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「 140文字の物語 」
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ひとつだけ知りたいことがある。
答えが返ってくるのが怖くて訊けないことがある。
知りたい気持ちは日ごと増していく。
一日中、考えてしまうようになってしまった。
だから、今日勇気を出して訊いてみようと思う。
「彼女にしてくれたのは、どうして?」大好きな彼に訊いてみようと思う
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寒さが彼方からやってきた。
服装が冬物に日ごと変わっていく。
今日はニットの帽子。
明日は皮の手袋。
明後日はマフラー。と何かの順番のように厚着になっていく。
未だコートを羽織らない彼女を見つめる。
「寒くはないのか?」
「一緒にいるだけで暖かくなっちゃう」と答えが返ってきた
朝の映画館は、映画の日でそれなりに混んでいた。
運命に翻弄される恋人たちの時代ものだった。
次々に襲いくる苦難を恋人たちは乗り越えていく。
二人の絆はどんどん深くなっていく。
最後は二人の結婚式で幕が下りた。
私たちも映画の二人のようになれるだろうか、しばし考えに耽った。
目を開けると恋人は怒り顔で、指先を指先でつついていた。
いつの間にか眠っていたらしい。
恋人がベッドの上に上がってくる。
「携帯電話、ダイニングにあったよ」と携帯電話を差し出してくる。
着信履歴が恋人の名前で埋まっていた。
「ごめん。すぐ起きるつもりだったんだけど」と謝る
幼なじみの少女は良く言えば純粋。
一般的に言えば天然だった。
世の中には危険が五万とあるのに、無防備だった。
傷つくと分からず近寄っていって大けがをして帰ってくる。
守ってやらなければと頭の片隅で決意が芽生えたのも、当然の帰結。
気がつけば彼氏と呼ばれる存在になっていた。
月下の海はどこか狂気を孕んでいる。
靴を脱ぎ素足のまま少女は海岸線を歩いていく。
それを数歩遅れて追いかける少年の姿があった。
少女は冷たい海にきゃらきゃらと笑う。
波打ち際の散策を続ける。
ふと少女は振り返った。
少年と視線が会った。
少年は立ち止まった少女の背を撫でてやる
カーテンを閉める。
薄暗くなった部屋でDVDを収納している棚に向かう。
お目当てのバンドの名前を見つけ、引っ張りだす。
ライブ音源のDVDを再生する。
ヘッドホンをすれば、ライブに行ったかのような興奮と熱狂に包まれる。
近所迷惑になるから叫べないけれど、これはこれで楽しい
昔むかし、あるところに気難しい桜がありました。
豪奢な供物を捧げても、花を咲かせることはありませんでした。
どうやったら桜の開花を見られるのか、村人たちは頭を抱えました。
娘は桜の隣に松を植えました。
桜が独りで寂しそうに見えたからでした。
桜はようやく義理で咲きました。
24時間営業のファミリーレストランも深夜ともなれば、客は少ない。
すぐに禁煙席に通された。
椅子にコートをかける。
温かビーフシチューという文句に惹かれ、オーダーをする。
鉄鍋に入ったシチューはさめるまで食べられそうになかった。
オムライスを食べている彼女が羨ましくなった
慣れない街並みに、旅行に来ているんだなと思った。
あちらこちらにふらふらする彼女にひやひやする。
車通りが少ないとはいえ、心臓に悪い。
そっと、彼女の腕を握る。
大きな瞳がきょとんとこちらを見る。
「今度はあっちを見ようよ!」彼女は笑う。
振り回されることは決定のようだ。
熱で倒れた私を兄弟が交替で看病してくれた。
風邪がうつるから食事を運んでくれるだけで良いよ、と言っても兄弟は汗を拭いてくれたり、額のタオルを変えたりしてくれた。
感謝してもしきれない。
間接痛が始まった。
インフルエンザかもしれない。
看病を断ったが聞き入れられなかった。
ふいに抱きしめられた。
自分とは違う温もりに、吐息を漏れた。
彼の腕の中で安心を覚える。
ガチガチに緊張していたらしい。
「ありがとう」と彼の背に腕を回す。
ステージに立つ勇気が湧いてくる。
「頑張っておいで」と彼は私の背を優しく叩く。
私は独りでステージに向かった。
吹雪吹く中、幼なじみと共に天使になった。
これからは人界へ幸福を届けることが出来るようになった。
見ているだけではなく奇跡を起こせるようになったのだ。
誇らしい気持ちでいっぱいだった。
隣に並ぶ幼なじみも同じ気持ちだろう。
一瞥した横顔は紅潮していた。
これから人界に降りる
人目を避けての訪れ。
二人は恋人同士だったが、それを世間に知られてはいけなかった。
家同士の因縁のせいだった。
愛する人は仇敵の一族だった。
それでも一度灯った恋心は消すことが出来ない。
昼間から堂々と手を繋いで歩きたいと望んでも叶わない。
月の光の中、二人は並んで歩く。
すべての根源たる太陽が姿を消した。
空を仰げども、常闇が続いているだけだった。
月と星の光だけが頼りだった。
いつまで続くか分からない日々に人々は不安になり涙する。
東の空を見ては今日も泣く。
失われて初めてありがたさを人々は知る。
想いが通じたのか東の空が明るくなった。
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