いつもはくくられている髪が下されていた。
風になびく黒髪が手を伸ばせば届く距離にあった。
結びなおそうとしたのだろう。櫛を片手に必死に髪をまとめている姿が面白かった。
さわったら絹のような手ざわりがしそうだった。
誘惑に負けて風のように少女の髪にふれた。
思った通りだった
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読んだ人が狂うという本を入手した。
タイトルは「深海」という。
装丁も凝っておらずタイトルが縦書きに書いてあるだけだ。
プロではなく、自費出版で出された本だったので手に入れるのは大変だった。
紅茶を共に私は深海を読んだ。
感情移入して読書をしたせいか私も時間間隔が狂った。
ピンポーンとインターフォンが鳴った。
こんな夜に誰だろうと、不思議に思いながら玄関の扉を開いた。
ヒンヤリとした空気と共に抱かれた。
私の皮膚は粟立つ。
幼なじみの悪戯を跳ね除ける。
「雪が降りそうだよ。白い雲が広がっている」得意げに幼なじみは言った。
「コート取ってくる」
今日は快晴で暖かかった。
公園デートに相応しい天気だった。
頑張ってお弁当を作ってきた甲斐もあるものだ。
ベンチに座ってお弁当を広げると彼は喜んでくれた。
優しく、腕を指先でなぞられた。
「この手が生み出したものなんだよね。名コックさん」と彼は穏やかに微笑んだ。
粉雪舞う中、私はあの人を見た。
幽霊でも幻覚でもなく、あの人は確かに立っていた。
門を名残惜しそうに見つめていた。
私は部屋着のまま飛び出していた。
冷たい粉雪が皮膚を叩きつける。
私はあの人を二度と失いたくないと、走った。
彼は立ち止まっていた。
私はその胸に飛び込んだ。
啄むようにキスをされた。
私は目をぱちくりさせた。
突然のことで頭の中は疑問符が回る。
先ほど触れていた唇は遠くにある。
まじまじと見た後、自分の唇をさわる。
キスされたんだ。
ファーストキスだった。
もっと感動があるものだと思っていた。
今は捉えどころのない不思議で満ちている
黄金の光が差し込む午後。
世界さえ微睡むような空気の中、紅茶と共に追憶する。
茶器を温めることすら知らなかった私に、ゴールデンルールを教えてくれた人。
記憶の中、燦然と輝いている。
共に過ごした日々は、いつでも温かく心が温まる。
落ち込んだ時、不安な時、紅茶を淹れる。
朝、玄関を出てボックスから牛乳瓶を取り出す。
夜明けに降っていた雨は雪に変わったようで、庭の松の枝に雪が積もっていた。
緑色に白色のコントラストが映え、ポケットに入れていた携帯電話でパシャリと一枚、撮影する。
鼻水をすすりながら、家に戻る。
すっかり体が冷えてしまった。
やることもない寝正月。
何となし気にドラマを見ていたら、携帯電話が鳴った。
誰だろう、と思いながらメールを開く。
眠い目をこすりながら開いたメールは彼からのあけおめメールだった。
すぐに返事をしたら待っていたように思われるかな。
ドキドキしながら、新年の挨拶をしたためる。
外では雪が舞っているらしい。
暖かい室内で彼女と年越しライブを見ている。
彼女の作ってくれた年越しそばは美味しかった。
お酒も入ってほろ酔い気分だ。
彼女がそっと、腕を指先でなぞる。
背筋を電気が走ったような気がした。
いたずらな彼女の目を見ると、彼女はクスクスと笑った。
子供だけで買い物に行かせるのは、心配だった。
いつも行くスーパーだし、買ってくる物も簡単な物だ。
大丈夫だろうと解っているものの、そわそわしている。
キッチンとリビングを行ったり来たりしている。
お会計、きちんとできるだろうか。
スーパーの袋にしまえただろうか。
不安だ。
隣の部屋の人が帰ってくるのを待っていた。
階段を登ってくる音がした。
お隣さんと目が会った。
会釈をしあう。
「ちょっと多めに作り過ぎちゃったから、どうかと思って」と私は言う。
クッキーを手渡す。
お隣さんが鼻で笑ったような気配がしたが、気にしない。
「ありがとうございます」
主人公が荒ぶる。
蹴りで風を巻き起こして、絨毯をめくり上げる。
絨毯が敵に襲い掛かる。敵は刀で絨毯を切り裂く。
その一瞬の隙に主人公は間合いを詰める。
切り裂かれた絨毯から飛び込む。
敵の刀を持った腕を狙う。
しかし、敵は刀を横薙ぎに振るう。
主人公は恐れずに蹴りを繰り出す。
流行性感冒のまとめをテレビで聞く。
今年もインフルエンザは猛威を振るっているらしい。
毎年、インフルエンザにかかっている身としては、あまりよくないニュースだ。
手洗いうがいをしていても、かかる時はかかる。
今年はかからないぞと自己暗示をかける。
免疫力UPの食事を摂取する
少年は水を求めて旅をしていました。
森を地図を片手に歩き続けていました。
絶え間無い不安と希望に揺られ続けながら歩を進めていました。
鳥の鳴き声に空を仰ぎましたが、森の木々に邪魔されて緑が見えるだでした。
ようやく湧き水を見つけたました。
潤沢な湧く水に動けなくなりました