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「 140文字の物語 」
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学校からの帰り道、影が長く伸びている。
 さっきから心拍数が上がっていく。
 夕方人気のない道を見知らぬ人につけられているのだ。
 いわゆる変質者だろうか。
 それなら腕に覚えがあるから、やり過ごすことが出来る。
 それ以外の可能性。
 つけてくる人物が魔術師だった場合、状況は一変する
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部屋は静寂に包まれていた。足音を忍ばせながら、ダブルベットに近づく。
 ベットで一人寝する女性は健やかな寝息をたてていた。
 ほっと一息つく。
 ガチガチだった肩も撫でおろされた。
 妻が心配で一便早い飛行機に乗って帰ってきてしまった。
 安心したら急に眠気が襲ってきた。
 欠伸が出た
真っ白な封筒に真っ白な便箋にブルーブラックのインクで書かれた手紙が届いた。
 ここ十数年変わらないスタイルの手紙だった。
 瞳が文字を追いかける。
 次第に文字が霞んできた。
 手紙の文章は、もう自分は長くないこと、遺産を受け取って欲しいこと、出会えて嬉しかったことを綴っていた
少年は最年少の世界調律師だった。
 乱れた音を整えて、世界をあるべき姿にする。
 少年には一切の妥協がなかった。学園の中でも浮いて見えた。
 少年の冷酷さが物語の主人公のようだったからだ。
 安易に近づけば自分が傷つけられる。
 少年は悪行はどんな小さな悪行であっても裁いたからだ。
机の上には、ランプに照らし出された鉱物と薬草と青い液体の入ったフラスコが並んでいた。
 今日の課題の難易度は低い方だ。
 それなのにさっきから失敗続きだ。
 そもそも宿題になったのだって授業中に完成できなかったからだ。
 才能ないのかなぁと、背伸びをしてからためいきを一つつく。
背筋が凍る程の晧い月が天頂で輝いていた。
 吹き荒ぶ風の中、男は橋のたもとにやってきた。
 約束の刻限まであとわずか。
 娘はやってきてくれるだろうか。
 明るい月が男の思考を惑わせる。
 このまま木になってしまうのだろうか、と栓の無きことを考える。
 全ては気のせいで娘が走ってきた。
「わースゴい!」ホテルの窓から夜景を楽しむ。
 街の明かりが宝石みたいでキラキラと輝いていた。
 彼はグラス片手に隣にやってくると、頭を撫でる。
「子供扱いしないでよ」と彼のグラスをひったくり、飲み干す。
 アルコールが喉を通っていく。
「気に入ったか?」彼は確認する。
 私は頷く
「これから話すことは、誰にも話さないでくれる?」少女は独白に近い形で言った。
 ぎこちなく俺の両手のひらに触れる。
 ヒンヤリとした指先にドキリっとした。
 少女は過去を紡いでいく。
 両親に捨てられたことから始まって、今までの生きてきた足跡を語る。
 俺は黙って耳を澄ます。
今日は部活仲間とレストランに来た。
 レストランといっても家族連れが来るようなカジュアルな雰囲気なレストランだ。
「俺、超能力に目覚めたかもしれない」と動揺を隠せない様子で言った。
 彼はフォークの柄を曲げて見せた。
 拍手喝采が起きる。
「嫌わないでくれるのか?」彼は言った。
「ねえ、一つ質問しても良い?」少女は恋人に訊ねた。
「本当に一つだけですか?もう一つ質問したくなったりしませんか?」
「大丈夫。質問は一つだけだよ」少女は言った。
「私のこと好き?」他のことは知りたくない。
「一番大好きですよ」恋人は言った。
 それだけで充分幸福になった。
吐く息が白くなる季節。
 子供たちが夢を見ながら、靴下にお祈りする夜がやってきた。
 一軒一軒、子供のいる家に訪れる。
 靴下には飛び切りの贈り物を入れる。
 翌朝、目覚めた子供が喜び顔を想像すれば、この重労働も霞むというもの。
 時間は限られている。
 寒さの中、休む間もなく出発する
井戸の側に桜色の蛇がうずくまっていていました。
 男は井戸から水を汲みあげ、蛇に水をかけてやりました。
 すると蛇は身をくねらせて、山の方に逃げていきました。
 その日の晩、男の前に桜色の髪の娘がやってきました。
 娘は男の妻になりたいと言いました。
 蛇と人間、先例のない関係です
お取り寄せで極上ショコラケーキを買った。
 携帯をマナーモードにして、カーテンを閉め切り、蝋燭に火を灯す。
 揺らぐ炎に照らされたケーキは風格があった。
 自己暗示かもしれないが高級うレストランで食す気分になった。
 ケーキを口に運ぶ。
 味覚が総動員して、美味しさを伝える。
西日が部屋に入ってきて、辺りを明るく照らし出していた。
 夕方の部屋に二人きりなのだが、彼女の用件はそんな色っぽいものではない。
 彼女は本棚を一生懸命に見ている。
 その脇腹をくすぐる。
 身をよじりながら彼女は距離を開ける。
「邪魔しないでよ」と言いながら、本捜しを続ける。
「おはよう」挨拶の時点で、機嫌が悪いのが分かった。
 彼女は怒り顔で、腕を折れんばかりに握ってきた。
「おはよう」無難に挨拶を返した。
「メール、無視したでしょ」彼女は言った。
 慌てて携帯電話を見るとメールと不在着信が画面に知らされていた。
「ゴメン、気がつかなかった」
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