ある日、僕の小指の先に赤い毛糸が結ばれていることに気がついた。
もしかして今までも合ったのかも知れないけれども、気がついたのはさっきだった。
赤い毛糸は足元でうねうねと溜まった後、どこかへ続いていくようだった。
僕は気になって毛糸を手繰り始めた。
くるくる毛糸は毛糸玉、真ん丸になっていく。
それでも終わりが見えそうになかった。
どこまで続くのだろうか。
それとも途中で、途切れてしまうのだろうか。
わからないから、面白かった。
赤い毛糸玉が真円になって抱えきれなくなりそうになった頃。
十年以上、経った頃。
同じように赤い毛糸玉を持っている女性がいた。
「「初めまして」」「僕は――」「私は――」
こうして運命の人に出会った。
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