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「 140文字の物語 」
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春になるということは学年が上がり、クラス替えがあるということだ。
 神様は私に微笑んでくれた。
 斎藤君と一緒のクラスにしてくれた。
 これで一年間、斎藤君を身近で眺められる。
 一学期早々に席替えがあった。
 斎藤君の隣の席になった。
 自分に超能力が身についたのかもしれないと思った
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どんなコンディショナーやヘアパックを使用しても、髪のパサつきを抑えられない。
 ドラッグストアで新商品を見つける。
 これならしっとりとした髪になれるだろうか。
 裏面の成分表を見ながら悩む。
「それお勧めですよ」
 店員のお姉さんが言った。
 私は感謝しながら、レジに向かった。
生まれて初めてデジタルカメラというものを購入した。
 携帯電話のカメラ機能では満足できなくなってきたから、購入に踏み切った。
 散々、悩んで買ったのは深紅のボディのデジカメだった。
 ネットでの評判は悪くない。
 私は記念すべき一枚目の被写体を探した。
 テーブルの上のミカンを写す
南の方角にタンスを置く。
 今日は部屋の模様替えだ。
 新しく住人が増える前に不用品は捨ててしまわないといけない。
 俺は汗をかきながら、選別作業にあたる。
 高校のアルバムが出てきた。
 ゆがんだ高校生活をおくった割に楽しい記憶が多いのは、新しい住人こと彼女がいたおかげだろう。
布地を見ながら私は溜息をついた。
 これを明日までにエプロンにしなければならない。
 家庭科の宿題だ。
 不器用さと要領の悪さでエプロンは裁断されたままで縫いの作業に移れていない。
「針さん擬人化してくれませんか?」
 そしてチクチク縫って欲しい。
 家庭科の先生のペナルティが怖い。
泣きたい気分の時は彼の部屋を訪ねる。
 彼は何も言わず両腕で抱きしめてくれる。
 偽りの優しさでもかまわない。
 この暖かさが涙には必要なのだ。
 意地っ張りな私が唯一泣ける場所は、彼の腕の中だけなのだから。
 私は今日あったことを告げながら泣く。
「もう大丈夫だよ」
 と彼は背を撫でる
体育祭は縦割りで青組になった。
 一学年上の恋人も同じ青組だった。
 今年の青組は運動部所属している人が多くて、優勝候補だった。
 恋人もバスケ部に所属している。
 メドレーリレーのアンカーの彼がポジションにつく。
 バトンは緑組と同時に渡された。
 校庭を走る恋人を夢中で応援した。
彼が私の髪を撫でる。
 その手はゆっくりと頬をふれる。
 大きくて暖かい手に包まれる。
 優しい抱擁から口づけに移る。
 ふれるだけの軽い口づけに、心配になる。
 彼の心をいつまで束縛できるのか。
 私を魅力的に思ってくれるのか。
 心配が私を大胆にする。
 今、この瞬間が永遠になればいいのに
幼少の頃から薔薇と共に育ってきた。
 家には広大な薔薇園があって、季節には毎日切りたての薔薇が部屋に飾られた。
 両親がいなくても優しいおじさまが不足なく育ててくれたので、寂しいと思ったことはなかった。
 もうすぐ二十歳の誕生日が来る。
 おじさまから別れの言葉を聞きたくない。
たまたまつけていたTVで老婆が見事な鉄棒技を披露していた。
 華麗な技の連続で、運動が苦手な私はほーっと溜息をついた。
 TVの老婆の半分以下の年齢だけど、前回りぐらいしかできない。
 グラスの中の麦茶を一呼吸で飲む。
 TV消し台所にグラスを持っていく。
 まずは皿洗いからだ。
穏やかな昼過ぎは瞬きのごとく走り去った。
「話、聞いていた?」
「勿論」
「じゃあ、どうすればいいと思う?」
 答えられなかった。
「やっぱり聞いてないんじゃない」
 彼女は走り出した。
「いいぞ!」
 と外野が煽る。
 僕は彼女を追いかける。
 体育館倉庫に閉じこもった彼女に
「出ておいで」
今日は良い夢を見た。
 憧れの君こと斎藤君が出てきて、夏祭りを楽しんだのだ。
 それを正夢にすべく、私は浴衣を着る。
 夏祭りの時ぐらいしか袖を通すことのない浴衣だ。
 夢の中と同じ朝顔柄の浴衣に茜色の帯を締める。
 制汗スプレーはフローラルな物を選んだ。
 どうか正夢になりますように
目の前で傷ついていく彼女を見るだけしかできなかった。
 どんなに傍にいても、彼女の視線に入ることができなかったからだ。
 それは自分の無力さが原因だった。
 大人になれば違うのだろうかと茫洋と思ったものだった。
 やっと彼女は自分に振り返ってくれた。
 満身創痍な彼女を抱きしめる
夏の狭間。
 炎天下で眩暈を起こしそうなくらい太陽はじりじりと空気を焦がす。
 吸い込んだ空気が暑い。
 少女はスタートラインに立つ。
 十分に足をほぐす。
「位置について」の言葉に両手の指を地面につける。
 スタートの合図で、200メートルトラックを走り出す。
 タイムだけが気になる。
テレビに映っていたおもちゃが気になって、サイトを見た。
 彼も覗き込んできた。
「こんな物が欲しいのか?」
 と彼が訊く。
「よく飛ぶ紙飛行機だって」
 数日後、型紙が届いた。
 私は作って彼に見せようとした。
 彼も紙飛行機を持っていた。
 冷酷な才能だ。
 彼の紙飛行機の方がよく飛んだ。
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