貴方が好きなんじゃない。一人ぼっちじゃないことを確認するために、貴方と一緒にいる。
傷ついた小鳥にかける言葉が見当たらず、無力さに打ちひしがれる。
話し終わったら、そこで糸がぷつりと切れるように、君との関係もぷつりと切れてしまうのではないかと思ってしまう。
だから、僕は終わらない話を続けなければいけないような気がしていた。
夜闇という名の優しい腕(かいな)に抱(いだ)かれて深い闇に緩やかに落ちていく
言葉は上滑り。
時間を埋める道具に成り下がった。
沈黙が重く、だからいつもより多弁で、それゆえに繰り返される言葉は空しい。
それでも言葉を生み出さなければならない。
言葉はいまだ不自由で、僕らのすべてを表現できなくて、この愛おしいまでの気持ちに名前をつけられなくて、それでも絶やさずに持ち続けていたい。
夜更け過ぎの雨は誰かの涙のような気がして、いっそう切なくなる。
無言のまま泣かないで、どんな話でも耳を傾けるから。
運命や奇跡なんて使い古された言葉で二人の出会いを表現しないで。
二人でいられることが大切で特別なことなんだって、忘れられないぐらい心に刻みつけて。
言葉に出来ないなら、言葉にしなきゃ良いんじゃない。
他にも伝える方法がどっかにあるよ。
それを探す前に諦めちゃうなんて、もったいないよ。
大切な君に伝えていないことがあるんだ。
二度とは戻れない時間の中で君に伝えたいと思う気持ちが、心の中に存在しているんだ。
一生、胸に秘めたまま大切な君に伝えずに終わるのだ。とわかっている。
それが僕が前を向く活力になるのだから。
この想いは碇をつけて想いの海に沈めてしまうのが一番いい。
ブラックジョークいっぱいの絵本は主人公が踏んだり蹴ったりな展開になる。
くすくすと笑いが零れるシーンも盛りだくさんだ。
他の絵本と比べてみたら、くすんだ感じがするだろうけれど、僕は溺れるようにその絵本を何度も読んだ。
だって、それは僕の人生を描いているようだったから。
次の瞬間、他の瞬間に違うことを考えているだろうけど、「今」この瞬間だけは君のことを思っているよ。
通り過ぎた過去は変えられない分、悲しい。「もしも」はないから余計に辛い。
君の優しさに牙を突き立ててみたい。
そのとき、君がどんな顔をするのか見てみたい。
傷つけられてもなお君は優しくいられるのだろうか。