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「 140文字の物語 」
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早朝のエレベーターでお隣さんと一緒になった。
愛犬を抱きかかえていたお隣さんは笑顔で挨拶をしてくれる。
私は抱きかかえられている犬に嫉妬する。
お隣さんに飼われてみたいとちょっと危ない発想をしてしまう。
朝から邪念なんてお隣さんには知られたくはない。
無難に挨拶をし返した
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微睡みから目を覚ました。
彼女が力強く、指先を軽く握っていた。
布団の中は温もっていて、またうつらうつらとしてきた。
俺は空いている手で彼女の髪を撫でる。
「何かあったのか?」と静かに訊いてみた。
彼女はプルプルと首を横に振る。
「そうか」と俺は眠りの底に沈んでいく。
小春日和の縁側でねこを膝に乗せて、クラスメイトがのんびりとした口調で言った。
「僕、実は宇宙人なんだよね」と。
庭のモミジが紅葉していて綺麗だねとでも言うように自然だった。
クラスメイトはねこの背中を撫でる。
「もうすぐ秋が終わるね」とクラスメイトは透明な微笑みを見せた
ツイッターで呟けば呟くほど、距離が近づいているような気がしていた。
彼女の好きな食べ物、好きな場所、好きな言葉がTLに流れてくる。
俺は彼女のすべてのことを知っているような気がしていた。
彼女は唐突にツイッターを止めてしまった。
俺と彼女の繋がりは切断されてしまったのだ
今夜は流星群が極大を迎える日だった。
スーパーの広い駐車場まで足を運んだ。
建物が邪魔にならずに全天を見上げることが出来る。
私は流れ星を探すのに没頭する。
シリウスの煌めきが眩しい。
ふいに肩を叩かれてびっくりして振り返ると級友がいた。
「名前を呼んでも返事なかったから」
夜空が綺麗だから外に出ておいでと誘われたが、DSでゲームをやっている最中だった。
調子が良く最高の記録が残せそうだった。
だから断りのメールを出したら、メール相手が家に乗り込んできた。
最高の記録は残せたもののDSは取り上げられてしまった。
私は仕方なくマフラーを巻く。
闇鍋パーティをすることになった。
加熱して食べられる物と一人一品持ち寄ることになった。
前回はたくあんを入れた人物がいたので予測はできない。
私は無難に鶏肉にしておいた。
鍋の中に持ち寄った物が無差別に入れられる。
今年はまともな鍋に仕上がると良いなぁと僅かな期待をする。
そこでは硝子の花が絶え間無く咲く。
花に水をやる少女型のアンドロイドに一目惚れをした。
硝子の花の上に風が吹き、シャラランと切ない音色を奏でた。
その光景があまりにも美しくて、この瞬間死にたいと思った。
これ以上、美しい光景は広い世界を探しても見つからないだろう。
-
僕が君のために出来ることを数えてみるけれども、君が僕に与えてくれるものの方が多い。
君がそこで君らしくあるだけで救いになる。
君が次々に開けていく扉についていくだけで、僕は息切れをする。
それでも繋いだ手は離さない。
君の可能性はブリリアントカットのダイヤモンドのようだ
窓を開け放った早朝の廊下は、キリっとした冬の空気に染まっていた。
風が髪を撫でる。
せっかくセットしてきた髪が乱れる。
「ゴメンね」と幼なじみが窓を閉める。
それからこめかみにふれる。
「傷、残っちゃったね」と謝るように言う。
「お転婆だったからね」と明るく私は言った。
幼なじみが満面の笑みを浮かべながら、指先を両手で包む。
何の罰ゲームだと思った。
久しぶりに繋いだ手は、ひんやりとしていて、頼りなさそうなほど華奢だった。
「温かいね」幼なじみは言った。
「お前に比べればな」と俺は言った。
「いつの間にこんなに大きな手になっちゃったの?」
幼なじみとお花見に向かっていた。
桜百選にも選ばれた公園だけあって、たくさんの人が花見を楽しんでいた。
屋台も出ていて賑やかだった。
どの屋台にするか幼なじみと相談する。
そこで夢から覚めた。
幼なじみとお花見は出来るはずがない。
今も白い部屋で点滴を受けているのだから。
大人が「いけない」という事は、大概気持ちいいことだ。
お酒もしかり、煙草もしかり。
害があるからと遠ざけられれば遠ざけるほど、それらは魅力的に見える。
年齢確認なんてされずに、それらは手に入る。
残り1本になった煙草に火をつける。
煙を吐きだしながら禁断の果実の味を味わう
引っ張られるような痛みを感じた。
髪が誰かのボタンに引っかかったのだろう。
これだから冬の満員電車は嫌だ。
痛みを頼りに引かかった場所を探す。
若い男性のコートに辿り着く。
「スミマセン」と謝りながら、絡まった髪を解く。
解き終わる頃に電車は駅に着く。
男性は遠ざかっていく。
落葉の季節になった。
昼の遊歩道を歩いていると、落ち葉を踏むことが増えた。
落ち葉と落ち葉が重なり合って、ちょっとした音楽になる。
昔は好きだった音だったが、今は寂しいだけの音だと思う。
別れを決めたのは自分なのに、今更になって後悔している。
涙だけは流さないと決めた。
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