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「 140文字の物語 」
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夜の庭を二人で歩いていた。
ふいに彼女の携帯電話が鳴った。
「アラーム」携帯電話を開いた彼女は言った。
「見たいテレビがあるの」
「そうか」
「じゃあね」と彼女は言った。
こうしてすれ違うのは何度目か。
最近、増えてきたような気がする。
独り取り残された夜の庭で考える。
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「忘れちゃ、ダメなんだからね!」泣き声まじりに彼女が言った。
「お前との約束だ。忘れるわけがねぇーよ」と俺は返した。
彼女は遠慮がちに、指に指を絡める。
「指切りげんまん」彼女の目が俺を見る。
「指切った」俺も答える。
彼女がフッと笑った。
俺は彼女を抱き寄せた。
背を撫でる
その年は異常なほど初雪が早かった。
普段、積雪するほど降ることのない地域でも雪が積もった。
「雪だるま、作れるかな?」友達が言った。
「小さい奴なら作れるよ」と俺は返した。
綺麗な雪を集めて拳大の雪だるまを何個も作る。
それを塀の上に並べる。
友達は一つを冷凍庫にしまった。
当人も気持ち悪くなるほど、普通だった。
勉強しても、スポーツをしても平均点。
クラスの中に友だちが5、6人いて、仲良しグループと集団行動をして、流行りの曲を聴きながら下校する。
何年か経てば、そんな奴いたっけと言われるように存在感がなかった。
普通と言われるのは嫌だった
初めはただの風邪だと楽観視していた。
微かな喉の違和感は大きくなっていき、痛みを伴うようになった。
子供じゃないんだからと、付き添いを断り一人で病院のドアをくぐった。
医者は簡単な問診をして、点滴もすることになった。
看護師が新米なのか、針が上手く入らず痛い思いをした。
今は失われて久しい水を求め、少女は砂漠を歩いておりました。
供もつけずに一人で少女が水源に辿り着けたなら、故郷の井戸にも水が溢れ出すという呪いがありました。
水源まで徒歩で歩いていくのとても大変なことでした。
それでも少女は砂漠を歩き切りました。
見えない運命のように。
Webの中はノイズが酷かった。
どこか近くで祭りが行われているのだろう。
耳が痛くなるようなノイズを乗り越えて、庭園に入る。
ここはいつでも静かだ。
誰かが造って、忘れ去ってしまった場所だ。
飾られた絵画にどんなテーマで描かれたのか夢想する。
それこそ白昼夢のように。
早朝のグラウンドに立つ。
昨日まであった熱気は冷却されている。
スタートラインまで歩いていく。
グラウンドには一周するように曲線が引いてある。
線の上に手をついてみる。
早朝の静けさだけがあって、熱狂を探すことは出来なかった。
スターターピストルの音が耳にこだました。
「手出して~」彼女が言った。
「え、何で?」お洒落なカフェの一角での出来事だった。
「良いから出して~」彼女の言葉は逆らい難かった。
彼女は俺の手を無理矢理取ると、両手のひらを触れ合わせる。
「恋が長続きするおまじない、だって」ふふっと彼女が笑った。
その笑顔が反則だった
都市の中には俺のように、超能力を持っている奴がいる。
ライバルと呼べる奴もいる。
今日もすれ違った。
小石が宙を浮き、俺に飛んできた。
それをすべて叩き落す。一つ一つを認識して、落とすのだからちょっとした手間だ。
俺は鉄を塊にしてライバルに向けて投げる。
鉄は道路に落ちた。
持って行く物はカバンにしまった。
チケットはカバンの脇ポケットに入れた。
忘れ物はないはずだ。それなのに心配になって起きだす。
時計は4時。
早朝だ。
起きるのには早すぎる。
カバンを開けて、もう一度チェックする。
やっぱり全部入っている。
布団にもぐりこんで目を閉じる。
手元を見る。
誕生日プレゼントに貰った指輪がチェーンに通っている。
大切な人から貰った宝物だから、肌身離さず持っている。
無くさないように首から下げている。
その指輪が雑誌に載っていた。
金額を見て驚いた。
想像したよりも一桁多かった。
指輪を握り締めた。
彼のことを思い出す。
人一人分、開けてソファに並んで座っていた。
恋人同士になったのだから、ぴったりとくっついて座ってもいいのだけれども、一人分開けるのがクセになってしまっている。
借りてきたDVDもエンドロールだ。
仕舞うために立ち上がろうとしたら、ぎこちなく、指先を握り締められた。
家に帰らず、学校に留まっていた。
夕方の教室は誰もいなくて、カランとしていた。窓のサッシに頬杖をつき、空を眺めていたら、鯨が空を泳いでいるのが目に飛び込んできた。
魔術科の生徒が作り出した物だろうか。
鯨はどこかユーモラスで憎めなかった。
失笑して、帰り支度を始めた。
母に頼まれたことを二つ返事で引き受けたことを後悔している。
自転車で坂道を登っていく。歩いたほうが早いんじゃないかというスピードで、のろのろと登る。
坂道の上にある和菓子屋さんが見えてきた。
店内に入ると、お茶を出された。
冷たいお茶は坂道を登ってきた人間に有難かった。
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