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「 140文字の物語 」
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チョコレート売り場は駆け込み需要でにぎわっていた。
手作りに失敗した女の子や家族に買って帰る女性でざわめいていた。
明日になればホワイトデーコーナーになるのが面白いところだ。
客層もガラリと変わる。
恥ずかしそうな男の子や義理チョコのお返しを紙袋いっぱいに買う男性に。
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たった一つの誓いを言い訳だと読んだのが間違いだったのだ。
発せられた言葉には、真があるだけで偽りはなかった。
けれども真っ直ぐな誓いを受け止められるほど少女の心は純真ではなかった。
決して長いとは言えない人生の中で、少女は何度も裏切られた。
この誓いも嘘になると思った。
「はぐれちゃうと困るから、手を繋いで歩こうか?」
「大丈夫」そう言った彼女は少し早足だ。
小さな段差で転びそうになったのを抱きとめる。
「やっぱり手を繋ごう」と手を差し出すと、彼女は上目遣いで、指先に爪を立てる。
「大丈夫だから!子どもじゃないんだから」と強がりを言う。
「どれでも好きなのを選んでいいよ」と彼にショーケースの前に連れて来られた。
ダイヤモンドが燦然と輝くリングが並んでいた。
透明な輝きは気高く、凛としていた。
自分には似合わないと思って、誕生石のコーナーに向かう。
一桁ばかり安い指輪を選んではめた。
私にはこれで充分だ。
現実は厳しい。
思い通りにいかない一日だった。
明日が来るのが怖いと思った。
ポケットの中の携帯電話が鳴った。
出ると故郷で就職した幼なじみからだった。
「顔を上げてごらん」と言われた。
いつの間にか俯きがちに歩いていた。
ハッとして見上げると、夜空に星が煌めいていた。
目覚まし時計が鳴った。
いつもよりも早い気がして、眠い目をこすりながらカーテンを開ける。
外はまだ朝日を迎えたばかりだった。
携帯電話を開く。目覚まし時計と1時間違う時刻を知らせていた。
犯人が部屋に乱入してきた。
「おはよう」と満面の笑みを浮かべながら、腕を軽く握る。
入学式を控えたある日、街まで出た。
同じ高校を受験した幼なじみと一緒だった。
それプラス両親。
家族ぐるみのお付き合いだったが、こうやって外出するのは久しぶりだった。
まず靴屋に向かった。
幼なじみとお揃いの革靴を買った。
運動靴ではなく革靴。
大人に一歩近づいたようで嬉しい
先ほどから子供が泣きっぱなしだった。
原因は分からない。
叔父夫妻が置いていった姪っ子は、いつまでも泣き止まない。
こういう時はお菓子でも与えて黙らせるのが一番だと、戸棚を漁るとクッキーの缶が出てきた。
ロングセラーを誇るクッキーは幼少の頃、お世話になった物だった。
男は置時計で時間を確認すると、白い錠剤を飲んだ。
ペットボトルの水をごくごくと飲む。
散乱とした机から体温計を探しだす。
体温計を脇に挟みながら、携帯電話を開く。
メールが何通か着ていた。
体を気遣う内容ばかりだった。
体温計が鳴った。
37℃。
少しは下がってきたようだった。
残業続きでイライラしていた。
彼女から続々と続くメールに返事をするぐらいなら、眠りたかった。
会社の椅子で寝落ちするぐらい忙しかった。
これが喧嘩の元になった。
デートの待ち合わせに遅刻した。
彼女は怒らなかった。
満面の笑みを浮かべながら、腕にふれてきた。
「仲直りしよ」
夜に携帯電話が鳴った。
通話のボタンを押す。
聞き覚えのある声が耳朶を打う。
懐かしい声に思わず目が潤む。
本当に久しぶりに聴いた親友の声は、どこか沈んでいた。
軽い近況報告の後、親友は切りだした。
遠距離恋愛が終わったことを。
声に涙が混じっていた。
私はただ聴いていた。
こうなることは予測できたことだ。
猫なで声で電話がかかってきた。
風邪をひいたので買い出しを頼みたいということだった。
頼れる人が他にいなかったのだろう。
まともに食事をしていないだろから、消化に良さそうな物をスーパーで見つくろう。
「すぐに行く」とメールを打つ。
深夜の歩道橋とは良いものだ。
人の気配がしない。
夜の散策に夢中になる。
ふいに階段を登ってくる音がした。
音はだんだん近づいてくる。
私は逃げ場所を探すが、そんな場所はない。
ライトに照らしだされたのは友人だった。
「久しぶり。やっぱり傷、残っちゃったんだね」友人は言った。
永遠の約束を誓うために、宝石店に訪れた。
プラチナのシンプルな指輪が目的だった。
目星をつけておいたので、すんなり会計まですんだ。
彼女の左手にはめられる日が楽しみだった。
それを伝えると、彼女は恥ずかしそうに、指先に爪を立てる。
わずかな痛みが残る。
それすら嬉しかった。
学校の廊下に貼り出されたテストの順位表を見に来た。
今回は自信がある。
いつも1位の白金色の頭髪の少年の点数を抜けるだろう。
ドキドキしながら順位表を見る。
1位のところに私の名前があった。
やっと勝てた。と喜んだ束の間、少年の名前も1位に書いてあった。
同率首位だった。
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