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「 140文字の物語 」
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私はいわゆる普通の子だ。
 アンケートで大多数に入ってしまうような、どこにでもいるような子だ。
 長い物には巻かれろ精神だし、日和見主義だと言われればそうだと頷く。
 そんな私でも誰かの特別になってみたいのだ。
 小さな憧れを解って欲しい。
 新しい自分になれそうな気がするのだ。
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彼は所有欲が薄いから、贈り物を選ぶのは毎回、苦戦する。
 欲しいと思うこと自体、珍しいし、欲しい物は自分で買ってしまう。
 もうすぐ彼の誕生日が来る。
 今年は何を贈れば喜んでくれるだろうか。
 迷いに迷って、世界に一つだけのバースデーケーキを愛をこめて焼くことにした。
幼なじみの渾名は「いてつくメガネ」。
 感情表現が少ないからついた渾名だった。
 私は知っている。
 幼なじみが冷たい人間じゃないことを。
 今もPSPで動物の動画を見て、ニコニコしている。
 打ち解けた人間にしか笑顔を見せない。
 幼なじみの笑顔を独り占めにできるのは嬉しいけれど。
最近、体重が気になる。
 ダイエットを始めようと思った。
 まずは難易度が低い腹筋と背筋と軽いストレッチから始めた。
 翌日、見事に筋肉痛になった。
 ネックレスを首にかけるだけでも、筋肉が悲鳴を上げる。
 普段、運動不足だということが分かる。
 今日も同じメニューをこなそうと思った。
スーパーボールが弾け飛ぶ。
 クラッカーが鳴り、パレードの始まりだ。
 ふわりと帽子が飛んできた。
 僕はそれをキャッチする。
 道路を挟んだ向かい側に困り顔の少女がいた。
 帽子の持ち主だろう。
 パレードが通り過ぎるのを待って、帽子を届ける。
 どこかで会っている。
 そんな気がする。
夕方のプラネタリウムは恋人同士で満席だった。
 私たちもその一組だ。
 席が離れるのが嫌で、続いて座る。
 休み明けにある試験のことは忘れて、プラネタリウムに夢中になる。
 都会を離れた星空は神秘的だった。
 解説を頼りに、星座を作る。
 今度、夜空を見上げた時に星を繋げられるように。
電車にがたんごとんと揺られる。
 先ほどから腕が触れ合ったり、離れたりを繰り返していた。
 彼女は上目づかいで、指が折れんばかりに握ってきた。
 微かな震えが伝わってくる。
 俺は大丈夫の意味を込めて、優しく握り返してやる。
 新しい場所に行くのに、緊張しているのだろう。
ホテルに泊まったのは初めての経験だった。
 修学旅行の部屋割りは結構自由に決めることが出来て、部活仲間と同じ部屋を希望した。
 部活仲間は鍵を施錠する。
「これで密室だね」と笑う。
「名探偵がいないとミステリーにもならないよ」
「君の死を無駄にしないよ」と悪乗りする。
雨が降ったことは仕方がない。
 それでデートコースが変更になってしまったのも、仕方がないことだった。
 水族館の後にプラネタリウムを見ることになった。
 ネオンのせいで見られない星が見えることだけでも感動だった。
 宇宙の中でふわふわと浮いているような感じがして気持ち良かった。
紫色のシックなワンピースを見つめる。
 自分に似合うだろうか。
 ちょっと背伸びをし過ぎだろうか。
 私の視線に気がついたのか店員が寄ってきた。
「よろしければ試着なさいますか?
 きっとお似合いですよ」
 店員の言葉に流されるように試着してみた。
 思ったよりも似合っていた。
炎に包まれた戦場を死神の異名を持つ剣士が、ぼんやりと眺めていた。
 敵はよく持った方だと思う。
 負け戦だと解っていながら挑んできた勇気は褒めてやっても良い。
「見つけたぞ!死神め」兵士が矛を掲げて走ってきた。
 剣士は最高の剣でそれを受け流しついでに、がらんどうな胴体を斬る
時計を見るともう8時を回っていた。
 夫が帰ってきてしまう。
 包丁でキャベツを刻みながら、焦る。
 専業主婦になって彼の仕事の支えになるのは夢だったのだが、生来のずぼらさがいかんなく発揮され上手くいった試しがない。
 晩御飯を作るので、手一杯だ。
 沸騰しかけた味噌汁の火を止める
仮面舞踏会。
 贅を凝らしたマスクで唇しか見えない。
「私と踊ってくださる?」果敢な誘いに僕は受ける。
 白い手袋越しに伝わってくる体温に、酔いが回りそうだった。
 婦人の唇には笑みが刻まれていた。
 ここで巡り合ったのも何かの縁だ。
 この手を放したくない。
 夜明けまで踊っていたい。
まだ気温が上がってこない朝だからか、動物たちも元気に動いている姿を見ることが出来た。
 うろちょろと見て回る私に業を煮やしたのか、彼が腕をつかむ。
「感情線薄いな。恋愛ごとが上手くいかない」
「え?」
「嘘だよ」
「もう」腕を振りほどく。
 彼が飴を投げてよこした。
「ごめん」
好きな人へ声を掛けるのは、とても勇気のいることだった。
 泣きそうになりながら、両手を軽く握る。
「県大会、頑張ってください。応援しています」
 完全に上ずった声になってしまった。
 何度も頭の中でシミュレーションしたのに、心臓がドキドキして、目がグルグルと回っている。
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