷が溶けて、グラスは水滴をまとう。
綺麗に磨かれたテーブルの上に水痕が残る。
この調子だと、グラスの中身であるアイスティーは味が薄くなっているだろう。
家のように、紅茶で作った氷が入っているわけじゃない。
仕方がないことだと思っても、苛立つ。
溶けた氷も、無言なあなたも、沈黙も。
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君はさっきから怒っている。
鈍感な僕でもわかるぐらいに、君は怒っている。
デートに公園というのが悪かったのだろうか。
天気も良いし、木漏れ日の当たるベンチは素敵なものだと思ったのだけれども。
君は怒り顔で、僕の腕に指を絡める。
力いっぱいのそれが不満を教えてくる。
僕はすっかり悩む。
『全部、嘘だったの。
 そうもしておけないの?』

「好きな人ができたんだ」と寝耳に水なことを恋人から聞いた。
『ずっと好きだ』、『永遠を誓うよ』、『愛している』と甘い言葉の数々は、どこへ行くのだろう。
「全部、嘘だったの。そうもしておけないの?」私はみっともなくすがりつく。
『春は君の嘘。』

白尽くめで息が詰まる部屋で、君は静かに本を読んでいた。
シーツよりも白い顔をして、熱心に勉強をしていた。
学校に通っている僕よりも、ずっと物を知っていた。
そんな君が笑っていた。
「春になったら退院できるんだ」と君は告げた。
僕も喜んだ。
結局、君は嘘つきだった。
『写真だけが残っていた。』

昔、仲良くしてくれたお友だち。
名前も住んでいるところも知らなかった。
広い公園に行くと、真っ先に私を見つけてくれた。
そして『いっしょに遊ぼうよ』と声をかけてくれた。
そんなお友だちとも学校に行くようになったら、疎遠になった。
写真だけが残っていた。
「iotuは、内緒話をするように声を潜めて最後の嘘をつきました。
それは相手を楽にするための嘘でした。
「全部忘れていいよ」、と。
いっそ笑い飛ばしておくれよ。」

------

僕は、内緒話をするように声を潜めて最後の嘘をついた。
それは相手を楽にするための嘘だった。
「全部忘れてくれていいよ」と。
君と一緒にいた思い出も、君に語った未来も、すべて忘れてほしい。
僕は嘘吐きだから、君と離れていく今になって、僕は怖くなったのだ。
いっそ笑い飛ばしておくれよ。
学校でスマホを使うのは禁止されていた。
学校から離れて駅前まで続く道でも使用を禁止されていた。
だから学校内ではメモ帳のような手紙を手渡すのが流行っていた。
アナログのコミュニケーションしか持ち合わせていない僕らには、それが精一杯。
会話ができない分、手書きの手紙が増えていく。
張り出された白い紙に、自分の番号を探す。
「見つかった?」一緒に受験した親友が尋ねてきた。
私は不安になって泣きたい気持ちになる。
「えーと、番号は?見せて」親友が余裕なのは、自分の受験番号を見つけていたからだろう。
白い紙に無機質に並べられた番号の並びから見つけた。
笑顔になる。
パソコンで月食していく映像を眺めていた。
すると、飼い猫が膝に乗った。
飼い主がずっと同じ姿勢でいることに疑問を持ったのかもしれない。
「お前も月食を見るかい?」膝の上の猫を撫でる。猫はゴロゴロと嬉しそうに喉を鳴らす。
「一緒に見ようか」液晶画面に視線を戻す。
丸い月は欠けてきた。
優しく、君の指先を軽く握る。
悪ふざけのつもりだった。
君が僕と手を繋ぐことを嫌っていることは知っている。
だから、ちょっとしたいたずらのつもりだった。
それなのに君は無言で頬をリンゴのように真っ赤にする。
調子が狂った僕は思わず「ごめん」と謝った。
君は言葉を発せず、首を横に振る。
ホラー映画をクッションを抱えて観ていた。
リビングを通り過ぎた兄が笑った。
どうせ造り物だろう、と言うつもりだろう。
それでもスリルがあって、私には楽しみだ。
「殺人鬼よりも、彗星の方が人殺しだよ」と兄は告げた。
「考えてもみろ、殺した人間の桁が違う」理数系の兄が言った。
『嘘だけをビニール袋に入れて
 どうせどうしようもなんて
 夕暮れ道を歩いて帰るだけ。』

あの日、ついた嘘だけをビニール袋に詰めこんだ。
どうせどうしようもない袋を抱えて、夕暮れ道を歩いて独りだけで歩いて帰るだけ。
隣に足音がないのが寂しかった。
ビニール袋がふくらんでいく。
『ある意味、私のすべて。』

通された家は立派な屋敷だった。
「お嬢様は、温室にいられるでしょう。ご案内いたします」と執事が言った。
そう執事だ!いまどき執事のいる家はどれぐらいいるのだろう。
温室には様々な花が四季を無視して咲いていた。
「ある意味、私のすべて。ここにある花は」
『せめてお別れまでは、
 愛していましょうよ。』

過去のあなたが僕に向かって、微笑んだ。
赤いルージュが魅惑的に言葉を紡ぐ。
「せめてお別れまでは、愛していましょうよ。記憶に残るぐらい、愛をちょうだい」
あなたは哀れさも、悲しみもなく。
通り過ぎていくあなたの言葉に僕は頷いた。
「iotuは、さりげなさを装って最後の嘘をつきました。
それはたぶん最低の嘘でした。
「まだ一人で生きていける」、と。
本音は仕舞い込んだまま。」

------

僕は、さりげなさを装って最後の嘘をついた。
それはたぶん最低の嘘だった。
「まだ一人で生きていける」と。
寄りかかりながら生きている僕は君に告げた。
君がいなければ寂しくて死んでしまいたい、と思うぐらい愛しているのに。
本音は仕舞い込んだまま。
僕は何でもないように、君に言った。
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プロフィール
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iotu(そら)
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自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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