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「 140文字の物語 」
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音楽室で相方のなるちゃんが難しい曲を弾いていた。
タイトルは分からないけど、その曲が難しいという事は、なるちゃんの指の動きで分かった。
鍵盤を走るなるちゃんの指先。
それを見つめている間、私のもとに睡魔が忍び寄ってきた。
こっくりと舟をこぐ。
良い夢が見られそうだった。
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彼から子供扱いされるのが嫌だった。
確かに彼の方が大人だったが、私だって結婚できる歳だ。
愛されているという自覚はある。
我儘だという事も解っている。
それでも、蜂蜜をかけたかのような甘さだけの恋は卒業したい。
彼が背負っている物を半分こ出来るぐらいには大人なんだ。
幼少の頃から慣れ親しんだお屋敷ともお別れの季節が巡ってきた。
もう大人なんだから自立しなければならない。
けれども涙が枯れず、私は慟哭した。
引き取ってくれたおじさんの目にも光るものがあった。
今は暖かい思い出も切なく胸を締めつける。
私は上手く言葉を紡げず屋敷と別れた。
激しい雨が窓をノックするように降っていた。
街は人の気配がしないように静まっていた。
扉を乱暴に開けようとする音がした。
その音にビックリとしながら室内でだんまりを決め込む。
外には最高の罠が張られているはずだ。
そこへ飛び込む度胸はない。
怪異が通り過ぎるのを願うばかりだ
ルームメイトは今日も残業のようだ。
留守番を任されたようで、あまり好きじゃあない。
暇潰しに雑誌を手に取る。
読者モデルがガーリーな服を着こなしていた。
可愛い洋服を見ると買いたくなるが、自分の体形には似合わないことに気がついてからはシンプルなデザインを買ってばかりいる
蜃気楼の街に閉じ込められてしまった。
番人が眠そうな顔をして施錠しに来た。
抜け出すなら今だ。
僕は彼女の手を取って逃げ出した。
立ち止まったらまた捕まってしまうから、前だけを向いて二人は走った。
繋いだ手の温もりだけが現実だと伝えている。
息を弾ませながら蜃気楼の街を走る
夜の車内は帰る人で溢れていた。
ぎゅうぎゅう詰めになって、真っ直ぐ立っていないのが分かる。
買い物袋が斜めになっているのが不安だ。
中には卵が入っている。
ようやく目的地について下車する。
買い物袋を確認する。
卵は割れていた。
もう途中のスーパーでは買い物をしないと誓った。
血で染まった大地を隠すように、赤い夕陽が落ちていく。
夜の帳が下りてきて、やっと生き残れたという実感がふつふつと湧いてきた。
天幕に戻ると少女が待っていた。
この度の戦の総司令官だ。
少女は満面の笑みを浮かべながら、指を指先でなぞる。
「今日は助けてくれてありがとう」
図書館でしばし思案していた。
どれを借りていこうか。
とりあえず手を伸ばすと逆側から手が伸びてきた。
顔を合わせると親友だった。
「よお、珍しいな」
「そうだね」私は本棚を見る。
他の本を借りなければならない。
「密室ものでお勧めってある?」
「これだな」と親友は一冊引き抜く。
「次の休みはいつなの?」
「次は友達の新築祝いに行くから、ダメだ」
「じゃあ、その次は?」
「幼なじみとランチの予定」
「じゃあ、いつになったら暇になるの?」
私は悲しくなってきた。
優先順位があまりに低いような気がする。
今日のデートも私が無理矢理ねじ込んだようなものだ。
月にまつわるエピソードは、どこか狂気を孕んでいる物が多い。
それだけ夜空に輝く月という天体に人々が親しんできた証拠だった。
ここにも一人、月を見て喜んでいる少女がいた。
空を見上げながら歩くものだから危なっかしい。
さっきは電柱にぶつかりそうになっていた。
月も罪作りだ。
「リンゴが赤くなると医者が青くなる、って言われるぐらいリンゴは良いんだよ」
赤色に変わってしまった信号を待ちながらことわざを披露していた。
山田くんは聞き役に回っていてどこか希薄だった。
存在感がなくて、消えてしまいそうだった。
繋ぎそうで繋がない私たちの手のようだった
歳末大売出しのクジの一等が金星までの2泊3日の旅行だった。
当たるはずがないと無作為にくじを引いた。
クジには一等賞と書かれていた。
「おめでとうございます」と係りのお姉さんに言われ、ベルで祝福された。
困った。
一人ものだから一緒に行ってくれそうな相手がいない。
轟く祭囃子の中、若者は帽子を取って、娘にこんにちはと挨拶をしました。
恥ずかしがり屋の娘さんもこんにちはと小さな声で言いました。
「よかったら一緒に見て回らないかい?」若者は一目で娘に恋をしてしまったのです。
娘は小さく頷きました。若者は嬉しくなって娘を抱き締めました
タクシーを呼んで、夜の病院に駆け込んだ。
激しい胃痛と吐き下しに胃腸炎になったのかと疑った。
「熱測ってくださいね」と看護師が笑顔で体温計を持ってきた。
熱を測っている間風に吹かれて落ち葉になってしまった葉のことを思っていた。
紅葉しきらず落ちた葉は残念な気分だったろう
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