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「 140文字の物語 」
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久しぶりの旅行ということで、彼女のテンションはMAX。
あちらを見たり、こちらを見たりと、自由気ままに歩いている。
通行人にぶつかりそうになること数度、見失うこと数度。
彼女を捕まえて、仕方なく、指に指を絡める。
これではぐれる心配はなくなるだろう。
溜息をそっとついた。
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「恋愛を始めましょう」と唐突に恋は始まった。
名前も知らない相手を好きになれるかなんて、一等の宝くじを当てるようなものだと思っていた。
手を繋いでの登下校。気がつけば手を放すのが寂しくなっていた。
「おはよう」のメールが待ち遠しくなっていた。
恋の苦さ味わっている。
打ち寄せる波が大地と海の境界線だった。
少女は足が濡れるのを気にせず、波打ち際を歩いていた。
ポツリポツリと残る足跡も波がさらっていく。
それを見ながら、疼く古傷を鎮めようとしていた。
少女の姿があまりにも、あの日の彼女と重なる。
言葉は無力で、結局何も言い出せなかった。
早朝の遊歩道は散歩に最適的だった。
一ヵ月も通っていると顔見知りも増えてくる。
他愛のない世間話をするようになる。
散歩友だちと言えるだろう。
一つ下の女の子が気になっていた。
誕生日を耳にしていたので、その日に告白を決行することにした。
いよいよその日が迫ってきた。
彼女が泣き顔で、腕を握る。
俺はすっかり困ってしまった。
まさか泣き出されるとは思わなかったのだ。
幼なじみで何でも知っていると思っていたけれど、こういう面があるとは知らなかった。
視界の端にテニス部の部長が通る。
まだ新しい彼女はいないようだ。
それにほっとする俺がいる。
暑い夏休み、親に言いつけられた。
仏花を持って墓地にやってきた。
斎藤家の墓の前に立つ。
この中にご先祖様が眠っていて、いつかは俺も入るのかと思うと、ほんのりと感慨を受ける。
まずは雑草を引き抜くことから始める。
軍手をして草むしりをしていく。
綺麗になった墓に手を合わせる
横殴りの雨に傘は無力だった。
横を通っていった車が水たまりを派手に過ぎていった。
もちろん、水を激しく浴びた。
全身ずぶ濡れになりながら、傘を差す意味があるのだろうかと考える。
こんなに大雨が降るならばレインコートにすれば良かったと心の中で愚痴る。
不満が蓄積していく。
インスタントカメラで撮影された写真が本棚の隙間から、ひらりと舞い降りてきた。
戦火の傷跡が生々しく写っていた。
中央で笑う兵士の面影を知っている。
誰だろうと一瞬考えて、変わらぬ笑顔に私の表情は崩れた。
涙が止まらない。
声を上げて、慟哭した。
今は亡き父の若かりし頃の姿だ
一つ。また一つ。言葉が湖に沈んでいきます。
言われなかった言葉たちが湖の底で煌めいています。
終わらせないといけないループは、続いています。
言葉たちはキラキラと輝いています。
湖を飛び出すことを祈りながら沈んでいきます。
「すぐ行くよ」また誰かの言葉が沈んできました。
体温を上回る気温に、ぐったりしていた。
扇風機はさっきから生温かい風を送り続けている。
今年の夏は暑すぎると、心の中で文句をつける。
少しでも涼を求めて縁側に移動する。
幼なじみが庭伝いにやってきた。
ビニール袋にはアイスが入っていた。
嬉しそうに、手のひらを触れ合わせる。
坂道を登った先に小さな和菓子屋さんがある。
本当に小さいから素通りをしてしまう人が大半だ。
私も最初は見逃していた。
そこの黒糖まんじゅうがとても美味しい。
小さな店舗だから、生産数も少ない。
売り切れてしまうこともある。
今日は売り切れの日だった。
せっかく坂道を登ったのに
その白い肌は太陽を一度も浴びたことがないからの白さだった。
そんな少女を連れての外出は責任重大だった。
少女の心からの願いが外出だったのだから仕方がない。
上層部は揉めに揉めたらしい。
当然だろう。
少女は喜んで、部屋の外を出た。
樹脂の透明の廊下の窓にぺたりと張り付く。
未対応の銃弾を使う。
自己責任だ。
解っていながらこの銃弾を使うと決めた。
これで勝利に一歩近づいただろうか。
一分といったところだろう。
戦況は刻々と変わっていっている。
緊張で手が震えてきた。
銃を額に祈るように押し当てる。
どうかこの一発で戦況が引っくり返りますように。
とんぼ玉の髪飾りが愛らしいホログラフィを持つAIの指示に従って、艦を修理していた。
「ここだよ」と幼い声が言う。
凹んだ甲板を包み込むようにチューブを塗る。
艦もだいぶくたびれてきた。
新しいのを買い求めるべきだろうか。
でもこのままでは終われない。
艦に愛着を持っている。
「寒いね」彼女は言った。
「手袋すれば」と俺は言った。
彼女はさりげなく、つないでいた手を振りほどき、両手のひらに爪を立てた。
痛みよりも、冷たさを感じた。
彼女の指先は凍るように冷たい。
「無理せず手袋しろよ」
「温もりを感じられなくなっちゃうでしょ!」と彼女は怒った。
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