着なれないスーツを着て列席する。
バージンロードを歩く彼女は綺麗だった。
彼女と彼女の最愛の男性は誓いのキスをする。
耐えられたのはそこまでだった。
涙腺が緩み、涙が零れた。世界で一番幸せになって欲しい。
悲しいことも嬉しいことも、分かち合ってきた。
大切な幼なじみだった。
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昔むかし、池のほとりに一人の老女が住んでいました。
彼女はきれいな魔法が使える魔法使いでした。
ある日、彼女の家の扉がノックされました。
出てみると少年がカブトムシを持って立っていました。
「これは僕の宝物です。お願いをひとつ叶えてくれるんですよね」
少年は言いました。
リスクは元からある。
アクセルを踏み込み速度を上げる。
黄色信号は直進だ。
相手に追いつかれるわけにはいかない。
助手席の依頼人を一瞥する。
少女は青ざめた顔をしているが気丈にも背をピンと伸ばしている。
「大丈夫、俺の依頼の達成度は10割だ」と声かける。
さらに加速する。
人々に嫌われた宮殿があった。
改築くりかえし迷宮になっている場所だった。
度胸試しに若者たちは挑戦してきたけれど、誰も脱出成功した者はいない。
少年は迷宮の入り口で震える。
「よし」
気合を入れて少年は財宝が眠る最奥に向かった。
ようやく迷宮が白日に晒される日が来たのだった
流行の濃厚チーズケーキをお取り寄せしてみた。
トラックの音に耳を澄ます毎日。
インターホンが鳴って、私は飛び上がり走って玄関のドアを開いたのは1時間前のこと。
今はケーキの解凍を待ちながら紅茶を淹れている。
優雅な3時。
フォークをケーキに突き立てる。
私の味覚は満足した。
群雄割拠、各地で旗が立てられた。
優秀な人材を欠く小国の女王は、神に祈った。
ずる賢い軍師でもいれば悩むことなんてないのに、と。
膠着状態で動くに動けない戦を終わらせることもできるのに、と。
女王の祈りが通じたのか、出身地も曖昧な流れ者がやってきた。
戦争が終わる時が来た
置き傘用に空色の傘を買った。
晴れた空と同じ明るい色だ。
今年は梅雨に入っても雨が降らないから、ロッカーの中で眠っていた。
それがとうとう役に立つ日が来た。
私は昇降口でやったぁと言ってしまった。
怪訝な目で見る人物が一名。
私は事情を説明をした。
「傘ないなら入ってく?」
今日の空と同じ、化粧をしても隠せない表情だと、自分でも十分自覚済みだった。
昨夜、失恋した。
告げる前から終わってしまった恋だった。
お似合いの二人に、私はこっそりと泣いた。
私は二人にペアのマグカップを差し出す。
「大切に使ってね」
とプレゼント。
二人の喜ぶ顔に私も笑った
桜並木を歩く。
何でもない通学路だったけれど、この季節になると意識してしまう。
桜がいつ咲くのか。
時計を見る。
まだ時間に余裕があった。
桜を見上げる。
満開になったら素敵なんだろうな。
今年は誰かと一緒に見上げたいな。
一本一本桜を見ながら通学路を歩く。
すると先客さんがいた
ティディベアを抱えた少女に嘘を囁く。
「満月の光を当てるとテディベアがお喋りするよ」
少女は嘘を信じて窓辺にテディベアを置いた。
一年も続くとそれは見慣れた景色になる。
少女は今夜も窓辺にテディベアを置いた。
とんでもないことが起きた。
嘘が真になってしまったのだった。
小さな頃から思っていたものだ。
隣の家の幼なじみを守ると。
幼なじみはいわゆる普通の子と違っていた。
誘拐されかかったり、家に泥棒が入られたり、ブランコが壊れて放り出されたり、と幼なじみは、いつも危険な目にあっている。
そんな彼女を守ろうと決意したのは当然の帰結だろう。
金で雇われた傭兵だ。
依頼人をかばったのは、反射だ。
要人を安全地帯まで送り届けるのが、今回の任務だ。
幼さが残る少女に、何があるというのか。
これで5度目の爆発だ。
爆炎に巻き込まれないように少女を抱えて走る。
「ごめんなさい」
腕の中の少女は申し訳なさそうに言った。
「ねぇ、知ってる? 今日は恋人の日らしいよ」
帰り道、幼なじみが言った。
「へー、そうなんだ」
適当な相槌を打つ。
「そろそろお友達からステップアップしませんか?」
「えっ?」
俺の声がひっくり返る。
「ずっと前から好きでした。恋人にしてくれませんか?」
幼なじみが言った。
「料理が得意な子とか、タイプかなぁ」
そう彼が呟いた。
雑談の一環だったんだろう。
偶然聞いてしまった私の心臓は早鐘を打つ。
その日から私の指先は絆創膏だらけになる。
「最近、ケガ多いなぁ。どうしたんだ?」
彼が言った。
「料理得意じゃないから、責任とってよ。ずっと好きなの」
昔むかし。あるところに死にたがりの死神がおりました。
飲めば死に至るという井戸の伝説を聞きつけ、死神は井戸に急ぎました。
井戸に小石を投じると水音がしました。
死神は井戸の水を飲み込みました。
けれども死ぬことはできませんでした。
気のせいだったと死神はがっかりしました。