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「 140文字の物語 」
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そろそろコートを出さなきゃと思いながら、首にマフラーを巻く。
 息が白い。
 今年は暖冬だと聞いていたけれど、12月にもなると寒い。
 電車を乗り換え、彼と合流する。
 彼は優しく、指先を握り締める。
「冷たいね」と彼は微笑んだ。
「すぐに暖かくなるよ」と私も微笑んだ。
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修学旅行先の宿はホテルだった。
 2名1室のホテルに泊まるなんて、初めての経験だったから、緊張してなかなか寝付けられなかった。
 浅い眠りの繰り返しの中で鯨になる夢を見た。
 大海を泳ぐのは心地良い感覚だった。
 自由にどこまでもいけるような気がした。
 大きな口で海水を飲み込む。
今日は快晴。
 中秋の名月の翌日。
 十六夜が空を明るく照らしていた。
 星がまばらに見える。
 草むらから鈴虫の鳴き声が聞こえてくる。
 半袖では肌寒かった。
 カーディガンを羽織ってくれば良かったと後悔する。
 夜空の先には何が待っているのだろうか。
 過ぎ去った夏を懐かしみながら考える。
テーブルの上には解きかけのナンバープレースの雑誌が乗っていた。
 数字が並んでおり、パズルに疎い私には、訳の分からない物だった。
 ほんの数分前まで、楽しそうに解いていた人物は今頃病院に着いただろうか。
 急に痛みを訴えて倒れた。
 大丈夫だろうか。
 不安と悲しみが襲ってきた。
湖のほとりに建つ中学校は、悪の中学校なのだという。
 日本中から集めた悪の中学生が在籍しているらしい。
 籍だけで実際に通っているのは者は半数に満たないらしい。
 洗濯物を入れたタライを抱えながら、壮麗な建物を見上げる。
 上流階級の子女が通っていそうな建物なのに意外な気がした
最近ではロボットと人間の区別がつかなくなってきた。
 街を歩く人々の半数がロボットだという。
 人間よりの人間らしい彼らの立ち振る舞いを間近で見ると感動が湧いてくる。
 ロボットと人間の区別はお茶を飲んでみれば分かる。
 味覚が未対応なのだ。
 水を飲むのとお茶を飲むのが同じなのだ
はた迷惑な幼なじみに連れられて、心霊スポットにやってきた。
 霊感などないからここだと言われれば納得する。
 空はどんよりしていて、肌寒い。
 何かが現れそうな気配がした。
 霧が出てきて視界が失われていく。
 すんでところで幼なじみを見失いそうになるところだった。
 心臓が早鐘を打つ
夜のジムで汗をかいた。
 シャワールームに行く途中で、ふと気になって携帯電話を開く。
 今夜の約束を破る文面が並んでいた。
 今日も残業らしい。
 デートを楽しみにしていたが仕方がない。
 体調を気遣う返信して携帯を閉じる。
 シャワーを浴びながら、今日はカフェで紅茶を飲もうと思った。
今日は付き合って1年目記念日。
 私から告白をして、OKを貰った日だった。
 特別な日だったからめいっぱいオシャレをしてデートに向かった。
 彼はいつもと同じラフなスタイルだった。
 私はできるだけさりげなく、彼の両手のひらにしがみついた。
 両手がふさがった彼は微苦笑した。
テニス部の彼は文武両道を地で行くタイプで、女子に人気があった。
 告白は年がら年中受けていて、振った女の数は両手両足をつかっても数えられないほどだという。
 私も例にもれず、彼に恋する女子の一人だった。
 彼が女子を振ったと聞く度に安堵していた。
 私は手紙を下駄箱に入れた。
日本人にしては色素の薄い虹彩のため、外出するときはサングラスが必須だった。
 空を見上げると、それでも眩しい太陽が見えた。
 今日は初デートだ。
 可愛い感じのワンピースを選んだ。
 サングラスと違和感があるような気がしたけれど、着たかったのだ。
 彼がやってきた。
 私ははにかむ。
かっぱらいから始めて、悪いことは何でもやってきた。
 悪の流れの通りだ。
 今日はとうとう殺人に手を染めようとしていた。
 毒薬を井戸の中に放り込んだ。
 僅かでも井戸水を飲んだ者は死ぬだろう。
 来世は昆虫にでも生まれ変わるのだろうか。
 いったいどうしてこんなことになったのだろうか
服のボタンが取れかかっていた。
 針箱を出して、縫いつける。
 色はボタンに合わせて赤色。
 勇気のしるし。
 赤いポロシャツを着ると自信が湧いてきた。
 だから取って置きの時は、この服を着た。
 夏ももう終わりだ。
 もう袖を通すことはないだろう。
 感謝の気持ちを込めてボタンをつける。
夕方の路地裏で猫を探していた。
 ここにもいない。飼い猫が家出をしてから1週間。
 迷子になって帰ってこれないのだろうと思って、時間を見つけては探している。
 路地裏を出るとクラスメイトに出くわした。
「何しているの?」と訊ねられた。
 秘密にしておくようなことではないか、と話す
真新しい制服に身を包む。
 今日から高校生だ。
 新生活に思いを馳せながら階段を下りていく。
「忘れ物はない?」母が尋ねる。
「大丈夫。行ってきます」玄関を出ると幼なじみがいた。
 同じ高校の制服が朝日の中で新鮮に映った。
 幼なじみが遠慮がちに、指先にしがみつく。
 微かに震えていた
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