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「 140文字の物語 」
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彼は策士だ。
気がつけばその手のひらの上で転がされている。
選択肢があるように見せて、どちらも彼好みの結末が待っている。
調子狂いっぱなしだ。
そんな彼が好きなんだから、仕方がない。
今日も罠にはめられた。
罰ゲームと称して手を繋いで下校している。
これはちょっと恥ずかしい。
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日曜日、少女は水玉模様のワンピースに袖を通した。
姿見で念入りに確認する。
口をいの形にして、笑ってみる。
『今日の私は最高に可愛い!』と暗示をかける。
今日は初デートだ。
上手く手を繋げるかな、とちょっと不安になる。
それを打ち消すように携帯電話のアラームが鳴る。
ボロボロになって捨てられた絵本たち。
もう誰にも読まれずに回収されていく。
その悲鳴を作業員たちには聞こえない。
絵本たちは自分の人生の終わりを選べない。
親から子へと受け継がれる絵本もあるというのに、ここの絵本たちはリサイクル工場へと運ばれて生を全うする。
朝の通勤通学ラッシュで、今日も電車は混んでいた。
整列乗車していても、ぎゅうぎゅう詰めでドアに挟まれそうになる。
彼が堂々と、腕を握り締める。
電車の中心部分まで来ると少し空いていた。
私はやっと一息をつく。
揺れる電車の中握られた腕が熱を持つ。
目的地まで顔を上げられない
彼が別の女の子と楽しそうに笑っている。
私の前とは違う笑顔だ。
じっと見ていると視線に気がついたのか、彼が小さく手を振る。
女の子は何気ない仕草で彼のシャツの裾を引く。
彼は会話に戻った。
彼と私は付き合っているけれど、こんなことが続くと不安になる。
彼が八歩美人なのが悪い
目の前にあるチョコレートは無惨な物だった。
途中、何度も修正を図ってみた。
牛乳を足してみたり、チョコレートを足してみたりと。
やればやるほど、酷くなっていく。
完成品を一口 、食べてみる。
石でもかじっているかのような感触だった。
彼は喜んで受け取ってくれそうだけど。
夕方の神社には幸福な記憶が残っている。
缶けり、隠れ鬼、鬼ごっこ。
幼なじみと境内で遊んだ。
懐かしくなって鳥居をくぐり、階段を一段一段登る。
夕方特有の光に満ちていた。
子供時代を振り返るだけでも幸福な気分になる。
広かった境内も狭く見えた。
賽銭箱に五円玉を投げ入れる。
息が凍る。
最低気温が氷点下が続く毎日に慣れはじめてきた。
コートを羽織ると自転車に飛び乗った。
最寄りの駅には小さな人影があった。
手をこすり合わせている。
朝の挨拶をしながら電車に乗る。
「手袋、見つからなくって」彼女は困ったように笑った。
俺はそっと、両手をぎゅっと握る
仕立て上がったばかりの制服が届いた。
ケースの中から、慎重に取り出す。
部屋着を脱いで、新品の制服に袖を通す。
サイズはピッタリだった。
姿見にその姿を映す。
どこか着せられた感がある。
鏡の前で笑って見せる。
一年もすればきっと馴染むだろう。
思う存分、鏡の前でポーズをとる。
「桜か」と言ったまま彼は遠い目をした。
桜が咲く前に私たちは卒業を迎える。
いつもの通学路の桜並木は見ることが出来ない。
普段なら、太陽のように輝いている彼に、気軽に話しかけられそうだった。
「休み中に花見なんてどう?」勇気を振り絞って提案してみた。
「それはいいな」
太陽でも溶かせない氷山に恐怖の城はあった。
住んでいるのはもちろん魔王だ。
魔王といっても、何か悪さをするわけではない。
眷属が起こしたトラブルの尻拭いをするあたり、どちらかといえば良い人である。
勇者も生まれていない時代にあって、魔王は忘れられがちな存在だった。
波の音がまるで心音のようにさざめく。
太陽がゆっくりと水平線に溶けていこうとしていた。
夕方の海辺は人気もまばらで、散策にはもってこいだった。
足音が近づいてきた。
私は立ち止まり、足音を待つ。
「鬼ごっこはおしまいね」と私が笑うと、彼は困ったように首筋をかいた。
いつも一緒にいたね。
悲しい時は半分こ。
嬉しい時は2倍。
おままごとの延長のように、いつまでも一緒にいられると思っていたね。
今は哀しいぐらいに傷つけあっている。
想いは口から零れると反対になった。
そんなこと言いたくないのに。
せめて、最後は微笑んで綺麗なままでいたのに。
「熱も下がったみたいね」少女は言った。
「申し訳りません」と少年は謝る。
少女はリンゴの皮向きに夢中だった。
その様子を見ながら、少年は己に向かって嘲笑する。
役立たずだということを示してしまった。
成果を一つも挙げる前に帰還命令を受けた。
「早く元気になってね」次があると
病院の待合室は重苦しい空気で覆われていた。
私はDSのスイッチを入れる。
イヤホンをはめて、冒険の始まりだ。
今は輝く城を散策中だった。
宝箱を回収するのに手間取っている。
うろうろしている間にモンスターと遭遇してしまう。
めんどくさくなりながらNPCに指示を出す。
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