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「 140文字の物語 」
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 9月になったことを認めたくない気持ちが強いので、ささやかな抵抗として部屋のカレンダーをめくっていない。
 9月の下旬になってからめくるような事態にならないように、善処はしている。
 ただし私は前科もちだ。
 今年の2月は、私の中では“なかった”ことになっている。
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 やる気は出かけて行ってしまったので、現在は留守なんです。
 え、帰って来る時間ですか?
 さあ、それはわかりません。
 何も言わずに出て行ったので。
 私も困ってるんですよ。
 はあ、そうですか。
 帰ってきたらご連絡を差し上げます。
 ……帰って来ないんじゃないかって、私はそんな気がするんですよ。
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「そこはどんなところなのですか?」
「とてもとても素晴らしいところですよ。全ては満ちていて足りないものは一つもありません。何もかも捨てていらっしゃい」
「捨てる?」
「ええ。あちらにはもっと素晴らしいものがたくさんあります」
「思ったよりも『天国』は素晴らしい場所ではないのですね」
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 「さよなら」と告げたら、そこで全てが終わるような気がしたから、私は貝のように口を閉じた。
 私の代わりに携帯電話のアラームが告げる。
 「さよなら」と、君は手を振った。
 もっと一緒にいたいと言えない私は、涙を飲み込み見送った。
 涙は凝って、お腹の中で、真珠になったかもしれない。
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「世界ってけっこういい加減にできているから、探せば、人間ひとりぐらいがすっぽり入れる隙間があるかもよ」
と、彼女は非常に曖昧なことを、笑って言った。
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