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「 140文字の物語 」
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夜空を眺めていると狭間があることに気がつく。
ほんの一瞬のタイミングでそれはこちらを飲みこもうとする。
狭間に入り込んだら二度と出られない。
この時期、夜空を眺めてぼんやりしている人間が多いから、監視を怠れない。
狭間に引き込もうとする人間を許さない。
今日も監視を続ける
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好きな布地に刺繍を施す。
小さくイニシャルに蔦を絡める。
「痛っ」また指に針を刺してしまった。
救急箱から絆創膏を取り出す。
左手に増えていく絆創膏に、我ながら不器用すぎると苦笑をしてしまう。
裾にレースをあしらう段階になった。
細かい作業にぶん投げそうになるけれども続ける
夕方の書店は学生がちらほらいる程度の混雑だった。
もう30分ほどだろうか。
本の虫が本棚を眺め始めて。放っておかれている身にもなって欲しい。
「まだー?」しびれを切らして尋ねる。
「んー、あとちょっと」本の虫は答える。
「ゼリー、1個じゃダメなんだからね」
「わかってるよ」
さりげなく、指先を触れ合わせる。
はしばみ色の瞳が弾かれたかのようにこちらを見る。
反射的に視線を逸らした。
手を握り返された。
「生き残りましょう」よく通る声が言った。
力づけられて振り返る。
戦場とは思えない普段通りの微笑みが待っていた。
それにつられるように笑顔になった
夏休みだから自由な時間が多い。
虚構世界へとログインする。
美少女のアバターに身を転じて、虚構世界を歩き回る。
向こうからフレンドがやってきた。
「マッチングイベントやった?」フレンドが訊ねる。
「そんなイベントあるんだ」
「お知らせに書いてあったよ」フレンドが教えてくれた
8月31日の夜。
課題が積まれた机の上を見て後悔した。
手つかずの課題も多い。
いや手つかずの課題しかない。が正しい。
夏休みの宿題は夏休みの内に終わらせておくべきだろう。
毎年後悔している。
それなのに進歩がないのはどういうことだろう。
自由に遊びまわった日々に後悔している
彼は天才だった。
真新しい楽譜を一通り読むとピアノの元に向かった。
大きな手のひらから音楽が紡がれる。
ミスタッチも一度もなく弾ききった。
一度、読んだだけの曲を自分の物にしてしまったのだった。
それに驚愕する。
掛け値なしの天才の実力を見せつけられたのだ。
私は拍手を送った
「きわどいメガネキャラだよねー」と幼なじみのメガネフレームにふれる。
「どういう意味だよ」幼なじみは私の手を掴んだ。
「そのまんまだよ。Sっけがありそうな感じがするなぁって」
「そういうこと言うと苺はもうやらないぞ」
「そういうところとか」と夜のベランダで話していた。
新しい家は大きく、一人一人に部屋があった。
部屋自体もゆとりを持った設計になっていた。
真新しい木の香りに包まれて、ベッドに転がる。
何かが物足りない。
予測できたことだ。
人肌が恋しいのだ。
兄弟揃って並べていた布団が恋しくなった。
そこには家族というぬくもりがあった。
昼下がり私室でゴロゴロしていた。
無事に荷物を下ろし、契約金が支払われた。
あとは地球に帰るだけだ。
少女型のAIがアラートを鳴らした。
「倉庫に生命反応があります」はた迷惑なことを告げる。
起き上がり倉庫に向かうと少年がうずくまっていた。
踏んだり蹴ったりとはこのことだ。
-
「あ、星が流れた」と少女は明るい声で言う。
「凶兆ですよ」少年は言った。
「だって、あんなに明るい流れ星はなかなか見られないわよ」と気にせず少女は言う。
「どんどん星が流れていく」少女は空を見上げる。
それに付き合う少年は溜息を一つ零した。
代わって欲しいとは思わなかった
幼なじみと街に出かけた。
体の良い荷物持ちだ。
幼なじみが嬉しそうに、腕を軽く握ると路地裏に引っ張り込まれた。
「何だよ、急に」
「静かに」幼なじみはニコニコ顔で言った。
しばらくすると、テニス部の部長が女連れで歩いてくるのが見えた。
路地裏に身を隠して通り過ぎるのを待った
虚構世界でお花見をしようという事になった。
集合場所は万年桜の下だ。
部活仲間とオンラインでも繋がっているのは楽しい。
私はさっそくログインした。
万年桜はイベントもなく、いるのは部活仲間だけだった。
枯れずにいつまでも咲いている桜は、虚構世界ならではという感じだった。
唇を掠め取られた。
驚いて目から涙が零れた。
初めてのキスだったから、夢が壊されたような気がした。
綺麗な夜景も目に入らない。
もっと大切にしたかった。
その気持ちを解って欲しいと思った。
泣く私を彼はなだめようとするけれど、よりいっそう悲しくなるのは何故だろう。
15分寝坊した。
その分、家を出るのが遅くなった。
自転車でダッシュしたけれども、電車は発車してしまった。
乗り換えの駅に早くつけと願いながら次の電車に乗った。
吹きさっらしのホームは寒かった。
彼女を見つけた。
声をかける前に怒り顔で、指先を軽く握ってきた。
「ゴメン」謝る
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