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「 140文字の物語 」
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無性にラーメンが食べたくなって、馴染みの店に向かった。
ほどなく味噌ラーメンがカウンター席に届いた。
どんぶりにふれて手のひらを温める。
陶器越しの温もりに頬が緩む。
割りばしを手に取って食べ始める。
忘れない味がした。
蓮華を使ってスープまで飲み干す。
とても美味しかった。
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星の歴史を知るほど古くからいる竜がいた。
その竜に代々仕える巫女がいた。
干ばつが酷い年があった。
竜がいるせいだと村人の誰かが言い出した。
そもそも竜は悪の可能性があると古い文献を引っ張り出してきた人物もいた。
巫女は竜に寄り添いながら、別れが来ることに怯えていた。
新月の晩に天体観測をしようと約束した。
どうやら果たせないようだ。
気を付けていたつもりだったが、風邪をひいてしまった。
うつしてしまう危険があるから、断りのメールを朦朧としながら打った。
どれだけ眠ったのだろうか。
メールが一通着ていた。
星空の写真が添付されていた。
最近、彼がよそよそしい。
会話をしていても上の空のことが多い。
メールの回数も激減した。
仕事が忙しいのかと思っていたけれども、それだけが理由ではないようだ。
女の気配がちらつく。
今も食事の途中なのに席を立った。
私は振られるのだろうか。
そんな未来を知りたくない。
音楽室のグランドピアノの鍵盤にふれた。
確かめるようにもう一度、ふれる。
それはやがてたどたどしい曲になる。
フラッシュバックに襲われる。
過去の自分はもっと滑らかに曲を紡いでいたことを。
コンクールで優勝したこともあった。
すべて過去のことだった。
キーを押す感覚を忘れない
幼なじみのわがままに付き合うのも何度目だろうか。
貴重な日曜日が潰されるのが分かったのは早朝だった。
メールで叩き起こされた。
遊園地についたのはその2時間後だった。
ホラーハウスに入ることになった。
満面の笑みを浮かべながら、指にしがみつかれた。
怖いなら止めればいいのに
どんな事情があろうと他人の恋路を覗くのは気まずいものだ。
それも良く知った人物のものだったら余計だ。
あいつがどんな顔して他の男に微笑みかけるのなんて知りたくない。
それなのにどうして俺はここにいるんだろう。
俺といる時よりも楽しげにしているあいつを見て握り拳をつくった
音符が並んだ楽譜は宝物だ。
一つ一つに想い出がこもっている。
初めて音楽にふれた時から楽譜は私の喜怒哀楽を受け止めてくれた。
楽譜をマスターした時の喜び解釈に悩んだ日々。
それらも大切な宝物だ。
また新しい楽譜を買った。
ちょっと背伸びをしてみたけれど、弾ける日がくるだろう
たったひとつのトリュフに思いを込める。
甘いものが苦手な彼に合わせてビターなチョコレートに仕上げる。
普段は台所に立たないけれども今日は特別だ。
出来上がったトリュフをラッピングする。
義理じゃないと解って欲しい。
リボンをかける手が震える。
後は当日、手渡すだけだ。
クッキーをかじりながら、万年筆を走らせていた。
大学入学祝いに買ってもらった万年筆は執筆に欠かせないものになっていた。
ボールペンとは書き味が違う。
原稿に「終」の文字を書きこむ。
立ち上がり窓を開ける。
意識して遠くを見る。
目が疲れていたことに気づかされる。
晩ご飯も食べたし、聴きたいCDもあったから自室に戻った。
シューベルトをCDコンポにセットしたところで、ドアを大きく開かれた。
乱入者は「浮気者!」と叫んだ。
青天の霹靂だった。
彼女と話したが疑いは解けそうになかった。
雷を落とされっぱなしだった。
僕は弁解を繰り返す。
平日の昼間の電車は空いていた。
彼女と二人並んで座席に座る。
カタンコトンと心地良いリズムで電車は走り出した。
終点までのんびりとした小旅行だ。
彼女の膝の上には今日のランチが入っている。
僕はさりげなく、指を触れ合わせる。
ヒンヤリとした手がぎゅっと握り返してきた。
彼からメールが来ない。
必要最低限しか携帯電話を使わない人だと知っているけれど、不安になる。
今、どこにいるのか。
今、誰と一緒にいるのか。
いつの間にか我儘になってしまった。
彼の時間を独り占めにしたい。
無理だと解っているから余計にそう思う。
携帯電話の画面を見つめる。
十字路にさしかかった。
方向音痴の私は地図を開いて確認する。
背後から足音が聞こえてきた。
すれ違うタイミングを狙って、声をかけた。
ガムを噛んでいた青年は不愛想に「右に曲がれば着きますよ」と言った。
私は「ありがとうございます」と頭を下げた。
その間に足音は遠くなった。
公園のベンチには仲良さげなカップルで埋まっていた。
今日は天気も良くて思わず微睡みたくなるような日だった。
けれども俺と彼女の間には見えないバリケードがあるようだ。
付き合って一月経つのに指一本もふれさせてくれないのだ。
勇気を奮い起こして無理矢理、指を触れ合わせる。
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