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「 140文字の物語 」
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緑色の狼さんがいたので、娘は「どうして緑色なの?」と訊ねました。
「ここの女王様は緑色がお好きなのさ。
 だから俺も緑色になって気に入られるようにしただけさ」と狼さんは答えました。
 おかしな世界でした。
 目に映る物はみんな緑色をしていました。
 娘だけ緑色をしていませんでした
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わずかだけど謝礼を出すから、という言葉に乗せられて絵画教室のモデルになることになった。
 半裸になって生徒たちの前に立つのは緊張した。
 自分は最高のモデルなんだ、と自己暗示をかける。
 そうしなければ恥ずかしくて逃げ出したくなるポーズを何通りもする。
 翌日、筋肉痛になった。
雷轟く海岸線に両者、相対した。
 どちらも刀を抜いたまま動かない。
 雷は激しく両者を彩る。
 年若い方がじれて刀を上段から振るった。
 壮年の男はそれを受け流す。
 受け流された刀は背面を狙う。
 壮年の男は避ける。
 海がゴーッと鳴った。
 高波がやってきて二人を飲みこむ。
 ここで終わり。
朝夕の冷え込みがキツい季節になった。
 吐く息も白くて、寒さを彩る。
 こんな寒い日なのに、手袋を家に忘れてきてしまったのはドジの一言ではすまない。
 もちろんホッカイロなんてものはない。
 通学途中で同級生と合流する。
「手、真っ赤だね」と彼は言う。
 仕方なく、指を触れ合わせる。
今日も音楽室は貸切だった。
 友達がピアノを弾いていた。
 曲名は分からない。クラシックの一つなんだろうな、その程度の知識しか持ち合わせていない自分が友達の演奏を独り占めしていていいのだろうか、とたまに思う。
 友達の横顔をスケッチする。
 友達の夢が音楽家なら、私の夢は画家だ
煙草に似た薬に火をつける。吸引しているうちに景色が変わってくる。
 光が乱反射して、マンダラのような景色が回っていく。
 蠅のような虫が視界に飛んでいて邪魔だった。
 振り払っても振り払ってもついてきて気持ち悪い。
 今日はバッドトリップしたようだった。
 少しも楽しめない。
口唇と体が重なっている。
 ごく自然に、体温が混ざり合うほど。
 吐息が漏れる。
 それが肌をくすぐり、思わず笑ってしまう。
 指と指を絡めあう。
 二人はバラバラな人間なのに、こうしていると一つの個体になってしまったかのような気がしてくる。
 もっと一緒になりたいと体の奥が疼く。
季節は概念的なものになってからはや一世紀。
 季節の移り変わりは忘れ去られようとしていた。
 季節はそれぞれの船で楽しむものになっていた。
 一年中、夏の船に乗船した。
 息を飲む。
 薄着の女性たちが海辺で自然にくつろいでいた。
 夏の船は魅惑的な存在だった。
 人気が出るのも分かる。
屋台巡りをしていると、ツンツンと服を引っ張られた。
 振り返ると幼児が服の裾を握っていた。
 これは困ったことになった。
 チエックの柄のシャツにGパンに大きなリックサックという秋葉系の格好の男と幼児の組み合わせは、非常にまずい。
 頭痛がしてきた。
 早くこの幼児から逃げなければ
眠そうな生贄が魔法陣の中で横たわっている。
 儀式は粛々と進む。
 魔法陣に魔力が溜まっていくのが分かる。
 生贄が目覚めて「これは何だ!」と叫ぶ。
 ロープできつく巻き上げられた生贄には逃げる道はない。
 それでも生贄は逃げようとする。
 「どうしたの?」と仲間に声をかけられた。
早朝のジムで汗をかいてから、出勤した。
 机の上には気になっていた新作ゲームがメモと共に置かれていた。
 「誕生日、おめでとう」と癖のある文字のおかげで犯人は特定できた。
 愛されているなとこういう瞬間、強く思う。
 今日はお気に入りの居酒屋に連れて行こうと決心した。
枯葉舞う季節だったから、それは秋のことだった。
 幼なじみに呼び出された。
 日中はそれなりに暑いが日が落ちると途端に寒さが忍び寄ってくる。
 用件が早く終わらないかと思っていた。
「今まで隠していてゴメン。
 僕、宇宙人なんだ。
 これから故郷に帰るんだ。今までありがとう」と言った
自分専用の化粧品を揃えたのは、ずいぶんと歳を取ってからだった。
 それまで姉と共有してきた。
 自分専用の口紅を唇にのせる。
 ちょっと力を込めて唇をなぞる。
 綺麗な紅に唇が染まる。
 ティッシュで余計な紅をのぞく。
 鏡を見て私は満足する。
 自分専用というのはやっぱり気持ちがいい。
「このスイッチを押すと、貴方の知らない誰かが死にます。
 その代わりに貴方の家族や友人が助かります。
 スイッチを押さなければ貴方の家族や友人が死にます」
 男は勝手なことを言ってスイッチを私に押しつけた。
 生命の価値は地球よりも重いというけれども、私はスイッチを押す。
文化祭で執事喫茶をすることとなった。
 女子は男装して接客することとなった。
 私は男だ、と自己暗示をかけてみるものの内股になってしまう。
 これではお嬢様方に喜んでもらえない。
 文化祭当日までに何とかしなければ。
 最高の瞬間をお嬢様方に感じてほしい。
 やるからには徹底的にだ。
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