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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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君には不満があるのだろう。それを口に出さないのは僕への気配りだろう。君は下唇をかんで、俯く。
そして服の裾をいじる。「言いたいことがあるなら言えばいい」と僕が言った。
思ったよりも冷たい響きがした。そんなつもりはなかったのだけれども。顔を上げた君は泣きだしそうだ。
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iotuは、大丈夫と自分に言い聞かせながら最後の嘘をつきました。
それは最初で最後の嘘でした。
「絶対にあきらめたりしないよ」、と。
嘘だと見破ってくれたらいいのに。

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僕は。大丈夫と自分に言い聞かせながら最後の噓をついた。それは最初で最後の嘘だった。
君のためにつく、最後の嘘だった。「絶対あきらめたりしないよ」と、大きな嘘をついた。
本当は心の中で『大丈夫』と言い聞かせなければ震えているのに。君が嘘だと見破ってくれればいいのに。
ようやく暇になって、録画しておいた番組を見る。中世ヨーロッパをモチーフにしたアニメだった。
要塞を守る騎士たちが一人、また一人と欠けていく。最後に残ったのは従者の少年だった。
逃げることもできずに涙を滲ませる。それでも少年は戦いへと突入していく。見ていて辛かった。
この時期の日向は嬉しい。あたたかな日差しに、猫たちと一緒に、うつらうつらと舟をこぐ。
昼寝日和だった。あたたかなぬくもりは浅い夢へといざなう。
夢の中でも、こっくりこっくりと転寝をしていた。今は遠く離れているあの人の肩にもたれながら。
夢の中では強欲なようだった。
iotuは、痛みを堪えながら最後の嘘をつきました。
それは切望のような嘘でした。
「君にもらったものは全部返す」、と。
胸の痛みは消えやしないな。

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僕は、痛みに堪えながら最後の嘘をついた。これで最後。そう思うと痛みは加速度を増す。
それは切望のような嘘だった。
「君からもらったものは全部返す」と僕が言うと「そう」と君は寂しげに笑う。
ここにいる理由も、ここにいる訳も、分かっている笑み。胸の痛みは消えやしないな。
革靴を履いて、姿見を覗く。外見を整えて、いざ出陣。彼氏に会いに行く。
待ち合わせの時間よりも早く到着してけれども、すでに彼氏はいた。
デートを楽しみにしていてくれた、ってことかな。
「おまたせ」と声をかけると、人前の中なのに抱きしめられる。腕の中で私は微笑んだ。
今の制服に不満はない。そもそも高校は制服で選んだもののようだ。
自分に似合っているし、可愛いと思う。けれども、社会人の彼氏には不満のようだった。
制服で会いに行くと、露骨に嫌な顔をする。可愛い私を見てくれてもいいのに。
制服を着れるまで、あと少し。私は大学生になる。
iotuは、幼子を慰めるかのように最後の嘘をつきました。
それは最初で最後の嘘でした。
「ずっと君と一緒だよ」、と。
いっそ笑い飛ばしておくれよ。

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僕は、幼子を慰めるかのように最後の噓をついた。それは最初で最後の嘘だった。
君が笑ってくれるのなら、そう思ってついた嘘だった。
「ずっと君と一緒だよ」とそんな夢みたいなことなんてできるはずないのに。
理解しながら、嘘をついた道化師を、君はいっそ笑い飛ばしておくれよ。
世界中の幸せを二人じめにして、駆け出そう。
虹の橋に、世界の果てに、ハッピーエンドの続きをしようよ。君は突拍子もないことを言い出した。
君は言い出したら譲ることのない性格だ。本気で言っているのだろう。
世界中の幸せを二人じめにしたら、きっと退屈しそうだと僕は思った。
英語はまるでパステルで描かれた言葉のようだった。
日本人で、日本から出ていくつもりがない僕にとって、夢で出くる柔らかな色合いの絵物語だった。
勉強する意味が解らなかった。あの日まで。お隣に引っ越してきた一家は日本人ではなかった。
その家の同じ歳の少女に心を撃たれる。
何でも姉のお下がりだった。私服も、自転車も、何でも姉が使ってきたものだった。
他の子はは新品のものを持っていて、羨ましかった。中学校の制服も、きっと姉のお下がりなんだ。
そう思うと悲しかった。入学式の日、新品の制服が手渡された。姉が掛けあってくれたらしく感謝した。
iotuは、痛みを堪えながら最後の嘘をつきました。
それは自分の幸せのための嘘でした。
「もう、迷わないよ」、と。
・・・まだ、泣いちゃだめだ。

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僕は、痛みに堪えながら最後の噓をついた。心の奥の方でズキズキと痛むような嘘だった。
それは自分の幸せのための嘘だった。君を置いて、最良の道を歩いていくのだ。
「もう、迷わないよ」と僕は君は告げた。君は僕を責めることなく、無言で頷いた。
・・・まだ、泣いちゃだめだ。
青年はグラス片手にパーティを見ていた。ホールの真ん中には踊る群衆。そろそろラストダンスだろうか。
ようやく解放される。青年は安堵した。「一曲、お願いできますか?」と乙女がやってきた。
困った展開だ。恥をかかせるわけにはいかない。青年はぎこちなく、手のひらに触れる。
郵便受けに手紙が入りこんでいた。ダイレクトメールではなかった。手紙の宛名は自分の名前だった。
見覚えのある文字が、懐かしい差出人の名前が、甘酸っぱかった。
ペーパーナイフで手紙を開けると便箋が一枚。
『もう一度、あの夏でお会いできないでしょうか?』と書かれていた。
アメジスト色の瞳を持つ将軍が守る辺境の要塞だった。
一騎当千とも、常勝の将軍とも、当代きって槍の名手とも呼ばれる壮年の男性だった。
勝てない戦をしない将軍だった。そんな男性には妻の忘れ形見がいた。
少女は隣国の戦が始まる前に何か言いたそうだったが、男性は黙らせる。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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