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「 140文字の物語 」
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夏休みの夕方まだ暑い中、犬の散歩に出た。
汗をかきながら犬の縄張りを歩いていく。
話し相手が欲しいな、と思っていたら携帯が鳴った。
「今、川沿いを歩いてない?」と電話主は言った。
「え、何で?」と私は驚く。
「超能力。なんて嘘。顔を上げてみ」向こう側から電話主が手を上げる
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花弁が川に流れていく。
花弁はどこまで旅していくのだろうか。
彼についていけば良かった。
落花流水のように、寄り添っていけば良かった。
そしたら空を見上げる度に、彼のことを想うことはなかったのに。
今、何をしているのだろう。
私のことをたまには思い出してくれるのだろうか。
雪の上に足跡がポツリポツリと残っている。
縁側まで続いていく。
沓脱石に天鵞絨の小さな靴がちょこんと乗る。
「お見舞いに来たの」椿を持った少女が障子を開ける。
冷たい空気が一瞬、部屋の中を駆け抜ける。
「ありがとう」病人は上体を起こして椿を受け取り、少女の髪を撫でる。
地獄には鷹の紋章の悪の小学校がある。
小学校を通う年齢で地獄に落ちてきた子供たちが通う学校だ。
次の世で善行を積めるように、社会のルールを徹底的に教える。
ただでさえ地獄は過密気味なのに、ここ数年子供地獄行きになることが多い。
小学校のクラスを増やしているところだ。
屋上へと続く螺旋階段を昇る。
フラスコを太陽にかざす。
硝子の中で青色の液体が波打つ。
成功だ!と俺は思った。
液体を飲み干す。
喉を熱い物が下っていく。
試しにジャンプをしてみると、軽く1mを飛び上がった。
マナーモードにしていた携帯が鳴った。
携帯に出て実験の成功を伝える。
夕方の神社の境内は、人気がなかった。
幼なじみが落ち葉を箒で集める音が響く。
「早く帰らないと、雨が降るよ」
「私も虹が見たかった」と私が言うと幼なじみはフフッと笑った。
「たまたま見られただけだよ」
「だからって写メで送ってこなくても良いじゃない。余計見たくなったよ」
吐く息が白くなった。
季節は順調に冬に向かっていた。
乗り換えの駅で彼女と合流する。
「今日も寒いね」彼女は笑った。
「そうだな」と俺も頷いた。
彼女がそっと、指先を触れ合わせる。
自分とは違う温もりにドキリッとしながらその手を掴む。
それが日課だ。
満員電車は暑いぐらいだった
密室な音楽室でピアノを弾いていた。
コンコンと躊躇いがちなノックがされた。
私は扉を開いた。
見知らぬ人が立っていた。
「何のご用でしょうか?」私はドキドキしながら訊ねた。
男子生徒はヴァイオリンを見せる。
「練習室がいっぱいで練習が出来ない。邪魔はしないから良いだろうか」
「あなたの気持ちが分からないよ」と彼女は涙した。
その涙を拭う資格は持っていない。
それだけは分かった。
「どうして、あなたはそうなの!」悲痛な声だった。
これまで築いてきた関係がガラガラと崩れ落ちる。
いつの間にかすれ違ってしまっていた。
泣く彼女を抱しめたいと一瞬思った
鋭い痛みが右わき腹を襲った。
ナイフが刺さっていた。
刺した側が震えていた。
意味の分からない悲鳴とも取れる声を上げ、加害者は逃げていった。
致命傷にならないが、放っておくには大きすぎる傷だ。
どうしたものかと逡巡する。
魂ごと天に帰れれば一番なのだが許されないらしい。
怖い物がダメなままでは俺の人生は最弱な物語だ。
夜の12時になると首つり死体が見えると迷信がある屋敷に向かった。
住む人のない家屋はすぐにダメになる。
懐中電灯片手に屋敷の二階部分を歩く。
傷んだ廊下がぎーっと音を一歩一歩たてる。
部屋の中は埃っぽかった。
幽霊はいなかった
ワードローブから無作為に、服を引っ張り出す。
どうせコートを着てしまうのだから、流行に乗らなくていい。
バイト代から貯めた貯金をブリキの缶から取り出す。
女の子の好きそうな雑貨屋まで徒歩で行く。
自然とスキップになってしまう。
どんなプレゼントをしたら喜んでもらえるだろう
客の帰った朝のバーは気だるい雰囲気に満ちていた。
マスターはグラスを一つ一つ丁寧に磨いていた。
歌姫はカウンターに座り、本をパラパラとめくっていた。
無言の中、身じろぐ音が重なり合って、まるで愛し合う男女のようだった。
歌姫は本を閉じると、サティの有名な曲を口ずさんだ。
二人で鯨雲を見てから半年。
季節は冬になっていた。
夏は楽しかった記憶が詰まっているから、時々幻覚だったじゃないかと思ってしまう。
イルミネーションに彩られた街を独りで歩いていると、余計にそう思ってしまう。
風が肌を突き刺すように触れていく。
溜息は白く空に溶けていった。
「助けてください!」
雛鳥が親鳥の胸に飛び込んでくるように少女が飛び込んできた。
「神剣・神楽です」少女は刀を押し付けてきた。
「どうしてこんな物がここに」
「時間がないんです」少女は言う。
俺は決意する。
ポケットからヘアゴムを取り出すと中途半端な髪を結ぶ。
神楽を抜刀した
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