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「 140文字の物語 」
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彼女と紅葉狩りに来ていた。
 夏が長かった分、紅葉が遅れた。
 平年なら燃えるように真っ赤に染まっていただろうに、まだ緑色の葉が目立つ。
 彼女が俺の名を呼ぶ。
 そこでハッとした。
 ここは会社で今は残業中だ。
 紅葉狩りに行った記憶はない。
 すべては白昼夢だった。
 同僚が俺を見ていた。
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露店が並ぶ通りで、足が独りでに止まった。
 古びた満月盤が目に留まった。
 真鍮製の満月盤はすべて金属で出来ていて、月の満ち欠けを知らせる。
 どうしても欲しいと思った。
 商人に声をかけた。
 相場の2倍なら売るという商人に、相場より下の金額を示す。
 こういう交渉を含めての買い物だ
深夜の遊歩道は昼間見せていた姿と一変する。
 明かり一つない道が続いている。
 風にそよぐ葉擦れの音も不気味に聞こえる。
 肝試しにしては上級なのではないだろうか。
 怖くなってきてメールを出すか迷う。
 メールしたら駆けつけてくれるのが分かっているから、メールしづらい。
貧乏学生のデートコースと言えば、公園。
 超定番だろう。
 ベンチに腰掛ける。
 彼女は嬉しそうに、腕を触れ合わせる。
 車があれば、もう少し遠出ができるのだが、あいにく自転車が精いっぱいだった。
 大学近くの公園でも彼女はめいっぱい喜んでくれている。
 それが罪悪感になってしまう。
冬美は天使のように可愛らしかった。
 外見だけじゃなくて心まで天使のようにピュアだった。
 そんな相手が恋のライバルだった。
 同じ人を好きになってしまったのは、不幸だ。
 どちらかの恋は破られる。
 それが私の確率は非常に高い。
 誰だって冬美の方を選ぶだろう。
 私が男だったらそうする
夜、家族が寝静まったのを確認して、ドレッサーの引き出しを開ける。
 そこに鎮座しているリングケースを開けると、白金の指輪が輝いていた。
 左手の薬指にはめるとちょうど良い。
 安くはないダイヤモンドが煌めく。
 充分、堪能すると指輪をしまう。
 成就しなかった恋にためいき一つつく。
風に何かの呻き声が混ざって聞こえた。
 思わず手を休めて空を仰ぐ。
 一体どこから聞こえてくるのだろうか。
 声は辛そうだった。
 声の持ち主を特定したところで、助けてやるような力は自分にはない。
 何もなかったかのように通り過ぎるのが一番賢い判断だ。
 分かっているけれど空を見上げる
東方から来た男が犬耳の少女を買った。
 ピンと立った耳が賢そうだ、というのが理由だったか。
 幸せになるといい、と毎回思う。
 観賞用に買われていくのは少女だけではない。
 ここでは日常的な姿だ。
 飼いきれなくなって戻ってくるものもいる。
 観賞用の主人公であるのが難しいということだ
杖をついた老婆が困った様子でうろうろとしていたので、声をかけた。
「大切な約束があるの。
 それなのにいくら待ってもあの人は来ないの。
 もうすぐ来るかしら?」老婆は言った。
 認知症だろうか。
 家族も心配しているだろう。
 私は老婆に付き合ってあの人を探した。
 翌朝、筋肉痛になった
ブリキの森に身を隠す。
「出ておいで」と男の声が言う。
 このままやり過ごせればいいんだが、僅かな身の動きで、ブリキがぎーっと音を立てる。
 こうなったら出るしかない。剣を引き抜き、駆け抜ける。
 が、大剣で阻まれた。
「見ーつけた!」男は笑う。
 一歩下がって態勢を整える。
「県大会進出、おめでとうございます!」廊下で声をかけられた。
 ネクタイの色を見ると緑で、一学年下だということが分かった。
 どうりで見たことのない女子だと思った。
 後輩は恥ずかしそうに、俺の手のひらを両手で包んだ。
「応援しています!」それだけ言うと逃げるように立ち去った
街中のポスターも戦争を賛美するポスターでいっぱいだった。
 宇宙戦争が始まって、もう20年以上たった。
 地球は疲弊し始めた。
 見知らぬ人が戦争反対のビラを配っていた。
 そろそろ休戦したほうが地球のためなのだろうか。
 政治的な駆け引きが分からない私にはポスターもビラも同じだ。
「誕生日プレゼント、何が欲しい?」と年上の彼氏が訊いてきた。
「何でも良いよ」と甘やかす。
「じゃあ、口紅が欲しい」と私は言った。
 彼の前の私はどんな存在なのか知りたかったからだ。空気が変わった感じがした。
「初めての買い物だから、あんまり期待するなよ」と彼は言った。
宇宙でも生命が宿るか実験中だった。
 哺乳類同士では上手く発情してくれず、地球由来の生命体は地球でしか誕生しないのかと生命の神秘をクルーたちは感じていた。
 それが冷凍卵子と精子を使えば誕生させられることが、この度分かり一部のクルーは狼狽した。
 神の御手の内に入ったからだ
川から引いた水を入れたヤカンに火をかけ、お茶を楽しむ予定だった。
 携帯電話が鳴った。彼女その1からの電話だった。
 何でもない話に相槌を打っている最中に、ヤカンが沸騰を知らせる。
 火を止めると今度はインターホンが鳴る彼女その2だ。
 まさかの鉢合わせに新しい可能性を考える。
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