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「 140文字の物語 」
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午後三時、紅茶と共に読書タイム。
 優雅な時間の使い方だ。
 本は詩集やエッセイの軽いものを選んでいる。
 携帯電話が鳴る。
 声の調子を整えてから電話に出る。
 孫娘の可愛らしい声に笑みが広がる。
 元気そうな孫娘にもどんな本が似合うだろうか。
 ティーカップに映った瞳に慈しみが浮かぶ。
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「北の空を見ていてご覧」
 少女の肩に腕を回して囁く。
「彗星が見えるだろう?」
「スゴイですね」
 少女は嬉しそうに言った。
「彗星には燃える魔法がこもっているって本当ですか?」
「誰から聞いたのかな?」
 腕に力こもる。
「今日、授業で」
 少女は素直に言う。
「そうだよ」
 と言った。
名刺交換した時は、まさかゲームで戦友マークがつくほどの友人関係になるとは思わなかった。
 今日も帰宅してPCをつけゲームの世界にログインすると、挨拶が飛んできた。
 今日はBOSS討伐があるから、晩飯は外で軽くすましてきた。
 時計を見る。
 イベントへの時間は迫りつつあった。
ふわふわの頭をした異人さんは毎週、街に朗読しにくる。
 青い目が気がつかれないように私は見つめる。
 物語も終わりを迎えようとしていた。
「諦めないで――」
 と私の気持ちを読んだように、朗読が続いて、ドキリっとした。
 パタンと異人さんは本を閉じた。
 青い目が私を見つめた。
閉じ篭った青年のPCにメールが一通。
 今日の天気のメール。
 迷惑メールかと思ってそのまま削除した。
 メールは途切れなく毎日、決まった時間に届く。
 一年後「外で会いませんか?」とメールが届いた。
 青年は社会復帰を目指していて、それに了承した。
 また会えるとは思わなかったからだ
夏休みに入っても、愛犬の散歩は休みにはならない。
 ジリジリと日差しが容赦なく肌を焼く。
 日焼け止め塗ってこなかったのは失敗だったと思う。
 白いワンピース姿の女性とすれ違う。
 女性は曲がり角を曲がる。
 そこには廃屋しかなかったはずだ。
 暑さが見せた幻覚だったのだろうか。
この季節の水仕事は楽しい。
 食器が綺麗に磨き上げるのも、バスタオルやシーツが洗い上がるのも、楽しい。
 もっとないかなぁと思っていると洗車があった。
 ホースから溢れ出した水から虹が生まれた。
 スポンジを持つ手が止まる。
 小さな虹に微笑む。
「これじゃくぐれないなぁ」
 と笑う。
「大丈夫だよ」
 勝手に口唇から言葉が漏れた。
 全然、大丈夫なんかじゃなかったのに。
 不安で一人じゃ辛いのに。
「ありがとう!」
 口唇が微笑みの形を作るのがわかった。
 強がりかもしれないけれど、私は歩き出した。
 これは私にとっては大切な一歩。
 不安な心を叱咤激励して舞台を歩く。
荷物は北極星宛ての小箱。
 依頼人はサングラスをかけた壮年の男性だった。
 怪しさ満載の荷物を引き受けたのは、金欲しさだった。
 成功報酬が1桁違ったのだ。
 宇宙空間に出ると小箱が振動し始めた。
「大丈夫なんでしょうか、マスター」
 と船のAIが尋ねてくる。
「これも業務用の運命だ」
雨の留守番役は退屈なもので、1時間もするとやることがなくなってしまった。
 辺りを見渡すとプリントアウトした写真が見つかった。
 整理を兼ねてアルバムにしまうことにした。
 風景写真が多く、景色を季節ごとに並べる。
 桜並木の写真で手が止まる。あれから自分は変れたのだろうか、と
「困ってるんだ。助けてくれないかい?」
 ぬいぐるみは言いました。
「雲の上の積み木は緑の葉を挟むんだけど、それが足りなくなりそうなんだ。
 お手を拝借したいんだけど」
 頼まれた少女は庭に下りて緑の葉を籠いっぱい摘みました。
「ありがとう」
 ぬいぐるみは少女に感謝しました。
着なれないスーツに袖を通す。
 クールビズと言われているが、今日はネクタイを締める。
 鏡を見ると似合ってない自分が映った。
 苦笑しつつ花屋に寄る。
 予約しておいた薔薇の花束を抱えて、約束した場所まで向かう。
 今日が特別な日だと解って欲しい。
 ポケットにしまった小箱が後押しする
新聞を読んでいると、空き地の広告が挟まっていた。
 畑向けの大地で格安だった。
 最近、家庭菜園だけでは物足りなく感じていた自分には朗報だった。
 車で10分と距離も近い。
 どんな野菜を作ろうかと、期待で頬が緩む。
 妻が難色を示すかもしれないが、子供は喜びで心を弾ませるだろう。
毎朝の習慣で牛乳を飲む。
 骨粗しょう症予防になっているかは、頼りないところだけど。
 今日もグラスに牛乳を注ぐ。
 この作業は目覚め儀式の一部になっている。
 遅刻ギリギリに目覚めても、牛乳を飲むことは忘れない。
 人生の支えになっているのかもしれない。
 グラスを台所に置いた。
顔色を失って、蒼白になっている友達を心配した。
「大丈夫?」と訊ねると弱弱しく「大丈夫」という答えが返ってくる。
 全然、大丈夫じゃない。いつも明るい彼女にも苦手なことがあるんだなぁと思った。
「みんなあんたの演奏を待っているよ」
 と背を軽く叩く。
 彼女は独り舞台に立つ。
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