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「 140文字の物語 」
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川から引いた水を入れたヤカンに火をかけ、お茶を楽しむ予定だった。
 携帯電話が鳴った。彼女その1からの電話だった。
 何でもない話に相槌を打っている最中に、ヤカンが沸騰を知らせる。
 火を止めると今度はインターホンが鳴る彼女その2だ。
 まさかの鉢合わせに新しい可能性を考える。
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意識にノイズが乗る。
 作業効率が落ちると一人愚痴ってみた。
 ノイズはまるで波のように押しては寄せ返す。
 これ以上、作業に支障が出ては意味がないと、今抱えている作業全てにストップをかけた。
 気分転換がわりに自販機に向かう。
 電子マネーで缶コーヒーを買う。
 窓から満月が見えた。
最果ての大地にいても男と女がいたら、やることは同じ。
 一羽のからすが飛んできました。
「女神に違いない」と男は言いました。
 ここから抜け出す方法を知っているに違いない、と思いからすに声をかけました。
 女は嫉妬してからすの首を絞めました。
「何てことするんだ!
 死なないで」
夜の床の上で、ぬいぐるみを抱しめる。
 大きなテディベアは生まれた時からの友だちだった。
 苦しくて眠れない夜も辛くて涙した夜も、一緒に眠ってきた大切な友だちだった。
 明日は大切な試験があって、ドキドキして眠れない。
 それでもテディベアを抱えていると、眠気がやってきた。
学校の廊下で立ち止まる。
 期末テストの結果が上位50名まで貼り出されるのだ。
 数学の順位は3位といまいち振るわない順位だ。
 総合順位を見ると2位だった。
 1位はライバルの名前が書いてあった。
 前回は自分の名前が書いてあっただけに悔しい。
 ライバルと点差をつけて勝つのが夢だ。
生まれて初めての通信販売。
 手元の紙とモニターの画面を交互に見やる。
 間違いはないだろうか、と不安になりながら、マウスをクリックしていく。
 住所氏名を入力してクレジットカード決済を選択する。
 悪用されたりしないかドキドキする。
 最終確認画面に辿り着く。
 ボタンをクリックした
特別な木の根を乾かした物に火をつける。
 もくもくと白い煙が立つ。
 完全に燃やし尽くして炭にする。
 その炭で、白い布で包まれた遺体を燃やす。
 全ての儀式は、沈黙のうちに行われる。
 白い布が炎で見えなくなっていく。
 人間が燃える匂いは独特で鼻につく。
 身内の女性が声を殺して泣く。
水源を求めて、タライを抱えて陸を歩き続ける過酷な山田くんは、今日もまたジリジリと焼きつけられる太陽光線を浴びながら、黙々と歩いていた。
 洗濯をするという唯一の使命を果たすために、過酷な環境を山田くんは歩き続ける。
 アンドロイドの彼には辛いという意識はなかった。
銃弾を込められたピストルとスイッチらしきボタンがついた四角い箱の二つを並べて出された。
 目の前にいる善良そうな男は死刑囚だという。
「君は千人から選ばれた特別な人間だ。
 さあ、どちらで死刑を執行する?」黒服の男が言う。
「選べない」
「なるほど、合格だ」と黒服の男は言った
男は許してくれと思った。
 遊郭で遊び倒した後、金がないの気がついた。
 十字架があるだけの閉ざされた部屋に閉じ込められた。
 家の者が早く金を届けてくれないか、と毎晩祈っている。
 今回のことで財布の重要性を思い知る。
 遊郭で遊んだことは後悔はしない。
 あれは確かに楽しかった。
雑誌で取り上げられたDVDを借りるために、夜のレンタルショップの中を歩いていた。
 一致するタイトルを見つけて手を伸ばしたら、「あ」という声。
 しばらくお互いを見つめ合う。同僚だった。
「借りるなら、どうぞ。急ぎじゃないから」
「一緒にこれから見る?」というお誘いがかかる
告白したら幸運にもOKが貰えた。
 が、そこから先が進まない。
 顔を合わせるだけで照れてしまって、言葉が続かない。
「手を繋ぐぞ」
「はい」白い手が差し出された。
 傍から見たらバカップルだろう。
 当人たちは真剣そのものだ。
 ぎこちなく、指を指先でなぞる。
 ヒンヤリした体温に驚く。
夕方、幼なじみと手を繋いで帰った。
 学校に上がってから、疎遠になっていたから嬉しかった。
 久しぶりに繋いだ手は大きかった。
 それに練習の成果か肉刺ができていてゴツゴツとした男の人の手になっていた。
 幼なじみの夢はプロのテニスプレイヤーだ。
 私は精一杯、応援している。
風の音すら聞こえない静寂な夜に月が優雅に天に渡っていた。
 見る者がいなくても月は天を渡るのだろう。
 夜ごと、姿を変えて時も気にせずに渡るのだろう。
 静寂な夜がやりきれずに窓を開けて正解だった。
 少し欠けた月が哀しいほど美しく天頂を目指しているところだった。
 眩しかった。
海から生まれた純白な真珠を集めてネックレスにした。
 泣き虫の彼女にぴったりのプレゼントだと思った。
 自分だけの人魚姫に「君の涙を集めたらこんなに長くなったよ」と二連のネックレスを首にかけた。
 彼女は頬を染める。
「まあ。ありがとう」もじもじとお礼を言われた。
 心が疼いた。
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