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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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いつのことだろうか。物心がついた時には、そうだった。
その人の魂というか、オーラというか、色が見えていた。それは、人生は楽観視できることではなかった。
色んな色が見えて雑踏の中では気分が悪くなることがある。その日も満員電車の中で目を潤ませる。
静かな場所に行きたい。
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壁にぶちあたった。う回路をは見つからない。自分の身長よりも高い壁だった。乗り越えられるだろうか。
脆い爪でよじ登れるだろうか。どうしようもないと、壁に背を向けて座りこんだ。
いつか来る誰かが正解を見つけてくれるのを期待した。超えられない壁は、今日も存在している。
iotuは、感情を抑えながら最後の嘘をつきました。
それは悪あがきのような嘘でした。
「君の全部を忘れたいんだ」、と。
どうか嘘だと気づかないで。

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僕は、感情を抑えながら最後の噓をついた。それは悪あがきのような嘘だった。
「君の全部を忘れたいんだ」と僕は言った。嘘をつけない君は「マスター、それは不可能です」と言った。
「私のメモリーを破壊しますか?」と淡々と君は口にした。「そうだね」どうか嘘だと気づかないで。
僕は、ぼんやりと夕焼けを眺めていた。太陽はこんなにも弱々しいものだったのだろうか。
冬の夕方はあっという間だった。マジックアワーの時に、君はやってきた。怒り顔で、僕の指を握る。
「帰るわよ」と僕の手を引く。あたたかな体温が伝わってくる。帰る場所があるのは幸いだ。
初めて恋をした君は言った。
「近すぎると怖い、離れても嫌。わがままでしょ」と、まるで泣いているようだった。
「ゆっくりと恋をしよう。君のペースに合わせる」僕は笑った。
二人の時間は、たっぷりと用意されている。
君の初めてを僕は奪っていくのだから、それぐらい我慢できる。
「永遠なんてどこにもないんだ」とコンクリートジャングルの街で君が言った。
君の心が痛がるのに気がつきながら、僕は口をつぐんだ。代わりに、繋いだ手をぎゅっと握りしめる。
この瞬間が永遠になればいいのに。たとえ通り過ぎていく過去になっていくのでも。忘れられないものに。
君は涙を流さないで、くっきりとした青空のような笑顔を浮かべた。
それが痛々しくて、僕は思わず抱きしめてしまった。
僕の腕の中で、君は「ありがとう」と震える声で言った。僕は『どういたしまして』とは言えなかった。
構って欲しかったのは、どちらだったのだろう。力をこめる。
iotuは、情けなく笑って最後の嘘をつきました。
それは切望のような嘘でした。
「寂しくなんてないよ。大丈夫」、と。
いっそ笑い飛ばしておくれよ。

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僕は、情けなく笑って最後の噓をついた。それは切望のような嘘だった。
涙を流さなかったのが奇跡のような嘘だった。「寂しくないよ。大丈夫」と僕は言った。
君は僕が寂しがり屋だということを知っているから、怪訝な眼差しで僕を見る。
最後なんだし、いっそ笑い飛ばしておくれよ。
綾羅錦繍とはこのことだった。紅く染まったモミジが目にも鮮やかだった。
今年の秋は短いらしいので、見事な紅葉を見られるとは、幸運だった。シャッターを何枚も切る。
どれほど時間がたったのだろう。隣で黙っていた君が満面の笑みを浮かべながら、僕の腕を握り締める。
君が怖い。
ベートーベンの月光を流しながら、針仕事をしていた。
喉の渇きを覚えて、マグカップに手を伸ばした時、しくじった。針で指を刺す。
ぷっくりと血が湧き上がってきた。それを見て、不思議に思ってしまった。
自分にも赤い血が流れているのだ。当たり前のことだけれども、感じ入った。
「あの子、大丈夫かしら?」10分おきに母が言う。
「もう大人なんだし、すぐそこのコンビニに行くだけだから」と私は相槌を打つ。母の口癖は変わらない。
確かに弟は迷子体質だが、迷子になっても当人はケロッとしたものだ。
「あの子、大丈夫かしら?」母が言う。心配なのだろう。
iotuは、大丈夫と自分に言い聞かせながら最後の嘘をつきました。
それは前へ進むための嘘でした。
「君が居なくても何も変わらないさ」、と。
これが本音なら、楽だったのに。

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僕は、大丈夫と自分に言い聞かせながら最後の噓をついた。
それは新しい朝が来るように、前へ進むための嘘だった。
「君が居なくても何も変わらないさ」と、今まで手を繋いで、ここまで来た君に向かって言った。
二人でいられるのはこれが最後だった。これが本音なら、楽だったのに。
小さなことで喧嘩になった。いや、逆説的にいうと小さなことだから喧嘩になった。
お互いが譲れない領分だったのかもしれない。このまま顔を合わせていても、傷つけあうだけだろう。
いったん距離を置いた方がいいかもしれない。立ち上がろうとした瞬間力強く、君は両手を軽く握る。
冷蔵庫にしまっておいたプリンの姿が見当たらない。仕事に行ったご褒美用に、食べたかったのに。
「お帰りー」と炬燵に潜った君が言った。テーブルの上にはプリンの残骸。
「犯人はお前か」僕が言うと、悪びれずに「名前が書いてなかった」と君は言う。
「雪見だいふく半分こしよう」
君の意見を無視して選んだクリスマスケーキ。年を越したというのに、まだ根に持っているようだった。
仕方がないだろう。予約に間に合わなかったのだから。
僕は代わりになるように、ロールケーキを買ってきた。
「今年こそブッシュドノエルがだから」君は幾分か機嫌を直したようだ。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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