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「 140文字の物語 」
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君が笑う。君が泣く。君はまた笑う。
世界はきらきらと輝く珠をつなげたネックレスのようなもの。
君の笑顔と泣き顔の数の分だけ、君の世界はつながっていく。
僕はそれをそっと糸に通しながら、いと惜しく思う。
大きさも色も違う珠を連ねたものは君の背丈よりも長くなったよ
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 懐かしの秘密基地はすっかり廃屋になってしまった。
 時間は残酷だななんて感傷に浸ってる暇はなかった。
 仲良しのヤエちゃんとリンちゃんどちらかと付き合うなんて俺には選べない。
 一緒に遊んだ仲なのだから。
 かつての秘密基地は険悪なムードに包まれていた。
 人類が宇宙に出ても蚊とは無縁ではいられなかった。
 痒みが引くというわらべ歌を口ずさんでいると、モノリス型の相棒が「どうしたの?」と訊いてきた。
 蚊に刺されたと答えたら、熱いお湯が入った真新しいコップがテーブルに出てきた。
 大切な人に書く手紙のインクのように青みがかった黒い空にぽっかり空いた穴のように月がふわふわゆらゆらと浮かんでいた。
 それは火であぶって出てくる文字のように不思議な穴で空の青黒さをいっそう引き立てている。
 見ているとあの穴に吸い込まれるような気がしてくる。
 真っ白な満月が輝く夜でした。
 魔法使いのおばあさんは満月で輝く泉に飛び込むように娘に言いました。
 「あとでわかるよ」とにやっとも笑いました。
 娘は意を決して飛び込むとどうでしょう。
 言葉を失った娘は、水の冷たさに悲鳴を上げられたのです。
 失ったものを取り戻せたのでした。
 悪意が流し込まれたような淀んだ空気の中、少年は歩いていた。
 カリッカシャン。
 乾いた音が空虚に響く。
 亡者たちの白山を越え、絶望を踏み潰しながら「もう少し」と少年は呟く。
 屍の山の一部となるのも知らず、少年はただ歩いていく、希望という名の新しい絶望に向かって。
「ねえ迷子さん。手を繋がない?」
差し出された猫婦人の手は足りないものが多すぎた。
ここは夜と昼の真ん中、彼誰の時間。太陽も月も沈んだ世界で猫婦人は微笑む。
「ここで終わりのようね」
川岸で陽気に言う。
「さようなら」
私は言った。
猫婦人はにゃぁおと楽しげに川の向こうへと渡って行った。
 薔薇よりも麗しいと賞賛された踊り子がある日を境に消えた。
 異国の王族に見初められた、常連の伯爵に強引に連れ去られた、同僚に妬まれて大怪我をした。
 地方紙は毎日賑わった。
「おはよう、面白いニュースあるの?」
 妻が尋ねる。
「いいや。君よりも面白いものはないよ」
 僕は答えた。
「宇宙で一番好き」彼女はプリン片手に呟いた。
「プリンが?」
「プリン。確かに好きだが」
スプーンを握りこんだまま器用に蓋を開ける。
ぴりりりと開いて「プリンは魅力的だ」と一口食べる。
「世界よりも上だな」と言うと
「最少公倍数とπの違いだろうか」と俺を見て微笑んだ。
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 毎日が一大事なの。
 だから、毎日会って、毎日おしゃべりしてよ。
 電話なんかじゃ足りないし、メールなんてもっと足りないんだから。
 毎日会わなきゃ恋してるって言えないよ。
 私のこと大切なの?
 24時間ってとても長いんだから。
 私、会ってない間は生きてないみたいで寂しいの。

++++

 毎日が一大事。
 付き合いたてなんだから一緒にいたいし、俺だって顔を見たい。
 仕事でくたくたになって電話するのは面倒だし、朝のおはようメールに夜のおやすみメールの他に、二桁のメール返信。
 会って解決するんだったら、デートのが楽。
 でも、こういうの我慢するのも愛だよな。
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「僕たちはこんなに気が合うのに、どうして」
「恋人同士じゃないかって? 簡単なことよ」
「?」
「あなたが意気地なしだから」
「じゃあ、勇気を奮ったら恋人同士になれるのかな? 君は意地っ張りみたいだけど」
「大丈夫。だって私たちは」
「こんなに気が合うんだから?」
「そうよ」
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 血液型占いなんて非科学的だよ。
 人間がたった4つのタイプの性格しかないなんてナンセンス。
 ある地方ではB型ばかりだし、ある地方ではO型ばかり。
 この日本だってA型ばかりだろう?
 同じ血液型でも色々な性格がいる。
 だから、僕と君の相性が悪いなんて当てにならないじゃないか。
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 本当のことなんて砂漠に落ちた一粒の砂金みたいなものだ、と砂漠を歩いたことのない君が呟く。
 本当に見つからないものなのか、今度一緒に砂漠に行ってみないか?
 見つからなかったら君の勝ち、見つかったら僕の勝ち。
 単純な賭けだろ?
 大丈夫、僕は見つかるまで君と砂漠を歩くよ。
 不愉快そうに唇が物語るは、復讐。
 幻想と狂気の虚夢の世界の土台は、現実から拾う事実の欠片。ゼロの空に放り投げては、また拾う。
 連れてってと囁く子どもたちには毒の硝子片を、楽しそうねと笑う大人たちには悪意の剥片を。尽きせぬ憎悪と限りない愛情と同じ皿に載せましょう。
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 たとえばそれは冬枯れの庭のように。
 氷の欠片を宿しながら、春を待つ。
 来ると信じながら待つ春は長くとも、ほのかに甘い。
 孤独が寄り添うモノクロの庭で、踊る影を見つめながら、その時々の風にすら目を細める。
 淡々とした彩りの中、やがて来る季節に思いをはせる。
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