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「 140文字の物語 」
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桜並木も葉桜で適度な木陰を提供してくれている。
 学校までのこの道が好きで、通学路にしている。
 今日は珍しく先客がいた。
 アメンボだ。
 水が好きなくせに泳げないからついたあだ名で、本当の名前の方は失念していた。
 アメンボは木漏れ日を浴びながら歩いていた。
 私もゆっくりと歩いた
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夏休みも終わる頃。
 幼なじみが家にやってきた。
 母さんが麦茶だ西瓜だと用意してやっていた。
「最初に言っておくが、宿題は写させないぞ」
「超能力?
 何で分かったの?」
「毎年のことだろう。
 写すだけでは勉強にならないだろう」
「ちょっとだけ」
「ダメだ」
「ケチ」
 幼なじみは言った。
「今日こそ、美味しいお菓子が出来たよ!」
 私は彼に言った。
「また面倒なことで」
 彼は首筋をかく。
「健君のほうが美味しいお菓子を作れるかもしれないけど。
 今度のは自信作なの」
 と私は食い下がる。
 面倒くさがりの幼なじみは料理の腕が一品なのだ。
 女子としては負けられないところだ
梅雨開け宣言が待ち遠しい7月。
 幼なじみは梅雨を満喫していた。
 ポンチョ型の雨合羽はヒヨコを思い出させるデザインで、水面をわざわざ踏みに行く。
 それを俺はビニール傘で追いかける。
 危なっかしくって放っておけない。
 幼なじみは雨を全身で喜んでいた。
 正直、羨ましかった。
炎天下の中、カブトムシ探しの旅に出たのは間違いだった。
「朝じゃないと見つからないよ」
 幼なじみの美玖に言ったが、話を聞いちゃいない。
「隆くんの家の中の可能性もあるよね」
 と全く見当違いのことを言い出した。
「よし、行ってみよう」
「俺ん家にはカブトムシなんていねーよ」
あるところに成人すると、変態する種族がいました。
 多種多様に変化します。
 少女は奇妙なものに変態するのを嫌がって、成人を拒み続けていました。
 ある日、村人は水薬を混ぜたコーヒーを少女に飲ませました。
 すると娘に成人しました。
 背に美しい蝶の翅が生えました。
 娘は喜びました。
昔々、あるところに男がおりました。
 男はいつも涙で濡れた瞳をしておりました。
 どうしても朝、起きることが出来ないのです。
 自己暗示をかけ続けても無駄でした。
 そんな男の前に妻にしてくれと娘が現れました。
 男は二つ返事です。
 妻が「おはよう」と起こしてくれると目覚められました
「これでサヨナラだね」
 相方が言った。
 ずいぶん長いこと一緒にいた相手だったから、寂しさで涙が零れた。
「笑って。笑顔で見送って欲しいんだ」
 相方の言葉も守れやしない私は泣き笑い顔を向けた。
「ありがとう」
 その言葉と共に、紙吹雪のように相方は虚構世界から消えた。
今日は幼なじみとお出かけ。
 いつもは塗らないリップグロスを唇にのせた。
 新品のキャミソールにミニスカート。
 自分では女子力UPしたつもり。
 それなのに、彼の視線は街行く可愛い女の子を行ったり来たりしている。
 せっかくおめかししたのに悔しい。
 次こそ視線を独占するんだから。
はぐれた、と思った時には、もう遅かった。
 道なき道を歩いていたのだ。
 無我夢中で道に戻ろうとするものの、目印になるようなものがなかった。
 これでは地図とコンパスがあっても役に立たない。
 気がつけば幼馴染の名前を呼んで大声で泣いていた。
「よ。心配かけたな。無事で良かった」
梅雨明けしたものの曇り空が広がった日曜日。
 海が見たいという彼女の願いを叶えるため、電車で1時間の距離の海に来た。
 その願いは氷山の一角で、次はアイスが食べたいと言った。
 勿論、彼女の願いだ。
 叶えてやった。
 きわどいカエルカラーの水着の彼女は、アイス片手に海へ走っ行った
研究員仲間には役には立たない、夢を見過ぎているとフルボッコされた液体化されたレアメタルで満ちたフラスコを大切に抱えなおす。
 螺旋階段を一段一段登っていく。
 不安と期待で揺れる。
 フラスコの中の液体も揺れる。
 屋上まで登ると、そよ風が吹いていた。
 フラスコの中身を開けた。
研究者が発見するまで忘れられた図書館があった。
 本棚は傾き、本は雪崩れるままになっていた。
 本は虫食いも多く、時間の経過を研究者は憎んだ。
 研究者は毎日、図書館に通い無事な本を掘り起こした。
 修復可能なものは修復もした。
 それがこの図書館さ。
 今日は開館日。
 さあお手を拝借。
朝から届くプレゼントで部屋一室が埋まった。
 誕生日を迎えた少女は不満気味だった。
 今日が誕生日だということは前もって知らせてある。
 それなのに、欲しい人からのプレゼントは一つもない。
 山のように積み重ねられた箱を見上げながら、ぎゅっと手を握りしめる。
 口がへの字になった。
水晶の瞳を持った機械人形は、今日も微笑む。
 彼女のかつての主人が望んだように完璧な微笑みだった。
 主人が亡くなった今も、水晶は曇らず輝いている。
 定期的にメンテナンスに来ている機械工は、それに満足する。
 機械人形は機械工に紅茶を淹れる。
 紅茶は機械工が持参したものだ。
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