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「 140文字の物語 」
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新しい枕を買ったものの眠れなかった。
俗に枕が変わると眠れないというヤツだろうか。
仕方なしに夜のコンビニまで明日のご飯を買いに行く。
お総菜パンを見ていたら懐かしいあだ名で呼びかけられた。
振り返ると中学生の時の友人が立っていた。
「こんなところで出会うなんて意外だね」
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「やっぱり行っちゃ嫌だ」駅の構内で私は言った。
「大丈夫だよ」彼は言いながら、頭をぽんぽんと撫でてくれる。
「だって心配だよ」
「日帰りの出張だから、夜には会えるよ」彼は言う。
「約束だからね」と私は言う。
遠慮がちに、指を指先でなぞる。
そして小指を絡めた。
「約束だ」
静寂に包まれた神殿で舞を舞う。
音がなくても体が覚えている。ピンと指先まで伸ばして、背筋も伸ばす。
くるりと回ると、服の裾まで広がる。
同じ歳のあの子に負けないように、練習を繰り返す。
彼女は練習一つなく、完璧に舞えるのだ。
練習が必要な私とは違う。
練習だけが私の支えだ。
心から書き出された文字は結晶化する。
結晶化された文字は、キラキラと輝いて、溶けることはない。
庭に飾られた文字は通り過ぎる人々の目を楽しませる。
一人の少女が庭に入りこみ、結晶化した樹にさわった。
とがった文字が少女の指を傷つけた。
赤い血がぽつんと指先を飾る。
夜空の下、少女が鞠をついている。
鈴の入った鞠はしゃんしゃんと鳴る。
「あ」鞠をついていた少女は呟いた。
青年は少女を見に起き上がった。
「どうした?」と問えば、少女は困ったように池と青年の顔を交互に見やる。
鞠は池を泳いでいた。
バカな存在だ。と思いながら鞠を拾ってやる。
-
クリスマスのイルミネーションは、天に輝く星が地上に降りてきたようだった。
大きなクリスマスツリーを見上げていると、待ち人がきた。
真っ白な息で「おまたせ」と言った。
「待っている間も楽しかったです」と私は言った。
彼は私の手を取る。
少し温かい体温が心地よかった。
深夜まで開いている書店は貴重だった。
今日は試験の成績が返ってきた。その点数を見た親は、もちろん激怒した。
クリスマスどころではなくなってしまった。
ケーキの味が分からなくなった。
参考書を買いに行くと言い訳して、外に出た。
今から勉強して志望校に受かる確率は5割だ。
鳥の鳴き声で目が覚めた。
場所は寝室だった。
戦場にいたはずなのに本国に戻ってきているという事は、恐る恐る起き上がろうとして、静止する。
力強く、両手に指が絡められていたのだ。
絶対に離さないとでもいうように。
指の持ち主は寝台に頭をのせて眠っていた。
朝の光が照らしていた
天球染物師になった少年は、虹色の翅を持つ天龍からその鱗粉を分けてもらうという。
近所の森を歩くような軽装で旅立つ少年の背を少女は見送る。
天龍は穏やかな性質だと聞くが、それでも龍だ。
鋭い爪にひっかけられたら、ひとたまりもない。
霞んでいく背に祈るように指を組む。
緑が濃く、迷子になりそうだった。
地図とコンパスを睨みながら、慎重に道を進む。
道といっても獣道だ。
ちょっとでも外れれば、現在位置すら怪しくなってしまう。
森に埋もれた遺跡に辿り着けるのだろうか。
不安になってきて爪を噛む。
地図に間違いがなければそろそろ見えるはずだった
ゆとりを持って家を出た。
携帯電話を開き、マナーモードにボタン操作する。
いつでも連絡に気づけるように携帯電話を服のポケットにしまう。
街は12月の明かりが灯されていてロマンティックだった。
約束の時間まで、まだ10分もあった。
楽しみしすぎだろうと自分に突っ込みを入れる
異界から迷いこんだ少年は、とりあえず村長の家預かりになった。
彼のように迷い人は国全体から見ると珍しくはないが、小さな村である。
彼は好奇な視線にさらされた。
彼はその視線に寂しそうに笑うばかりだった。
迷い人が元の世界に戻れた例は一例もない。
見知らぬ異界でついえるのだ
-
彼の人は戦場の焔が似合う。
敵陣を切り裂いていく姿は、舞のよう。
緑の双眸がきらきらと輝く。
戦場の中で誰よりも「生きている」と思う。
同じ戦場に立てて光栄に思う。
身近に控えることが出来て嬉しいと思う。
彼の人は呼吸をするように敵を屠る。
傷つくことを厭わず真っ直ぐに走る。
夜のバーはしっとりとして良い雰囲気だった。
オレンジカシスを飲む横顔を見ながら、ウィスキーを舐めるように飲んでいた。
どうしたら、彼女の心を縛りつけることができるのだろうか。
彼女はとても自由だ。
誰にも縛られることがないから魅力的だと解っている。
その自由さに憧れるのだ
真新しい制服に身を包む。
家を出ると、幼なじみが待っていた。
借り物のような制服姿だった。
ぴかぴかの一年生だから仕方がない。
桜並木の下、今まで通り堂々と、指先を握る。
春爛漫の中、また同じ学校に通えることが嬉しいと思った。
受験勉強を頑張った甲斐があったというものだ。
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