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「 140文字の物語 」
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「嫌だー!行きたくない!」と私は抗議する。
堂々と、両手にしがみつく。
けれども、ずるずると引きずられていく。
「悪ふざけはここまでだ」幼なじみが言う。
「だって、歯医者さん行きたくないよ!もう痛くないし」私は訴える。
「歯は自然治癒しない。行くぞ」幼なじみは無情にも言う
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魔女が魔術で作ったレストランがひそかな人気を呼んでいた。
どんな料理が出るのかと私も気になっていた。
予約が取れないほどの人気だというから諦め気味だったが、友達が予約が取れたとメールが着た。
ラッキーだった。
黒い服を纏い、レストランに向かった。
こじんまりとした店だった
「ここ段差があるから注意して」言葉と共に手を差し出された。
悔しいなぁと思いながら、その手を取る。
つまづきそうな段差を乗り越えても、手は握られたままだ。
手を離す口実がない。
駅前通りはイルミネーションで輝いていて思わず溜息をついてしまう。
「綺麗だね」視線が絡められた
「お腹空いたなぁ。何か食べない?」友人に話しかけた。
「まだ5時だよ。早くない?」
「小腹が空いた感じ?いらないなら、一人分作るんだけど」と問いかける。
「話してたら、お腹空いてきちゃったみたい」と友人は言う。
「言霊ってヤツかねー。インスタントで良いよね?」
「勿論」
宇宙船の旅行もまったりとしたものだった。
レトロゲームをしようと誰かが言い出した。
僕はプレステを持って行った。
宇宙空間は独自の法律があって、違法の物が合法になる楽園だった。
ゲームの中では僕は荒ぶる殺戮者なる。
地球上では絶対にできないことだった。
友達も興奮していた。
男はいつも買い物に困っていた。
日本人にしては長い手足が原因だ。既製品だとサイズが合わない。
だからと言って毎回オーダーメイドを頼むほど豊かな生活ではない。
人一人食べていくには困らない程度の年収だ。
長い手足のおかげで被服費が嵩みがちだ。
ワンサイズ大きな服で誤魔化す。
夕方の書店は学生たちで活気が溢れていた。
参考書や赤本を持つ姿が目立つ。
そろそろ追い込みの時期か、と懐かしく思う。
読んだら必ず泣くという本を探し求めに来たのだが、お目当ての本に辿り着くのは大変そうだ。
それも書店ならではの楽しみの一つだ。
『永遠』というタイトルの本だ
ダンスホールから離れた庭に二人はいた。
微かにワルツの曲が聞こえてくる。
満月はちょうど天頂にいて二人を照らし出す。
深夜の空気が肌を撫でる。
どちらからともなく寄り添う。
目を逸らしつつ、両手を軽く握る。
ワルツのリズムに合わせてくるくると回る。
誰にも知られないように。
冬真っ直中、幼なじみから呼び出された。
久しぶりに訪れた幼なじみの家は、時代に取り残されたかのように静かだった。
「来てくれてありがとう。何分時間がないからね」幼なじみはブリキの缶と封筒を差し出す。
「僕が帰ってきたら返してほしい」と微笑んだ。
「宇宙戦争に行くのか?」
一人ぼっちでいる時間が長かったから、知らなかった。
誰かのそばにいられることがこんなに気持ちいいことだと。
一緒にご飯を食べて、一緒にDVDを観て。
同じものを見て、同じ瞬間を生きている。
それがとても気持ちいい。
ずっとこの瞬間が続きますように、神様にお祈りしたくなる。
もう出会うことなどないと思っていた。
夕方の戦場で邂逅した。
「どうして」と呟くように訊ねてしまった。
剣を捨てて穏やかな暮らしに身を沈めたかと思っていた。
それなのに彼女は剣を持って戦場にいた。
「今なら見逃せる。逃げるんだ」
「できない」彼女は拒絶し、剣を構えた。
朝がやってきた。
生き残れたんだと昇る太陽を見て、ふつふつと実感が湧いてくる。
ただの一兵士としては最高の武勲だろう。
血ぬられた殺戮者たちとは違う。
同じように朝日を見ている少女は返り血で染まっていたけれども気高く見えた。
最高の武勲を立てた勝利の女神に見惚れる。
ライブでへとへとになった体に、露天風呂は最高だった。
肌も何だかすべすべになったような気がする。
ご飯も美味しかっし、遠征してきて良かったなあと思う。
ライブでしか演奏しない曲も聴けたのが嬉しかった。
思わずにまにましてしまう。
これでは怪しい人だ。
私は顔を引き締める。
ここだよと呼ばれた気がした。
真っ暗闇の中で蠢く影があった。
そいつは人の腕を食べていた。
奥に欠損のない少女が一人いた。
カニバリズムの餌食に会いそうだった。
人喰い野郎にはとっとご退場をお願いしたい。
俺は刀を抜いた。
一閃。
血が吹き上がるように溢れ出す。
男の生命が散った
短くなっていく陽に己を重ねる。
畳の上で寝転がりながら夕陽を見送る。
手近にあった人形を抱きしめる。
冷たい肌の人形はまるであの人のようだった。
焦がれても手に入らないあの人をしばし独占したような気になった。
たとえ仮初でも嬉しい気分になる。
人形の髪を手で梳きながら想う。
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