忍者ブログ
「 140文字の物語 」
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

天国にはさまざまな妖精がいる。
 姿かたちも異なれば、持つ役割も違う。
 彼女らの仕事は天国へやってきた人々を喜ばせること。
 それに尽きる。手の平サイズの新米妖精も、人々を喜ばせようと魅惑的な枝を使って、練習中だ。
 新米だからか枝に馬鹿にされて良いようにあしらわれている。
PR
フラスコの底に残った結晶を銀の匙で集める。
 白い結晶をランプに照らされだされて綺麗だった。
 致死の毒とは思えないほど、それは美しかった。
 男は慎重に結晶をシャーレに移動させる。
 緊張で手が震えそうになる。
 カタンと背後で音がして銀の匙を取り落とした。
 振り返ると猫がいた。
大地は干からびた。
 乾いた風が吹く。
 雨雲が見えず、作物は実りを前に枯れた。
 男は克明に日記を綴る。
 ワインを飲みながら、あと何日経ったら雨が降るのだろうかと思う。
 一角獣を連れた水売りがやってきた。
「許してくれ」
 と指輪を外す。
 母の形見の指輪を売り、僅かな水を得る。
テーマパークは、日常を忘れさせてくれる非日常だ。
 ここでは誰もが笑顔で、日常では考えられない娯楽を提供してくれる。
 人気のジェットコースターの整理券を発券してもらい、恋人に渡す。
 恋人は整理券をパスケースにしまうとニコリと笑った。
「楽しみだね」
 と言いながら、手を繋ぐ。
ポストに一通の葉書が舞い込んできた。
 小学校の同窓会の案内だった。
 欠席のほうに丸を付ける。
 正直、小学校の思い出は良いものがなかった。
 5年生の時の担任の先生にはお世話になったが、それ以外の人物に会いたいと思わなかった。
 他人の近況なんて知りたくない。
 理由は充分だった。
猛暑日となった今日。
 真っ白な日差しの中でキャラキャラと笑い声が聞こえてきた。
 川で小学生ぐらいの子供が遊んでいた。
 幼少の頃は良かったなぁ、と記憶を引っ張り出す。
 どんなことも楽観していた。
 明日は今日の続きで、楽しいことばかりだと思っていた。
 ずいぶん遠ざかったものだ。
PCの液晶モニターを見る。
 今日は新月らしい。メルマガに書いてあった。
 何かを始めるのに、良いチャンスだ。
 と星座占いに書いてあったことを思い出し、検索窓に包丁と入力する。
 ちょうど新しい包丁が欲しかったところだった。
 すると出てくる包丁の数々。
 どれが良いのか選べない。
真っ黒な髪の少女が、沈没船に腰掛けて歌を唄っていた。
 ローレライだ!と反射的に思った。
 少女は微笑む。
 自由に歌えることは喜びだったからだ。
 歌は途切れなくいつまでも続いていた。
 俺はその歌に引き寄せられるかのように、沈没船に近づいていく。
 近づけば死が待っているというのに
久しぶりに時間が取れることになったので、親友と会うことにした。
 学生時代、お世話になったファミリーレストランで落ち合うこととなった。
 食後のコーヒーを味わっていると
 「懐かしくないか?」
 と彼は言ってきた。
 携帯ゲームの液晶画面に宇宙戦争とタイトルが映し出されていた。
夢でも見ていたんじゃないかと思う。
 私は夢と夢の隙間に入り込んで、ふわふわと泳いでいた。
 夢は綿菓子のような感触で柔らかい。色もパステルカラーで、どれも幸せそうだった。
 不思議な空間はどこまでも広がっていて、幻想的だった。
 私は夢の一つをかじってみた。甘い幸せな味がした
音符が躍る五線譜を手渡した。
 彼は鋭い目でそれを見て、溜息を一つついた。
「悪いなぁ。もう歌えないんだよ」
 と彼は楽譜を返してきた。
「絶対、歌えるよ」
 気がつかないだけで、五線譜を追いかけていた目は真剣だった。
「もう一度、考えてみて」
 私は楽譜を押し付け、踵を返した。
文芸部に寄稿する原稿は、原稿用紙にして10枚程度。
 簡単に書ける量だったから軽い気持ちで引き受けた。
 予測ではとっくのとうに書き終わっているはずだった。
 PCが不調を訴えなければ。
 今は、紙の原稿用紙を引っ張り出して書いている。
 約束の時間に間に合わせるために。
電子の海の底で眠る少女型のAI。
 手向けに花の画像のチップを贈る。
 キュイーンと電子音と共にメッセージが宙に描かれる。
「これ以上、こないで。
 目覚めるから」
 私はそこで静止して、AIの残像を見つめる。
 世界の最悪を閉じ込めて眠るAIに敬礼する。
 世界の崩壊を止めた英雄だ。
「ゴロゴロしているなら、雪の散歩行ってきて。
 晩ご飯の準備で忙しいのよ」
 という母の言葉で、愛犬の散歩に出ることになった。
 散歩係になることは珍しいから、ちょっとした非日常だ。
 散歩コースは雪が覚えているからついて行くだけだ。
 雪が足を止めた。
 そこには綺麗な夕焼けがあった
酷暑日が続く毎日。
 外回りの仕事は辛い。
 どこか休めるところが欲しくて、辺りをキョロキョロ見渡すと、小さな公園があった。
 木陰のベンチに腰掛ける。直射日光から遮られただけでも、ずいぶんと体感温度は変わる。
 にゃーんと猫がベンチに飛び乗ってきた。
「構って欲しいのかなぁ?」
PREV ← HOME → NEXT
忍者ブログ [PR]
 △ページの先頭へ
Templated by TABLE ENOCH