忍者ブログ
「 140文字の物語 」
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

誰が見ているか分からないのに、彼女は手を繋ぎたがった。
日が暮れたならまだしも、まだ昼間だ。
往来も多い道でそんな恥ずかしいことはできない。
噂になったらどうするつもりなんだ、と思った。
それでも彼女のおねだりは続く。
仕方なく、腕を触れ合わせる。
今はそれが限界だ。
PR
魔女と天使と旅行に行くことになった。
勿論、鉄の塊に乗ってだ。
まず魔女が言った。「箒で行ける距離だよ」
天使も言った。「羽ですぐにつく距離だよ」
どちらの意見ももっともだったが、ただの人間には出来ない相談だった。
「飛行機に乗るって決めたからね」と言うと二人は膨れた。
独り部屋の中でテレビを見ていると、空しさが降り積もってくる。
面白くもなんともない番組をぼーっと見ている。
孤独だった。
年末年始忙しい家族を持つとこうなることは予想はできたはず。
それでもこの孤独は誰かと分かち合いたいと思ってしまう。
一人がどんなに辛いのか解って欲しい
「この花、なあに?」どこか甘い口調で幼なじみが問う。
「花弁が落ちてるから山茶花だよ。椿は首ごと落ちる」こうして教えるのも何度目だろうか。
「山茶花かあ」
どこか幼いところのある幼なじみをどこかに閉じ込めてしまいたいという欲望がかすめる。
飛びこんでしまえば楽なのだろう
サバイバルゲームに参加している。
茂みに隠れて気配を殺す。
負けな雰囲気が濃厚に自軍に漂っていた。
最後の一人になるまで戦い続けるつもりだった。
「ヒット!」また聞き覚えのある声がした。
ライフルにふれる。
いつの間にか血が出ていた。
絆創膏を貼らないといけないなと思った。
夕食も終わって、片づけも済むとDVDを再生する。
ソファに並んで座ってみるのがここ最近の習慣になっている。
今日はコメディタッチな恋愛ものだ。
隣に座る彼女がくすくすと笑う。
TVの中の恋人たちが繰り広げる一連の騒動は可笑しかった。
この時間が永遠に続けばいいのにと思った
「付き添いいらないよ」と彼女は弱々しく呟いた。
「俺がしたいんだよ」と力押しで病院まで車で乗せていく。
待合室で並んで座っていると、普段よりも熱い指先が指にしがみつく。
振り向くと目を逸らされた。
やっぱり心細かったのかと心の中で呟く。
手を繋いだまま名を呼ばれるのを待つ
気がつけば朝だった。
太陽は顔をだし、カーテンの隙間から部屋に差し込んでいた。
小鳥がさえずる声も聞こえてくる。
ゲームをやり始めたのが深夜だったから悪いのだ。
ついクリアしてしまった。
ノンストップでのめりこんだゲームは名作だった。
だが、今日は大切なテストがある日だった
近頃は魔法のステッキも機械製だ。
自分好みの枝を探すよりも、量産されている汎用性の高い機械の方が楽だという事だ。
魔法のステッキが枝の生徒は少数だ。
そのかわり枝を使用する生徒の方が成績は優秀だ。
枝が生徒一人一人に合わせて染まるからだろう。
是非とも枝探しをして欲しい。
紫色の布の上に水差しや果物が並べられていた。
配置を考えながら置かれたそれらは自己主張する。
それが悩みの種だった。
静かな脇役がない物かと、レモンを布の上に置く。
紫色の布の上でレモンは自己主張を始める。
どんなものなら主役の銀の水差しを輝かせられるのだろうか。
冬も本格的になって、寒いという言葉も手垢がついてきた。
毎日、顔を合わせては寒いねと言っていると飽きてくる。
他に言葉がないのか、と毎朝思うもののやはりおはようの次には寒いねがつく。
彼女はぎこちなく、手のひらを軽く握ってくる。
それに応えるようにぎゅっと握った。
年の瀬も迫った夜に幼なじみから呼び出された。
吐く息が凍るような寒さだった。
指定された場所に着くと、幼なじみの笑顔で迎えられた。
コートすら着てない幼なじみはどこか遠くの人に見えた。
まるで、そう宇宙人のように思えた。
「たまには天体観測も悪くないんじゃないかと思って」
まだ袖を通したことがないワンピースに、お気に入りの赤い靴。
リップじゃなくてグロスを唇にのせる。
鏡の中でイヤリングがきらりと光った。
カバンの中にはコンサートのチケット。
忙しい彼から贈られたプレゼントだ。
今日は久しぶりに二人きりで過ごせる日だ。
私の胸の鼓動は逸る。
読書とはその世界に飛びこむことだと思う。
常世という鎖に繋がれたまま、書き手の創りだした世界を泳ぎ回る。
底が見えない世界に飛びこむのには、いささかの勇気と準備運動が必要だ。
一度、文章を読み始めたら、よっぽどのことがなければ中断できない。
鎖を引っ張る何かが必要だ。
-
「寒いですね」息が白く凍る。
「ええ。本当に。雪でも降りそう」と答えが返ってくる。
それが何だか温かかった。
空を見上げると星々がきらきらと輝いていて、雪が降る余地などなさそうだった。
けれども「降ると良いですね」と言った。
「降ったら雪合戦しましょう」と笑った声まで白く
PREV ← HOME → NEXT
忍者ブログ [PR]
 △ページの先頭へ
Templated by TABLE ENOCH