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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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今日も娘が泣きながら帰ってきた。好きな女の子の気を引きたくて、意地悪をしてしまう。
そんな年頃だと、理解しているけれども、頻度が激しい。
「大嫌い、って言ってみたら?」と娘に提案してみた。少しは意地悪される回数が減るだろう。
娘は「大嫌い、って言えないの」と言った。
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眩しい光が目を刺した。ロールカーテンが開いていたからだろう。夕方の太陽が沈んでいくところだった。
パソコンを打鍵していた手が止まって、それを眺めてしまった。
書類が少しでも進むように、先輩から言い残されていたのに。今夜も残業確定だろう。
定時に上がってみたいものだ。
24時間営業しているコンビニは、独り暮らしの自分にとって大変ありがたいものだった。
新年早々、終電の電車に揺られながら、お気に入りのパンが売っていることを祈る。
不思議なもので通い慣れてくると顔を覚えられるらしく、いつもの変わらない店員が無言で袋詰めをしてくれる。
また彼女と喧嘩になった。いつものことだったが、今回は派手だった。
言いたいことだけ言って、それすら尽きて、沈黙が落ちた。これ以上、同じ空間にいたくなかった。
黙って部屋を出ていこうとした。すると彼女が無理矢理、俺の指をぎゅっと握る。
「どっか行かないでよ」と言った。
僕たちは、どこまでいっても二人ぼっちだった。すれ違ってばかりいる。不毛な関係だった。
これ以上、心をすり減らしながら生きていくのは辛かった。だから、僕は別れ話を切り出した。
「君とは、幸せになれないから、関係を解消しよう」と僕が俯きながら言った。君は答えなかった。
いたずら天使が神様から生死を記したノートを拝借した。今日、死ぬ予定だった少女に恋をしたからだ。
ノートに書かれている『死』という文字を睨む。それから息をそっと吹きかける。
『死』という文字は消えた。けれども、『生』の文字は浮かび上がってこない。運命は変えられない。
最後に口唇にキスをしたのは、いつだっただろうか。最後に手を繋いで歩いたのは、いつだっただろうか。
最近、二人の間に隙間風が吹いているように感じるのは杞憂だからだろうか。
ただ自分だけが不安になっているのなら、かまわない。それとも、恋が自然消滅する合図なのだろうか。
昔々、あるところにお父さんとお母さんがいました
お父さんは会社へしばきに行き、お母さんはコインランドリーで贅沢をしていると。。。

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直帰のお父さんからメールが届きました。毛布を洗濯していたお母さんは焦りました。
乾燥まで入れたら、自宅に帰るまでにお父さんが家に着きます。お母さんはお父さんに白状しました。
今まで何回もコインランドリーを使っていたことを。
お父さんは知ってたよとコインランドリーに来ました。
iotuは、情けなく笑って最後の嘘をつきました。
それは相手の笑顔のための嘘でした。
「君が居なくても何も変わらないさ」、と。
こんなことしか言えないなんて。

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僕は、情けなく笑って最後の嘘をついた。それは相手の笑顔のための嘘だった。
君にはいつだって笑顔でいてほしい。これから未来へと旅立つ君だから。
「君が居なくても何も変わらないさ」と僕は言った。こんなことしか言えないなんて。
君に薄情に聞こえただろうか。君の表情が曇る。
「お兄ちゃん、彼女できた?」正月に帰省して、妹が開口一番に言った台詞だ。
「仕事でそれどころじゃないよ」と僕が答えたら、妹は不機嫌になった。
「早く結婚してくれれば良いのに」と妹は言った。左手の薬指にシルバーリングが光っていた。
順番を守れと両親に言われたのだろう。
映像の中の君は幸せそうに笑っていた。
それが愛おしくて、それが哀しくて、停止のボタンをクリックした。
心で泣くしかできなかった僕は、ひどく感傷的だった。センチメンタルはお似合いではない。
君は今でも笑っているだろうか。僕以外の誰かの隣で。言葉にせずに、小さく祈った。
年始年末は最低な気分で過ごした。会話をしたのは深夜のコンビニ店員だけだった。
それも「袋入りますか?」というマニュアルの言葉に「お願いします」と答えただけ。
独り暮らしだったら、そんなものだろうか。
寒い夜空を見上げたら、解散したアイドルグループの歌詞が浮かんだ。
iotuは、ぎゅっと手を握り締めながら最後の嘘をつきました。
それは相手を守るための嘘でした。
「これ以上関わらないでくれ」、と。
本音は仕舞い込んだまま。

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僕は、ぎゅっと自分の手を握り締めながら最後の噓をついた。それは相手を守るための嘘だった。
「これ以上関わらないでくれ」と、僕は言った。君が離れていけば、寂しいばかりなのに。
これから独りで進む道を考えれば、苦しいばかりなのに。本音は仕舞い込んだまま。僕は噓をつく。
二人の間で増えていく記念日。それらを全部覚えているのは、僕には不可能だった。
手帳に書きこんでいるけれども、記念日だらけでいっぱいだった。
君の方は律義に覚えているらしく、僕が記念日を忘れると怒る。今日もそうだ。
君は力強く、両手を折れんばかりに握る。忘れた罰だ。
繋いでいた手が離れた。夜の世界がやってきた。楽し気に通り過ぎる若者たち。家路を急ぐ会社員。
入り混じっていた。その中で僕たちは立ちつくしていた。
僕の方から言わなければならないのは悲しかった。「知ってたよ、君の答えは」と僕は笑顔を作る。
「ごめんなさい」と君は俯く。
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プロフィール
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iotu(そら)
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性別:
非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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