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「 140文字の物語 」
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段ボール箱の中でか細い声で鳴いていた。
 たまらず病院へ走った。
 小さな体に注射を打ってもらった。
 病院に長期入院した。
 毎日、様子を見に行った。
 徐々に回復していき子猫らしくなってきた。
 無事退院して家に連れ帰った。
 私の部屋のベットに横になる姿が昔からのようで不思議だった。
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テレビは冷酷だ。
 ニュース番組で旅客機が墜落したことを特集していた。
 国内の墜落は珍しいので、数年前の事故でもその季節になると特集が組まれる。
 忘れさられるよりはいいのかもしれないけれど、アナウンサーの淡々とした記事の読み方に目が潤む。
 かつて恋人が乗っていた飛行機に。
意図的な山田くんはオアシスで花を摘む。
 愛する少女の喜ぶ顔を見たさに、毎日毎日花を運ぶのだった。
 少女も届けられる花が楽しみで、山田くんの来訪を期待していた。
 花を渡して、他愛のない話をするだけの関係だったけれども、二人は充分満たされていた。
 今日も山田くんは花を摘む。
穏やかな午後の時間、電波塔も微睡むような瞬間。
 女の子が空から降ってきた。
 ふわりふわりと落下速度はゆっくりだったので、無事受け止められた。
 女の子は目を開けると驚いたようだった。
 地面に下す。
 愛している故郷に戻りたい、と女の子は言ったが、それを満たすことはできなかった
ご飯時だけあってレストランは混んでいた。
 ランチメニューを見ながら、水を飲む。
 蜂蜜パンケーキが美味しそうだった。
 ふと向かい側に座る恋人を見やると泣いていた。
「どうしたんだ?」ぎょっとして声が裏返る。
「幸せだなと思ったら涙が出てきた」と涙を拭いて微笑んだ。
「そうか」
虚構世界で美少女のアバターを纏う。
 イベントで温泉に入れるらしい。
 さっそく水着と浴衣を電子マネーで購入した。
 どれが一番似合うか、とっかえひっかえ試着してみた。
 買ったばかりの浴衣でメイン広場に行くと、顔見知りの人がいたのでチャットで挨拶をした。
 温泉イベントは盛況だ。
どこにでもいるような普通の子だった。
 足が速いわけでも、頭が良いわけでも、料理が上手いわけでもない。
 私は普通の子として、このまま誰の記憶にも残らずに終わってしまうのだろうか。
 それは悔しい。
 誰かの特別になってみたかった。
 恋をすれば誰かの一番になれるのだろうか。
罪を犯した者が行く大地に、送られた。
 ここで一年、生き残れたら罪は許される。
 囚人たちの手首には何月何日に罪が許されるか刻まれた木製のブレスレットがつけられていた。
 私の手首にも木製のブレスレットがつけられた。
 私の罪は殺人未遂だった。
 父親の腹部を刃物で刺したのだ。
模様替えをしようと思い立ち、PCを起動させた。
 まずはカーテンの色を落ち着いた色にしよう、と思った。
 今の明るいグリーンのカーテンも悪くはないんだけど、身の丈に合った部屋にしたいと思ったからだ。
 サイトを巡り始めて2時間。
 私はチョコケーキを買うか、悩んでいた。
高架下の喫茶店は昼時だというのに空いていた。
 営業回りの休憩に、とドアを開いた。
 空調が利いていて汗が引く。
 部下と共に狭い空間に身を寄せ合うように座る。
 ブレンドコーヒーを頼むとトランプのスペードが描かれたクッキーが添えられて届いた。
 久しぶりに食べたクッキーは甘かった
暑さも緩み、肌掛布団でちょうどいい季節となった。
 夜長も含めて、眠りにはちょうどいい時期だった。
 布団の中に自分のものではない温もりが入ってきた。
 指に触れる感触は柔らかい。
 俺は目を開けると怒り顔の幼なじみがいた。
「携帯に電話しても出ないから」幼なじみは言った。
遺伝で背丈だけはあった。
 可愛い服は似合わないし、国内では自分のサイズを探すのも苦労する。
 可愛げのない女だろう。だからというわけではないが、勉強に打ち込んだ。
 学年で一番を目指した。
 それすら手に入れられなかった。
 学年一位は男子生徒がキープしていた。
 最低な気分だった。
虹色の表紙のノートを手に入れて、ご機嫌だった。
 どんなことを書こう。
 帰り道、呻き声を聞いて立ち止まる。
 ベンチに妊婦さんが苦しそうに座っていた。
 声をかけてみたが、返事が出来ないほど苦しそうだった。
 手元を見る。
 何かできることはないだろうか。
 携帯電話で救急車を呼んだ。
夜空を絨毯代わりに敷いて、消えた大学を再構築する。
 人間が通わなくなった学校施設を、人ならざる者が再利用するのは、珍しいことではない。
 最後の卒業生を見送って、閉鎖されたこの大学も一例に過ぎない。
 杖を一振りして、建物を掃除する。
 集まった埃はそのまま天にまいて星にする
彼女と紅葉狩りに来ていた。
 夏が長かった分、紅葉が遅れた。
 平年なら燃えるように真っ赤に染まっていただろうに、まだ緑色の葉が目立つ。
 彼女が俺の名を呼ぶ。
 そこでハッとした。
 ここは会社で今は残業中だ。
 紅葉狩りに行った記憶はない。
 すべては白昼夢だった。
 同僚が俺を見ていた。
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