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「 140文字の物語 」
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部屋の中には大量のぬいぐるみ。
 どれもが丁寧にリボンがつけられている。
 リボンには名前が刺繍されていた。
 青年は一つ手に取るとゆがんだ剣で一閃する。
 ぬいぐるみはじたばたと動いてから止まった。
 部屋に閉じ込められていた少女は、もうここにはいない。
 また間に合わなかったのだ。
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日が沈んだのを合図に裁縫師はランプに火を灯した。
 頼まれていたドレスもボタンをつければ完成だ。
 黙々とボタンつけをする。
 これを身に纏うのはどんな少女なんだろう。
 幸せになるといいな。とランプに語りかける。
 ランプも擬人化できたら良いのにと少し残念に思う。
 語り相手が欲しい
エメラルドの海が広がっている。
 青年は直射日光によろめくが諦めないで走り出した。
 白いワンピース姿の少女は砂浜を全力疾走している。
 どうにか青年は少女の手首を捕まえる。
「捕まえた!」
 青年の言葉に少女は頬を染める。
 二人揃って息切れしてその場に座り込む。
 お互い微笑みあう。
学校の屋上には幽霊が出る。
 いや宇宙人が来訪する。
 と噂に事欠かない。地学部部員の彼は全否定する。
 一般生徒が立ち入り禁止の中、地学部部員だけは部活動の一環で夜の屋上に上がれるのだ。
 双眼鏡や天体望遠鏡で星空を観察するのだ。
「部活動の見学者として見に来る?」
 と彼が尋ねた
薬缶を火にかける。
 ポットには茶葉をスプーン三杯分入れる。
 水が沸騰するまでの時間ふと不思議に思った。
 夜更けに紅茶を飲むのは、一人暮らしするようになってからの習慣だ。
 実家暮らしの時はカフェインを取り過ぎだと夕方以降飲ませてもらえなかった。
 これが大人になるということか
いたずらな指先が輪郭をなぞる。
 くすぐったくなって身をよじるが、指先は執拗になぞる。
 慈悲はないらしい。
 頬をなぞり、そのまま顎まで辿り着き、親指が唇をなぞる。
「キスの方がいいかい?」
 と意地悪な問いかけをしてくる。
 私は首を横にも縦にも振れずに困ってしまう。
 指先はなぞる
広い陸地を愛犬が走ってくる。
 それを抱きとめながら、使用人が走ってくるのを待つ。
「お帰りなさいませ、お嬢様」
 彼は慇懃に礼をする。
「みんな元気?」
 と手荷物を彼を渡す。
 私の後を犬がついてくる。
「はい、おかげさまで」
 彼の視線が不安定に揺れる。
 きわどい主従関係がまた始まる
背伸びしすぎだとフルボッコされた楽譜を奏でる。
 緊張しながら弓を弦に走らせる。
 速度に気をつけなければと、より硬くなる。
 舞台の上では誰もが独りきりだ。誰も助けてくれない。
 演奏がバラバラになっていくのが分かる。
 あともう少しで弾き終わる。
 それまで持ってほしい。
 あと少し。
シルクハットの中から、色とりどりの花が溢れ出す。
 紙テープが飛び散る。
 シルクハットの中から次々と出てくる。
 最後に出てきたのはブリキ製のねこ。
 ステッキでこつんと叩くと生きているみたいに動き出す。
 シルクハットの中には宇宙が詰まっていると、そんな気がする。
長かった日も短くなってきた。
 帰り道に伸びる影も長くなってきた。
 太陽はジリジリとアスファルトを灼きながら、空に溶けていこうとしている。
 夏休みももうすぐ終わろうとしていた。
 夏虫が鳴いているのが仄かに切ない。
 去年も見送った夏を今年も見送ろうとしていた。
 それが哀しい。
どこまでも広がる宇宙空間に漂っていた。
 船とつながっているコードが切れた。
 酸素の残量が少ないことをシグナルがレッドが点滅して知らせる。
 船との信号も途切れ途切れになる。
 すぐそこには死の空間が待っていた。
 手段がなく打ちのめされる。
 死を覚悟した瞬間目を覚ます。
 悪夢だった
朝っぱらからの仕事は気が乗らない。
 いわくつきの伝説の小学校だから余計だ。
「頑張ってください、マスター」
 AIが言う。
 ぐにゃりと曲がって、原型を留めていない机の残骸を素通りして、奥へと向かう。
 進めば進むほど奇妙な物が増えていく。
「帰りたいな」
 と思わず本音が出た。
おろしたての赤いサンダルでスキップ。
 今日は星占いで一位だった。
 あの予測変換は愛してる。
 たの予測変換は大好き。
 今日の天気予報は晴れ。
 早く彼に会いたくて、気持ちが急く。
 待ち合わせ場所は駅前の噴水前。
 待ち合わせの5分前だったけど、彼はいた。
 大きく手を振りながら近づく。
十年ぶりに訪れた街は懐かしい。
 まだ子供だったから郵便局までの道のりが長く感じたものだったと追憶する。
 ふと違和感を感じる。
 郵便局までの道は真っ直ぐで迷う要素はないのに、辿り着かない。
 心に湧いた恐怖心と戦う。
 冷静になれと自分を叱咤するけれども、恐怖から逃げ切れない。
夏休みの太陽は光が強すぎて幻覚を起こしそうになる。
 風鈴の音が一斉に鳴って夢へと誘う。
 横たわっているだけで汗がにじむ。
 扇風機の風が気持ちが良い。
 眠りに落ちていこうとしていたところをゆすられた。
 目を開けたら親友の姿があった。
「今日は川に行こう」
 と日に焼けた笑顔が言う
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