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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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私の瞳から流れた涙は水色の宝石になった。
それは明るい未来を約束するような、祝福されているような、とても美しいものだった。
床にころころと転がる涙を拾ってくれたあなたは、私の手のひらに水色の宝石を乗せてくれた。
そして「君を愛します」と永久の誓いを立ててくれた。
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iotuは、愛を囁くように優しく最後の嘘をつきました。
それは自分が楽になるための嘘でした。
「君を、信じきることができなくてごめん」、と。
どうか嘘だと気づかないで。

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僕は、愛を囁くように優しく最後の嘘をついた。それは自分が楽になるための嘘だった。
「君を、信じきることができなくてごめん」と君の目を見つめて言った。この嘘は君に優しいだろうか。
今でも君を信じている僕には苦かった。君よ、どうか嘘だと気づかないで。このまま別れよう。
浴衣のレンタルサービスのある観光地。日帰り旅行にはぴったりだった。
色鮮やかな浴衣を着た女の子たちが、楽し気に街を歩いていた。
「ねぇ」と僕の浴衣の袖を引かれた。君が上目遣いで、僕の指先を折れんばかり握る。
「分かっていますよ、お姫様」と痛みに耐えながら僕は笑った。
月が綺麗な晩だった。二つの足音は軽やかだ。先を歩いていた幼馴染が振り返った。
そして「I love youを訳しなさい」と言った。
有名な文句を言わせたかったのか、それとも新しい言葉を綴って欲しかったのか。ちっとも分らなかった。
「あなたと歩く道ならば楽しいですよ」と答えた。
日が落ちるのが早くなった。帰り道は夜といっても過言ではない。
文化祭の準備で帰りが遅くなってしまった。女子が一人で帰るには暗い道。
途中まで方向が一緒だから、託された。気になっていた子だから、嬉しい誤算だ。
「手を繋いでもいい?」彼女が尋ねた。手のひらは冷たかった。
おとなしい子だから、ちょっとぐらいからかっても、大人に言いつけたりしないだろう。
それぐらいの打算が働く年頃だった。わざと仲間外れにしたり、わざと心を傷つけたり。
面白そうなことは何でもやった。それでも彼女は何も言わなかったし、微笑みすら浮かべていた。
悪戯は続く。
iotuは、特別に優しい声で最後の嘘をつきました。
それは現実逃避のための嘘でした。
「幸せなんて、どこにもないんだ」、と。
本当に、ごめんね。

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僕は、特別に優しい声で最後の噓をついた。それは現実逃避のための嘘だった。
「幸せなんて、どこにもないんだ」僕がそう言うと「そんなことないよ」と君が反論した。
君の傍にいるときは幸せを感じていた。そんな僕の嘘にまで君は真剣になってくれる。
こんな僕で本当に、ごめんね。
下校の鐘が鳴る。「いかないで」と君は無理矢理、僕の指にしがみつく。
その力は強く、しがみつかれた指が痛かった。「ずっと一緒にいるって、約束したでしょ」君は言った。
大きな瞳は泣く寸前。それを見てしまったから、僕は何も言えなくなってしまった。
君の隣に座りなおした。
いつも就寝前にDVDを見る。就寝の儀式みたいなものだ。今日は南国のアクションものを選んだ。
登場人物みんながサングラスをかけていて、区別がつくまで時間がかかった。
それだけ日差しが強いのだろうと、俳優の気持ちがサングラスが伝える。
それでも面白かったので最後まで観た。
iotuは、小さく笑って最後の嘘をつきました。
それは自分の幸せのための嘘でした。
「くだらない毎日なんて、消えてしまえ」、と。
・・・まだ、泣いちゃだめだ。

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僕は、小さく笑って最後の噓をついた。それは自分のための噓だった。
「くだらない毎日なんて、消えてしまえ」と日記帳をびりびりと破いていく。
そして、燃える暖炉の中に入れていく。君と過ごした毎日が、記されていた日記帳だった。
灰になっていく。・・・まだ、泣いちゃだめだ。
俺は嵐の中、歩を進めていた。こんな命令をしてきた上官は、くそったれだ。
そんなことを思っていても、しがない一兵士には従う以外、何もなかったけれども。
姿を消した二人の足跡を追い、ようやく命令を遂げる。
貧しい身なりをした恋人同士は、顔面蒼白になっていた。俺は笑った。
君が嬉しそうに笑うのに、僕はめっぽう弱い。嬉しさまで伝染するのかな。僕も嬉しくなるんだ。
君の笑顔に釣られるように、僕も笑顔になる。僕たちは幸せを握りしめ、喜びを抱きつくあう。
君を手放すつもりは、これっぽっちもない。それが弱点になってしまうかもしれないけれども。
iotuは、愚かだなと自分を笑いながら最後の嘘をつきました。
それはきっと必要じゃない嘘でした。
「君の全部を忘れたいんだ」、と。
・・・泣いたりしないよ。

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僕は、愚かだなと自分を笑いながら最後の噓をついた。それはきっと必要じゃない嘘だった。
「君の全部を忘れたいんだ」と僕が言うと、君は淡々と「人間が忘れるのは当然の権利です」と言う返事が返ってきた。
こうしている間にも忘れていくのだ。そんな君に・・・泣いたりしないよ。
僕は軽々しく、君の腕を軽く握る。そんな強くしなかったから、大丈夫だろうと思っていた。
君が長袖をまくる。そこにはしっかり僕の手の跡が、赤く染まっていた。
「ゴメン、痛かった?」僕は尋ねると君は首を横に振った。
そんな子供時代の記憶があったから、君にふれるのが怖い。
「捨てたいものがあったら、このゴミ袋に入れなさい。明日の朝、捨ててあげるから」と透明なゴミ袋を姉が差し出した。
「なんでも?」私は尋ねた。
「安心しなさい。袋に入る限り、捨ててあげるから」とゴミ袋を置いて、姉は立ち去った。
私はゴミ袋を頭から被って、しくしくと泣く。
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プロフィール
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iotu(そら)
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性別:
非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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