昔むかし。
ある日、男は仕事帰りに足元ではねる子兎を見つけたそうだ。
親兎にはぐれて人里まで迷い込んだのだろう。
どこまでも付いてくる。
ぴょんぴょん元気な足音を眺めていると不思議な気分になって、男も一緒にぴょんぴょんはねてみた。
太陽が「おはよう」という時間まで一緒にはねて、充分はねたところで子兎は「一緒に跳ねてくれてありがとう。
おかげででいだらぼっちの肝の虫もでていったようだよ」
と謎めいた言葉を残して立ち去りました。
男が家に帰るとお礼とでもいうように、大きな瓶がでんと置かれていました。
中身はお酒で一口飲んだだけで天国へ行けそうな味わいでした。
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