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「 140文字の物語 」
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緑が濃い雑木林を二人で歩く。
 時折風が吹いて、肌に触れていくのが気持ちいい。
 前回、来たときは雪が降っていた。しんしん降る雪の中、言葉少なに散策した。
 時間が流れる速度は、早い。次、来るときは秋にしようと思った。
 広葉樹林が多い雑木林だから、紅葉が見られるだろう。
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「愛してください」と人形は繰り返し言う。
 それ以外の言葉は忘れ去ったかのように、「愛してください」と鎌を持った人形が近づいてくる。
 俺は太刀を引き抜くと人形の切る。
 人形はなおも「愛してください」と言いながら壊れていった。
 俺は細工をした奴を許せない。
 怒り狂った細工師を
城塞都市では手に入らない物は一つもないという。
 若者たちが集まるクラブでは合法ドラッグが流行っていた。
 目まぐるしいトリップの感覚が病みつきになる。
 幻覚に酔いしれながら一夜の恋人と共に、ベットの中で踊る。
 弾む息に重なる鼓動。
 合法ドラッグは良い夢を見させてくれる。
当代一と言われる人形師が造った最高傑作の人形を依頼人は受け取らなかった。
 今にも動きそうな人形にある種の恐怖を感じたからだった。
 人形師もそれを感じていたので、人形は倉庫に仕舞われることとなった。
 魂を持たぬ身ゆえに不満という感情を宿さなかったのは幸いなことだった。
空を染めるというのは、骨の折れる作業だ。
 夏の晴れた日だからと言って、単調なブルーに染め上げたら、染物師として失格だ。
 サファイアのようなキラリとした鉱物を混ぜ込むのが定番だ。
 弟子が作った染物用の窯に修正を入れる。
 夕方は染物師の腕の見せ所だ。
 今日の夕焼け空は傑作だ。
トイレの個室には入ってる時間は池のように穏やかに過ごしたいものだ。
 それなのにトントンと10秒おきにノックする奴がいる。
 最悪のトイレタイムになった。
 開けると掃除用ロボットが立っていた。
 俺はゆっくりと個室から出る。
 代わりばんこのようにロボットがトイレの個室に入る。
第二子出産のため、妻が里帰りをした。
 それは構わないのだが、幼児の長男を残して行ったのが問題だった。
 あまり自由の利く職場ではない。
 仕事中は長男を託児所に預けることにした。
 近所にアメンボという託児所があった。
「緊急連絡先はこちらで」
 と俺は名刺を差し出した。
彼女と暁の明星を見ようとマンションの階段を登った。
 空は曇りがちで観測には不向きだったが、彼女は納得しているようだった。
「あ、流れ星」
 彼女が言った。慌てて空を見たが、朝とも夜ともつかない空に、それはなかった。
「欲しいものでも願った?」
 彼女に訊くと、頬を染めて頷いた
涼しくなってきたからランニングも楽になってきた。
「おい、これ紅葉してないか?」
 部活仲間が声を掛けてきた。
 校庭に植えられた一部の木が赤く染まっていた。
 異常気象だとこの夏も言われたが、無事に秋が来ている。
「そうだな」
 俺は短く答えた。
「もみじなんて植わっていたんだな」
A4の紙を折って、冊子状にして、ホチキスで止める。
 それを30部作る。
 次の委員会までに必要だから、そんな急ぎの仕事ではない。
 それなのに放課後、一人残ってまで作業をしているのは、好きな人に頼まれた仕事だったからだ。
 誰にでもできる簡単な仕事だけど、頼まれたことが嬉しい
深海色の瞳が俺を見る。両親をいっぺんに失った少女は、無表情だった。
 少女は俺の手を取ると、手のひらにキスを落とした。
 手のひらのキスは懇願。
「あなたまでいなくならないでね」
 不安げに少女は言った。
「最期まで看取ってやるよ」
 俺は少女の小さな手の甲にキスをして、誓う。
1F南階段にある最初のトイレの個室には魔女がいて、用を足すときに音を立てると、姿を現す。
 願い事を一つ叶える代わりに、寿命を1年分取られるそうだ。
 そんなことも忘れて、俺は我慢できない欲求を満たしてしまった。
 学園七不思議は本物だったらしい。
 魔女が「願い事は何」と訊く
「懐かしくね」
 と戦友が取り出してきたのは、
 プラスチックの容器。
 容器は子供が好きそうな蛍光グリーンに染色されていた。
 容器からストローを取り出して戦友は吹く。
 虹色のシャボン玉が空へと舞いあがっていく。
「それ、どうしたんだよ」
 と俺は訊いた。
「拾った」
 と戦友は目を細めた
死神の鎌のような月が輝く神秘的な夜だった。
 在りし日の記憶が聞こえる。
 懐かしい日々だった、と言えるような日常だった。
 心の一番柔らかい場所に焼きついて忘れることなんて出来やしない。
 明日が来るまでの時間、想い出を振り返るのも悪くないと思った。
 夜風に揺れる花のように。
ひらりと目の前を揚羽蝶が横ぎった。
 一匹ではなく、二匹、三匹と群れを成している。
 幻想的な雰囲気に思わず揚羽蝶に手を伸ばす。
 すると私の背にも蝶の翅が生えた。
 気がついたら蝶の群れと一緒に飛んでいた。
 夢だとしても不思議な体験に、心が躍る。
 重力から解き放たれて快感だった。
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