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「 140文字の物語 」
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事実と正義の間には、埋めがたい溝がある。
多くの人物はそれに気づかずに平和に暮らしている。
一度でもそれを知ってしまったら、微笑みながらテレビを見ることなんて出来ないだろう。
正義のために折り曲げられた事実を知っているから、私は口を一文字に結ぶ。
ニュースが霞んで見えた
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恋の終わりはどんな形であれ辛いものだ。
屋上で昼飯を食べていると告白が始まった。
ドアを開けた場所からはこちらが死角になっていて、全く見えない。
女子の声は聞き覚えがあった。
幼なじみなのだから当たり前だ。
俺は仕方なく、手のひらに爪を立てる。
飛び出して行きそうだったから
ひらりと舞う蝶のように、捧げられた愛の言葉をかわすのは気持ちがいい。
一生懸命に紡がれるそれらを避けながら、私は私らしくある。
差し出される花々はどれも美しく、魅力的だったけれども、輝きが今一つだった。
私は笑顔でそれらを通り過ぎていく。
駆け引きが気持ちいい。
オープンハートのネックレスに、ピンヒールのエナメルの靴に、プワゾンの香水。
普段、化粧すらしない私からしてみれば、変身といった感じだった。
電車が着いたようだ。
改札口を大勢の人が通っていく。
彼は一目で私に気がついた。
人波をかき分けて走ってくる。
そして私を抱しめた
発達した入道雲は無差別に雨を降らせた。
バケツをひっくり返したかのような雨に、喫茶店に避難した。
今日に限って折り畳み傘を家に置いてきてしまった。
「お決まりになったら、ベルでお呼びください」
店員はカトラリーと水の入ったグラスを置いていった。
グラスの水を一飲みする。
携帯ラジオをポケットにしまって、朝の海辺に来た。
ラジオからは懐メロが流れていた。
言葉はなく、ただ手を繋いで砂浜を歩く。
二人分の足跡が砂浜に刻まれる。
この時間が永遠に続けばいいのにと、昇っていく太陽を感じながら思った。
ラジオから流れる曲がメローな洋楽に変わった。
勇気を出して、嫌々ながら、指を両手で包む。
指は細く、枯れ木のようだった。
冷たい指は弱々しく、握り返してきた。
振り払わずに、自分の熱が移れとばかりに、手を改めて握る。
心拍数が上がるのが分かる。
石ころみたいな小さな勇気しか出せない自分の器の小ささに飽き飽きとする。
ステージに立つ彼らを見るのは、いつでも心配だった。
声がきちんと出ているのか、振り付けを間違えたりしないか、衣装のサイズはピッタリか。
心配事はいくらでも出てくる。
ステージの袖でハラハラする。
笑顔を忘れそうになる。
どんなに心配しても見守ることしかできないというのに。
テレビでダイヤモンドのCMをしていた。
深紅のドレスを着た女性が艶やかだった。
少し背伸びをして、深紅のドレスも良いかもしれない。
情熱的な曲が弾けそうだった。
数日後、深紅のドレスに身を包んで舞台に立つ。
最後の一音まで丁寧に弾く。
万雷の拍手にやり遂げたことを実感した。
賑やかな夜のゲームセンターに彼とやってきた。
新台のUFOキャッチャーがあった。
どこか憎めない顔をした熊のぬいぐるみだ。
私は彼を見上げる。
すると彼は目を瞬かせていた。
「目がゴロゴロする」と彼は言った。
鏡を差し出す。
「サンキュ」彼は言った。
目にゴミが入っていたようだ
デートの日だというのに、うっかり二度寝をしてしまった。
起きたのは約束の1時間後だった。
ダメもとで待ち合わせ場所に駆けつけた。
人波の中彼女を見つけた。
待っていてくれたんだ。
それが嬉しくて、困ったような気持ちになった。
彼女がこちらに気がついて怒り顔で、指を軽く握った
学校の屋上に魔法陣を書く。
魔術書片手に正円の中をスペルで埋めていく。
自分には少し上級の魔法だから、慎重に儀式を行っていく。
魔法陣が輝き始めた。
魔力が集まってきた証拠だ。
緊張と不安と期待で、ドキドキしてきた。
そこへ使い魔のねこが乱入してきた。
魔法陣は光を失った。
彼女は掴みどころがない。
確かに捕まえたと思ったら、するりと両腕から逃れている。
ひらりと舞う蝶のように自由に、見る者を魅了する。
そんな彼女のを知りたいような知りたくないような曖昧な気持ちになる。
彼女の心の底まで知ってしまったら、今のような気持ちにはなれないだろう。
雲を追いかけるようなものだと思いながら、足跡を追いかける。
彼女が残した足跡は探し出してほしいと訴えかけているようだった。
けれども、捜索は雲を捕まえるかのように困難だった。
諦めてしまおうか。
いや、ここまで来たんだから最後まで付き合おうか。
心が揺れ動く。
動物が描きこまれた油絵に、レモンが一つ落ちている。
うっかりしていると見落としてしまうほどの小さく黄色のレモンだ。
このレモンは希薄な脇役だ。
動きのある動物たちが奔放に描かれている中、レモンだけが静かに精緻に描かれている。
レモンは名脇役といっても良いだろう。
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