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「 140文字の物語 」
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「片づけていたら出てきたんだ」と彼女は花火を見せる。
季節外れの花火大会となった。
手持ち花火でハートマークを描いたり、ネズミ花火に逃げ惑ったりした。
最後に残ったのは線香花火だ。
小さな花火は風に吹かれて、ポトリと落ちた。
それはまるで恋の終わりのようで不安になった。
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夜空を切り裂くように悲鳴が上がる。
追いかけて口をふさぐ。
細いロープを女の首に巻く。
それから一気に締める。
女はもがくがロープはきつくなっていくだけだ。
そのうち、抵抗が止んで女の手がだらりと垂れた。
男は荒い息を繰り返す。
死を確認して、男は選んだ道の厳しさを噛みしめる
AIが演奏を止めた。アラートが鳴り響く。
パトロール船に追いかけられているらしい。
震える同乗者を抱き寄せる。
「気のせいさ。すぐに撒ける」と囁く。
倉庫には怪しい物は積んでいない。
捕まったところで困ることは何一つない。
アラートが止まり、電子音楽の演奏が再開された。
いつもの散歩コースを歩いていると、助けを求める鳴き声がした。
猫が川に溺れていた。
俺は川に入り、猫を助けた。
ずいぶんと衰弱していた。
早朝でもやっている動物病院に駆け込んだ。
幸い命に別状はないようだった。
数日の入院が必要だそうだ。
助かって良かったと待合室で脱力した。
グイッと服を引っ張られた。
「何だよ」と幼なじみに抗議すると、今度は無理矢理、腕に爪を立てられた。
痛かった。
「こっち」と路地裏に引っ張り込まれた。
「静かに」と幼なじみは言った。
視線は通りに釘づけだ。何があるんだろうと視線を追うと、テニス部の部長が女連れで歩いていた
綿菓子が出来る工程はなんてファンタジックなのだろうか。
割りばしに雲のような砂糖がくるくるとワルツを踊る。子
供のように夢中になって、その様子を見守る。
出来立ての温かいそれをビニール袋に包んでもらう。
人混みがきれたところで袋から出して一口食べる。
甘い。
笑顔がこぼれる
つけっぱなしのテレビから英会話が流れていた。
眠い目をこすりながらリモコンを探す。
朝から英語なんて聞きたくない。
どうして受験に英語なんてあるんだろうと私は溜息をつく。
机の上に開きっぱなしだったテキストを閉じ、散らばった筆記用具をしまう。
英語のせいで朝からブルーだ。
懐かしの故郷まで、あと数里というところだった。
幼なじみのあの子に、地図に挟んだ押し花の栞を渡そうと思っていた。
「そこまでだ」背後から声をかけられた。
振り返ると悪魔が立っていた。
「無事に帰ってもらうわけにはいかない。財宝を返してもらおう」悪魔は言った。
膝の上に日本刀が乗っている。
銘を神楽という。
普通の日本刀と違うのは、斬れば斬るほど切れ味が良くなるという点だろう。
巻き込まれるような形で、この間使ったが易々と抜刀して良いものではない。
俺は舌打ちをした。
中途半端な長さの髪をゴムでくくる。
立ち上がり神楽を抜刀した。
虚栄で造られたホールに立つ。
利用者のない建造物は朽ちるのが早い。
ホールもガタがきているのが分かる。
柏手を打つと反響する。
かつてこのホールで演奏されてきた曲を思い、唇を噛む。
満員のホールに、堂々たるオーケストラによる華麗な演奏。
そこから生まれた新進気鋭な若手たち。
傷つくのがもう嫌だと箱庭の中に閉じ篭った。
自分だけの小さな世界で傷をいやした。
もう二度と他人と関わり合わないと誓った。
それなのに春風のように箱庭の鎖が切られた。
優しい言葉と真摯な双眸が痛みを解ってくれた。
私だけの箱庭はガラガラと崩れた。
私は新しい恋に落ちた。
-
「好きだよ」と彼が言う。
毎日の挨拶のように、繰り返される。
熱のこもった囁きは嘘偽りがないように響く。
「好きだよ」その言葉はまるで鎖のように私を束縛する。
彼の優しい言葉から逃げ出したくなる。
けれども蜂蜜のように甘い言葉に体の芯までしびれてしまって逃げだせそうにない
深夜、床の上に寝転がりながらテレビを見ていた。
エアコンの温風を感じながら、程よくまったりとしていた。
すると飼い猫が寄り添ってきた。
ビロードのような毛並みを撫でてやると、ゴロゴロと喉を鳴らす。
テレビを見ながら緩慢に飼い猫を撫でる。
まろやかな幸せがそこにはあった。
無理矢理、両手のひらを折れんばかりに握られた。
「帰りたくない!」彼女は言った。
俺はそんな彼女を引きずって電車に乗った。
彼女がポロポロと涙を零す。
「帰ったら今日が終わっちゃう。そんなの嫌だよ」と彼女は言う。
「大丈夫だよ、明日も会えるんだからさ」俺は彼女の髪を撫でる
紅葉に染まった古都を友達と共に歩いた。
今年の紅葉は遅く、燃えるように赤く染まったモミジは少数だった。
染まりきる前に落葉した葉も多かった。ちょっと残念だったねと友達と会話した。
それでも古都のたたずまいは変わらず、それだけで会話に困らなかった。
そこで夢から覚めた。
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